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異世界召喚に巻き込まれたんだが、勇者がかなり弱くて人生詰んだ。

ノベルバユーザー210019

02 超絶ゲキシブ大器晩成型勇者爆誕

「…は?………はぁっ!?」
俺に情けない声をかけてきた正体は、紛れもなく俺の腐りに腐った小汚いえにし。幼少期から何かあるたびに一緒にいた半身。いや、半身とか認めたくないけど思い返せば返すほど俺の思い出はこいつが付いてるんだからもうこの際認めるしかないだろ。そう、先ほどまで生を感じさせない肉塊に成り果てていた俺の幼馴染がそこにはいた。
「お、お前生きてんの…?」
「その質問の真の意図がイマイチわからんのですけど」
ありえない。英語で言えばアンブィリィバボゥ。
いや確かにこんなの受け止めるもんかとは言ったが、断言していたが、いざ死んだと認識してしまったものがこうも簡単に生き返ってしまうと逆に受け止められない。
というかマジでなんだこれ……わっけわかんねーべ
まぁ、困惑しているのは俺だけではなく。
「…え、ええっ!?ほ、本当に勇者様なのですか!?こんな奇跡って……でも、それでも良かっ、た……!」
タクトが生き返って良かった。とそう泣いている彼女がどのような人物かなんてまだ俺にはわからない。確かに彼女の涙が偽りだとは思えないが、彼女が己の保身しか考えないクズで、面子が立って良かったと泣いているのやもしれない可能性だってまだ拭いきれない。
『信頼に値する人間か』
それを判断できるほど俺と、俺たちと彼女はまだ縁を結んでなどいないのだから。
「タクト、とりあえず俺の質問に答えろ。いいか、まずお前はどこから覚えてる?」
「えーっと光に包まれて気づいたらケンジがさっきの男の人にブチ切れてた。」
あーこれは厄介だな、生き返るなら生き返るでもう少しタイミングというものがあるだろうに何でまたそんな見られたくないとこを……
「…それじゃあ、お前どこか痛いとこはないか?」
「いや、特にないかな。体も普通に動くし。」
「それじゃあ、死んだ事はあるか?・・・・・・・・・?」
「またそれかよ、死んでたら今ここで喋ってないだろ」
やっぱり自覚はないんだな。いやでもこいつがまだ本当にタクトだという確証がない。うし、試してみるか。
「じゃあ、生年月日と好きな食べ物、それとそうだな今日の時間割を言ってみろ。」
「1999年4月18日 タコの刺身。えーと、英国数物体世だっけか、あってる?」
「…ああ、合ってる。じゃあ……俺の好きな食べ物、言ってみろよ」
「はぁ?知るわけねーじゃん!お前好きな食べもんなんてねーって言うくせに、なんだその質問!なんかずりーなぁ」
その通り、俺は親にすら自分の好物を言った事がない。まぁ、単純になんでも食うだけなんだがな。
「本っ当にタクトなんだな、お前は俺の幼馴染であってるんだな…?もう、信じてもいいよな、なぁタクト……あぁくっそ、なんだこれ、ざっけんなよ……」
「うぇえええっ!?ちょっなんで泣いてんのっ!?ケンジっ!?どっか痛いのかっ!大丈夫かっ!」
駄目だ、涙が止まらない。少しばかり恥ずかしい気持ちもあるが、せいぜい心配かけさせた仕返しとしてこのまま狼狽させておくのもありだな。
ーーーーー
「すまん、もう大丈夫だ。おいタクト綺麗さっぱり忘れろ、な?」
「いや無理だろっ!?それに俺はなんであんなにお前がブチ切れてたのかも気になってるんだって。お前が感情に任せて動くなんてそんなのあの日以来だぜ?」
「ウッセェ、マジぶっ殺すぞ」
「あーはっ目がすわってるよこの人。話が通じないパターンだ」
「あ、あの勇者様」
そうだった、俺とした事が何を一件落着ムードを出してんだってなほんと。
確かに、タクトは生き返った。だけどそりゃ結果論だ。あちらにはタクトが死んだ理由もそれに対する対処だってできなかったんだ。おそらく俺たちをすぐに返す事も不可能な事くらいは想像がつく。下手したら帰る方法がないかもしれない。
まだ、俺たちにはこいつらと色々話さなきゃならないんだ。
「いや、タクトじゃなくていい。ケンジ・イイジマ、あんたとは俺が話そう。おそらく巻き込まれただけだが、今の状況どう考えても話すなら俺と話すのが理にかなっているだろう?」
「それも、そうですね。」
この少女、明らかに俺達よりも年齢が下のようだが、最初の狼狽えが嘘みたいにしっかりした眼差しで俺達を見つめてくる。
「なぁ、あんた。とりあえず名前を教えてくれ。そして事の顛末と、俺たちの状況を話していこう。少し厳しい事を言うかもしれないが、俺は今のままじゃお前の事を許せやしない。終わり良ければすべて良し。なんてそんな綺麗事、現実リアルじゃ通用しねぇんだ。」
