創造神で破壊神な俺がケモミミを救う

てん

第6話

次の日の朝。大地はゼーレに案内してもらい、食物を作っている場所に向かっていた。

昨日ある程度の事情をレイ達から聞いていた大地は、その内容から緊急性による優先度をつけ、優先度の高いものから取り掛かることで合意してもらっていた。

そして数ある問題の中で一番緊急性が高いものがゼーレが担当していた食料問題である。

畑に向かう道中ゼーレより現在の食料事情について説明を受ける。

「現在の食料事情ですが、正直その日の食料を調達するので精いっぱいの状態です。一応この先に畑を作り野菜等の作物を作っているのですが、それも芳しくありません。族長が話されていたように土地が痩せているため、できが悪く小さい物しかできません。様々な場所で試したり、腐葉土を作り肥料とし活用したりもしたのですが、どれも結果は同じで・・・」

ウサ耳を折り曲げながら自分のふがいなさを噛みしめるように話をするゼーレ。

その後も現在育てている作物の種類と育て方や狩りについて説明を受ける。

どうやら育てている作物は名前が違うだけで自分の世界のものとほとんど違いはなかった。

根野菜はジャガイモ、サツマイモ、大根、ゴボウ等。葉野菜はレタス、キャベツ、白菜、水菜等を育てていた。どの種類育ちやすいのか調べていた結果、種類だけ豊富になってしまったみたいだ。

狩りについても一日に鳥を一羽で狩れれば良い方らしい。

しかし現在この村には百人程度の獣人が暮らしているそうだ。とてもじゃないが一日一羽では賄えない。

早急に食料事情の改善をしなくてはならない。

詳しい食料事情について聞き終わると同時に畑に着く。面積はかなり大きくサッカーコートぐらいの大きさはありそうだ。大地はまず畑に手を当てインプットを開始する。大地の後ろでゼーレは無言のままその様子をみつめる。
 

名称 土 状態 低栄養
レイングローブによる吸収行為あり


『あの木が原因か。そういえば説明欄にそんなこと書いてあったな・・』

「レイングローブが原因だな。」

「えっ!?もう原因がわかったのですか!!?レイングローブが原因なら、どうすることもできないじゃないですか。この密林の木のほとんどはレイングローブなんですよ!!」

絶望した表情になり、わめくゼーレを差し置き、予想以上に早く原因を特定した大地は次に視界に見える全てのレイングローブにプログラミングを行う。

命のあるものにプログラミングが出来るか心配だったが問題なく出来た。

大地は最初に畑周りのレイングローブをプログラミングで枯れた状態に変更しようと試みたが出来なかった。

どうやら生き物のプログラミングでは直接命に関わる情報の付け加えや削除、変更は出来ないようだ。

大地は仕方なく他の作物に影響を与える特徴を削除し、周りに影響を与えないように情報を書き加える。


名称 レイングローブ 
生命力が強く、痩せた土地によく見られる植物。
痩せた土地を肥やす特性を持つ。       


その後変更されているか確認を行う。ゼーレは相変わらずわめき続けている。

土地が痩せた要因を排除した大地は、次に畑のプログラミングを開始する。

低栄養状態から栄養価の高い状態と変更、ついでに耕した状態にし、通気性、排水性、保肥性が良いと書き加える。


名称 壌土 状態 良好
通気性、排水性、保肥性に優れている。


レイングローブ同様に確認を行い、畑で既に成長しきっている野菜達の説明欄を覗く。

やはりすべての野菜の評価が粗悪と表現されていた。

大地は収穫できる作物をひとまとめにして欲しいことを伝える。するとゼーレは畑で収穫作業をしている者に声をかけ、収穫物を一つの場所に集めていく。

ゼーレ達が収穫物を集めている間、作物が空になった畑に作物の苗を再現していく。

畑全体に苗を再現したところでゼーレより声がかかる。どうやら作物を集め終わったようだ。

「大地さん、言われた通り収穫物をすべて持ってきました。」

「ゼーレありがとう。ところでその子達は?」

ゼーレの後ろには、小学生低学年程度の子供達がおり、こちらをじっと見つめていた。

「人間だ人間だ!!」

「私たちのご飯をどうする気なのよ!!」

「ゼーレ姉こわいよ~!!」

大地と目が合うと子供達はそれぞれ反応し出す。ゼーレは子供達を落ち着かせながら子供達について説明を行う。

「実は畑の世話をしているのはこの子達になるんです。大人は狩りに出たり、村の警備をしなくてはいけないのでどうしても人手が足りなくて。」

ゼーレは申し訳なさそうに子供達の頭を撫でながら話す。

子供が働かなければいけないほど切迫した状況なのだろう。

『それにしてもケモミミがケモミミを撫でる姿は絵になるな』

そんなことを思いながら大地は片膝をつき子供達と目線を合わせる。

「君たちはお野菜の中では何が好きかな??」

ゼーレの後ろに隠れながら、一人の虎耳の女の子が小さい声で「甘いも・・」と答える。こちらの世界でいうさつまいもの事である。

甘いもと聞いた大地は子供達の目の前でスイートポテトを再現する。

それを子供達に渡し、食べてみるように促してみる。

最初は急に何もないところから見たこともないものが出てきたということもあり躊躇していたが、甘い香りに誘われ食べ始める。

「なんだこれ!こんなうまいもん食ったことねぇ」

「美味しい・・これってもしかして甘いも・・?」

「ゼーレ姉甘いよぉ~美味しいよぉ~!」

「大地さんその力はいったい・・?」

ゼーレが驚いた表情をしたままさっきの現象について聞いてくる。

「もしかして大地さんは魔力持ちなのですか?」

「魔力持ちかどうかはわからないけど、この世界に来てからこんな事が出来るようになったみたいで。」

ゼーレに答えながら、目の前の品質が粗悪な野菜の情報を書き換えていく。

品質を特上に変更すると、集められたやせ細った野菜が一瞬にして立派な状態に変化していく。

それを見てまたもや驚愕するