創造神で破壊神な俺がケモミミを救う
第43話
リリスが不気味な笑顔を見せる中、マリオネスの苛立ちに焦った部下の兵士達がリリスの捕縛をしようと迫ってきた。
その様子を見たリリスは周りに浮かぶ七色ポーションの内、黄色のポーションを囲んでいた兵士達に浴びせる。
すると回復薬であるポーションを掛けられたはずの兵士達が痙攣を起こしたように次々と倒れていく。
「なっ・・・!」
予想だにしない展開に思わず言葉をつまらせるマリオネス。
マリオネスが驚いている間にリリスの周辺を囲んでいた兵士達は瞬く間に無力化されてしまった。
リリス専用ポーション変換装具「八咫烏」
八咫烏はガランやドグマの武具と同じように大地がリリス専用に遠隔操作と変換魔法を組み込んだ手袋型の装具である。
ポーションにのみ特化させたかなり特殊な能力を持つ装具になっており、その最大の特徴はポーション効果の反転にある。
八咫烏に組み込んだ変換魔法により、八咫烏からポーションへ魔力を注入することで状態異常を治す薬を状態異常を引き起こす毒薬に、体力を回復させる薬を体力を奪う毒薬に変換させること出来る仕組みになっている。
加えて遠隔操作を書き込んでいるため、手に触れなくても念力の要領でポーションを自由自在に操ることができ、遠隔での味方の回復から敵の妨害まで幅広い使い方が出来るようにしてある。
もちろんこれはポーションに対する深い造詣を持っているリリスだから出来ることであり、仮に大地が同じように扱ってもイメージ不足によりポーションの性質を反転させるまでは出来ないだろう。
ドグマの熊樫と同じで文字通りのリリス専用の装具である。
リリスが作成しているポーションは現在七種類あり、体力を回復させる緑、麻痺や痺れを治す黄色、解毒効果のある紫、魔力を回復させる青、腕力値を一時的に上昇させる赤、体力値を一時的に上げる橙、敏捷値を一時的に上昇させる白とそれぞれ効能によって色分けがされている。
そんなことは知らないマリオネスはポーションを浴びて倒れている状況を理解出来ず、痙攣を起こしている部兵士に状況説明を求める。
「何事だ! お前らどうした!」
「力が・・・・身体に力が・・・・」
「お前!いったい兵士達に何をした!」
「お前の言うところのたかがポーションをかけただけだが?」
得意気な顔を見せながら語るリリスにマリオネスも額に青筋を浮かべ始める。
「お前ら 多少痛めつけても構わん! さっさと捕縛しろ!」
マリオネスの怒号によりマリオネスの後方に整列していた兵士が一同にリリスに突進してくる。
リリスは焦った様子もなく両手を兵士達に向ける。すると七色ポーションから紫色のポーションが雨のように突進してくる兵士に降り注いだ。
「ぐはっ!」
「ごほっ!」
紫の雨を浴びた兵士達は急に全員両膝を着くと、喉の辺りを押えながら苦しみ出した。
「ど・・どうなっておるのだ・・・お前達何が起きているんだ!」
マリオネスが必死に部下達に声をかけるも、苦しむばかりで返答はない。苦しむ兵士達は遂には目や鼻から血を流し始め、吐血を繰り返すとそのまま動かなくなってしまった。
「その七色の液体は一体何なんだ!」
「だから。ポーションだって言ってるだろ。た・か・が・ポーションだ。」
「そんな訳はなかろう! ポーションを身体に浴びて血を吐くなど聞いたことないわ!」
「そんなんだから帝国はハーフポーションすら満足に作れないんだよ。研究者たるもの可能性の否定は最もしてはいけないことだ。」
「偉そうな口を獣人が私に叩くな!」
マリオネスは残った兵を全てリリスに差し向けようとするが、残った兵士達は足がすくんで動く事が出来なくなってしまっていた。
リリスは黒い翼を大きく開き、不気味な笑みを浮かべるとマリオネスを含む残った兵士達に青色のポーションの雨を降らせた。
「お前ら注意しろ!魔法で防げ!」
マリオネスは指示を出すと同時に風魔法で頭上に障壁を展開させて青色の雨を防ぐ。
周りの兵士もマリオネスの素早い指示のおかげで魔法師の元に固まり、マリオネスと同じ方法で雨を防いでいた。
「所詮はポーションよ! 身体に触れなければ意味がないわ!」
「はぁ・・・やはりお前は最後まで愚鈍で鈍間で馬鹿だったな。よく頭上を見てみろ。」
「頭上だと?・・・・なっ!」
マリオネスが頭上を見上げると顔に青い雨が落ちる。
障壁を確認すると、展開していた障壁には虫食いのような無数の穴が開いており、雨が障壁に触れるたびにその穴が広がっていく。
広がった穴から青い雨が入り込みマリオネスの身体は青い雨にさらされる。
「しまった! お前ら魔法障壁を展開し続けろ!この雨も無限ではなかろう! 雨が止めばこっちのものだ! それまで何としても耐えるんだ!」
マリオネスは戦意を失いかけている部下を鼓舞しながら魔法障壁を張り直そうとした時、自身の身体の異変に気付いた。
「これ・・は・・まさか・・・魔力・・枯渇だと・・?」
酷い眩暈に襲われ思わず片膝を着くマリオネス。
周りを見渡すと既に部下である兵士達は全員地面に突っ伏したまま動かなくなっていた。
「どうなっ・・・て・・い・・・る・・」
意識を失う寸前のマリオネスの前にリリスが近寄ってくる。
マリオネスは薄れゆく意識の中、黒い翼を広げ不気味な笑顔を見せる七色の悪魔の姿に恐怖を植えつけられていた。
「あ・・く・・ま・・・」
一言言い残すように呟き意識を失ったマリオネス。
自身の作成したポーションの有用性を示せたリリスはマリオネスを見下しながら恍惚とし表情を浮かべていた。
「ドグマさんだけじゃなく、リリスさんまで強いなんて・・・」
「フィア結構強いつもりだけど、リリスとは絶対にやり合いたくないよ。」
「まぁ大地が作成した装具があったからって部分が大きいがな。」
リリスが帝国兵を自身の作ったポーションで倒した話を喜々として語る姿にゼーレとマヒアは精一杯苦笑いを作っていた。
リリスは一回分に小分けしていたポーションをカバンに詰め込むと、倒れ込んでいるマリオネス達に追い打ちをかけるように緑の雨を降らせると満足気な表情を浮かべる。
「よし。これで当分は起きてこないな。ポーションを舐めるからこういうことになるんだ。」
「リリス怖いよぉ~!」
「私は今日から何があってもポーションの悪口は言わないようにします・・・」
「はっはっは! リリスもなかなか豪快な事をするじゃねぇか!」
リリスの帝国兵への容赦ない仕打ちに、表情を一気に引きつらせるゼーレ達。二人の後ろでガランは何が面白いのか高笑いをしている。
その後四人はリリスの必要最低限の研究データやサンプルとなるポーションを持ち出し、シェルターへの帰還を始めた。
帰還途中にゼーレ達を追っていたマヒアとガランと合流を果たす。
マヒアは特にゼーレ達を心配していたようで、ゼーレ達の無事な姿を見て、安堵の表情を浮かべていた。
その時ゼーレがリリス一人で帝国兵の幹部クラスとその部下達を全滅させたことをガランに報告したのだが、やはりガランもリリスの容赦の無さに顔を引きつらせていた。
その後、シェルター前に無事帰還を果たしたドグマ達を獣人達は笑顔で出迎えた。
特にドグマは弟子に相当慕われているらしく、弟子達は涙を流しながら喜んでいた。
ガランは喜ぶ獣人達を尻目に、犬斗とレイへの念話を行っていた。
レイからは獣人達の被害も無く、帝国兵を撤退まで追いやったと返答が来たが、犬斗からは相変わらず返事が返ってこない。
「くそ・・後は犬斗さえ無事でいてくれればってとこ何だがな・・・」
「やはり犬斗殿と連絡がつかないのか?」
「あぁ連絡がつかねぇ。状況を見る限り犬斗がサイラスを抑えてくれてるんだろう。すぐに加勢に向かおうと思っているが、クーポラの内部は大人数での戦闘を行うのには向いていない。獣士団はシェルターの防備に回す。ドグマ、リリス、ゼーレ、フィアと俺の少数精鋭で向かう。」
「それでは私は!」
「どんな状況になっても冷静に人を動かせる人間を一人はシェルターに置いておいた方が良い。ゼーレやフィアじゃ荷が重すぎるし、リリスは向いてない。ドグマなら出来るだろうが、獣士団からの信頼もあるお前の方が適任だ。」
「また私は後方支援に周るのか・・・」
「そんな顔をするな。お前が後方で備えてくれるから俺達も安心して戦えるんだ。」
「わかった。必ず犬斗を連れて戻ってきてくれ。」
「当たり前だ。シェルターのみんなを頼んだぞ。」
ガランはマヒアにシェルターを託すとドグマ達に声をかけ、中央クーポラへと向かった。
マヒアは中央クーポラへと入っていくガラン達を心配そうな顔で見つめる。
ガラン達が中央クーポラの中に入った事を確認したマヒアがシェルターの方へ戻ろうとした時、西南の方角に信じられない物を目撃した。
マヒアが見た物、それは十字型の巨大な鉄の塊を携えた飛行物体の姿だった。