「ちょ俺置いてけぼり」
「マジで今は黙ってろマリファナ小僧」
なんだその酷いあだ名はーやらなんやらキーキー五月蝿いがもうこいつは無視だ。
「はい、心得ています。私の名前はステラ・ユーグストス・エレオノーラ、この国、エレオノーラの第三王女です。そして生き返ったとはいえ1人の命を私のせいで失う事になってしまった事、そしてその罪は絶対に消える事なんてない、それを承知の上でお話します。」
彼女が語るにはこうだ。
まずこの世界の名前はサラステイル。そしてこの国エレオノーラは西側に位置するこの世界有数の巨大な王国である。
そしてこの世界は数百年前に世界大戦が勃発して以来は、小国同士の領土問題以外では目立つ戦争はなく、大量殺戮兵器として召喚したわけではないという事。
なら何故そんな平和な世界でありながら勇者召喚の儀を執り行う必要があったのか。
それは今から6年前、彼女が10歳の頃に遡る。この国には生涯この国へ忠を尽くした偉大な予言能力者の女性がいたのだ、と。この世界でいう能力とは生まれながらにしてあらゆる生物がもつ固有スキルというものであり。予言、予知能力というものは稀代なのだという。
その予言能力者は生涯80年間ずっとエレオノーラの行く末を予知し続けた。その予言はただの一つも外れる事はなく、王家に莫大な魔力を有した赤子が生誕するという予言から厄災の前触れまで何から何まで当ててきた。
そして彼女が亡くなる昨晩、ある予言を残していた。
《今から7年後、ビオス暦57年にこの国は滅ぶ。それを回避する方法はただ一つ、勇者召喚の儀あるのみ。》
そして彼女の当てた予言のひとつ。莫大な魔力を有した赤子、ステラはこの国の未来の全てをわずか11歳で引き受け、今日この時まで1日も絶やす事なく己の魔力をギリギリまで燭台へ費やしてきたのだと。
ここでひとつ辻褄があわなくなる。予言は7年後といったが、彼女の話では今はビオス暦55年、予言の年よりも2年も早いのだ。
その理由についてもしっかり話してくれた。これはつい2月前の事だった。
彼女の父、そう現国王が突如病に倒れた。
そして彼は願ったそうだ。私が死ぬ前に勇者にこの国を託したい、と。
《現国王として、国を守る勇者を迎えるのは当然、いつ死ぬかわからない私の最後の頼みを聞いてくれないか。》
2年あれば勇者の成長だって恐らくそれなりのものとなる、だから無理をしてでも今召喚するしかなかった、と。
俺たちは本当に起こる確証のない国の滅亡、そして仮に的中しようが、理由も相手も何もかもがわからぬ状況で召喚されてしまった。
はっきりいってこんなのは無茶苦茶だ。クソッタレの御伽噺だよ。
だがもう感情的になっても仕方ない。とりあえず先を考えよう。
「まぁ、なんだ……苦労したんだな。」
「……私にできる事はこれしかなかったのです」
「でもさ、やっぱり俺はそれじゃあ納得はできないし、同情はしても許す事はできない。だったらなんで失敗したのかを俺は知りたいんだよ」
「それがわからないのです。……あの、一つだけ試したい事があります。タクト様のお手をお借りしても宜しいですか?」
「あぁそれで何かわかるなら頼む」
「はい、ではタクト様少しばかり失礼します。」
ステータス オープン。
彼女がそう唱えるとタクトの前にゲームのステータスウィンドウのようなものが突如として現れた。
しかし、驚くのはそこではなくその内容だった。
タクト・ミネギシ Lv1
固有スキル:《絶対的蘇生》死亡を確認3分後蘇生、欠損部位再生。《□□強□□》:んsjうえkしfjdかkqjwhd《□力□□倍》jdjぢぇvうえbふふぃfbうdぢfjqじゃhdk《□□□増□》sjうxべjくぉqjdjぢqkdじゃじゃおqjdjd
状態異常:《スキル阻害》あらゆるスキルの発動を阻害《一撃確殺》攻撃を受けると即死
特殊ステータス:《魔神に阻まれし勇者》勇者に限り、あらゆる経験値と能力値の増量値が大幅減少(常人の0.3倍)


「……タクト、すまん。」
手を上にあげ、タクトの頭に振り下ろす。
「へぐおっ!?」
あぁ、死んでるなぁこれは。

こいつはまたとんでもないクソッタレな御伽噺になったもんだ。こんな理不尽なシナリオ普通あり得るか?いやないね、俺もお前もそしてこの王女さんもタダの役者にしか過ぎないんだってそういう事だろ?
そう言って俺はいつも通りシニカルに笑っちまうんだ。笑ってなきゃこんなのやってらんねーよ馬鹿。


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