その様子を見たリリスは周りに浮かぶ七色ポーションの内、黄色のポーションを囲んでいた兵士達に浴びせる。
すると回復薬であるポーションを掛けられたはずの兵士達が痙攣を起こしたように次々と倒れていく。
「なっ・・・!」
予想だにしない展開に思わず言葉をつまらせるマリオネス。
マリオネスが驚いている間にリリスの周辺を囲んでいた兵士達は瞬く間に無力化されてしまった。
リリス専用ポーション変換装具「八咫烏」
八咫烏はガランやドグマの武具と同じように大地がリリス専用に遠隔操作と変換魔法を組み込んだ手袋型の装具である。
ポーションにのみ特化させたかなり特殊な能力を持つ装具になっており、その最大の特徴はポーション効果の反転にある。
八咫烏に組み込んだ変換魔法により、八咫烏からポーションへ魔力を注入することで状態異常を治す薬を状態異常を引き起こす毒薬に、体力を回復させる薬を体力を奪う毒薬に変換させること出来る仕組みになっている。
加えて遠隔操作を書き込んでいるため、手に触れなくても念力の要領でポーションを自由自在に操ることができ、遠隔での味方の回復から敵の妨害まで幅広い使い方が出来るようにしてある。
もちろんこれはポーションに対する深い造詣を持っているリリスだから出来ることであり、仮に大地が同じように扱ってもイメージ不足によりポーションの性質を反転させるまでは出来ないだろう。
ドグマの熊樫と同じで文字通りのリリス専用の装具である。
リリスが作成しているポーションは現在七種類あり、体力を回復させる緑、麻痺や痺れを治す黄色、解毒効果のある紫、魔力を回復させる青、腕力値を一時的に上昇させる赤、体力値を一時的に上げる橙、敏捷値を一時的に上昇させる白とそれぞれ効能によって色分けがされている。
そんなことは知らないマリオネスはポーションを浴びて倒れている状況を理解出来ず、痙攣を起こしている部兵士に状況説明を求める。
「何事だ! お前らどうした!」
「力が・・・・身体に力が・・・・」
「お前!いったい兵士達に何をした!」
「お前の言うところのたかがポーションをかけただけだが?」
得意気な顔を見せながら語るリリスにマリオネスも額に青筋を浮かべ始める。
「お前ら 多少痛めつけても構わん! さっさと捕縛しろ!」
マリオネスの怒号によりマリオネスの後方に整列していた兵士が一同にリリスに突進してくる。
リリスは焦った様子もなく両手を兵士達に向ける。すると七色ポーションから紫色のポーションが雨のように突進してくる兵士に降り注いだ。
「ぐはっ!」
「ごほっ!」
紫の雨を浴びた兵士達は急に全員両膝を着くと、喉の辺りを押えながら苦しみ出した。
「ど・・どうなっておるのだ・・・お前達何が起きているんだ!」
マリオネスが必死に部下達に声をかけるも、苦しむばかりで返答はない。苦しむ兵士達は遂には目や鼻から血を流し始め、吐血を繰り返すとそのまま動かなくなってしまった。
「その七色の液体は一体何なんだ!」
「だから。ポーションだって言ってるだろ。た・か・が・ポーションだ。」
「そんな訳はなかろう! ポーションを身体に浴びて血を吐くなど聞いたことないわ!」
「そんなんだから帝国はハーフポーションすら満足に作れないんだよ。研究者たるもの可能性の否定は最もしてはいけないことだ。」
「偉そうな口を獣人が私に叩くな!」
マリオネスは残った兵を全てリリスに差し向けようとするが、残った兵士達は足がすくんで動く事が出来なくなってしまっていた。
リリスは黒い翼を大きく開き、不気味な笑みを浮かべるとマリオネスを含む残った兵士達に青色のポーションの雨を降らせた。
「お前ら注意しろ!魔法で防げ!」
マリオネスは指示を出すと同時に風魔法で頭上に障壁を展開させて青色の雨を防ぐ。
周りの兵士もマリオネスの素早い指示のおかげで魔法師の元に固まり、マリオネスと同じ方法で雨を防いでいた。
「所詮はポーションよ! 身体に触れなければ意味がないわ!」
「はぁ・・・やはりお前は最後まで愚鈍で鈍間で馬鹿だったな。よく頭上を見てみろ。」
「頭上だと?・・・・なっ!」
マリオネスが頭上を見上げると顔に青い雨が落ちる。
障壁を確認すると、展開していた障壁には虫食いのような無数の穴が開いており、雨が障壁に触れるたびにその穴が広がっていく。
広がった穴から青い雨が入り込みマリオネスの身体は青い雨にさらされる。
「しまった! お前ら魔法障壁を展開し続けろ!この雨も無限ではなかろう! 雨が止めばこっちのものだ! それまで何としても耐えるんだ!」
マリオネスは戦意を失いかけている部下を鼓舞しながら魔法障壁を張り直そうとした時、自身の身体の異変に気付いた。
「これ・・は・・まさか・・・魔力・・枯渇だと・・?」
酷い眩暈に襲われ思わず片膝を着くマリオネス。
周りを見渡すと既に部下である兵士達は全員地面に突っ伏したまま動かなくなっていた。
「どうなっ・・・て・・い・・・る・・」
意識を失う寸前のマリオネスの前にリリスが近寄ってくる。
マリオネスは薄れゆく意識の中、黒い翼を広げ不気味な笑顔を見せる七色の悪魔の姿に恐怖を植えつけられていた。
「あ・・く・・ま・・・」
一言言い残すように呟き意識を失ったマリオネス。
自身の作成したポーションの有用性を示せたリリスはマリオネスを見下しながら恍惚とし表情を浮かべていた。
「ドグマさんだけじゃなく、リリスさんまで強いなんて・・・」
「フィア結構強いつもりだけど、リリスとは絶対にやり合いたくないよ。」
「まぁ大地が作成した装具があったからって部分が大きいがな。」
リリスが帝国兵を自身の作ったポーションで倒した話を喜々として語る姿にゼーレとマヒアは精一杯苦笑いを作っていた。
リリスは一回分に小分けしていたポーションをカバンに詰め込むと、倒れ込んでいるマリオネス達に追い打ちをかけるように緑の雨を降らせると満足気な表情を浮かべる。
「よし。これで当分は起きてこないな。ポーションを舐めるからこういうことになるんだ。」
「リリス怖いよぉ~!」
「私は今日から何があってもポーションの悪口は言わないようにします・・・」
「はっはっは! リリスもなかなか豪快な事をするじゃねぇか!」
リリスの帝国兵への容赦ない仕打ちに、表情を一気に引きつらせるゼーレ達。二人の後ろでガランは何が面白いのか高笑いをしている。
その後四人はリリスの必要最低限の研究データやサンプルとなるポーションを持ち出し、シェルターへの帰還を始めた。
帰還途中にゼーレ達を追っていたマヒアとガランと合流を果たす。
マヒアは特にゼーレ達を心配していたようで、ゼーレ達の無事な姿を見て、安堵の表情を浮かべていた。
その時ゼーレがリリス一人で帝国兵の幹部クラスとその部下達を全滅させたことをガランに報告したのだが、やはりガランもリリスの容赦の無さに顔を引きつらせていた。
その後、シェルター前に無事帰還を果たしたドグマ達を獣人達は笑顔で出迎えた。
特にドグマは弟子に相当慕われているらしく、弟子達は涙を流しながら喜んでいた。
ガランは喜ぶ獣人達を尻目に、犬斗とレイへの念話を行っていた。
レイからは獣人達の被害も無く、帝国兵を撤退まで追いやったと返答が来たが、犬斗からは相変わらず返事が返ってこない。
「くそ・・後は犬斗さえ無事でいてくれればってとこ何だがな・・・」
「やはり犬斗殿と連絡がつかないのか?」
「あぁ連絡がつかねぇ。状況を見る限り犬斗がサイラスを抑えてくれてるんだろう。すぐに加勢に向かおうと思っているが、クーポラの内部は大人数での戦闘を行うのには向いていない。獣士団はシェルターの防備に回す。ドグマ、リリス、ゼーレ、フィアと俺の少数精鋭で向かう。」
「それでは私は!」
「どんな状況になっても冷静に人を動かせる人間を一人はシェルターに置いておいた方が良い。ゼーレやフィアじゃ荷が重すぎるし、リリスは向いてない。ドグマなら出来るだろうが、獣士団からの信頼もあるお前の方が適任だ。」
「また私は後方支援に周るのか・・・」
「そんな顔をするな。お前が後方で備えてくれるから俺達も安心して戦えるんだ。」
「わかった。必ず犬斗を連れて戻ってきてくれ。」
「当たり前だ。シェルターのみんなを頼んだぞ。」
ガランはマヒアにシェルターを託すとドグマ達に声をかけ、中央クーポラへと向かった。
マヒアは中央クーポラへと入っていくガラン達を心配そうな顔で見つめる。
ガラン達が中央クーポラの中に入った事を確認したマヒアがシェルターの方へ戻ろうとした時、西南の方角に信じられない物を目撃した。
マヒアが見た物、それは十字型の巨大な鉄の塊を携えた飛行物体の姿だった。
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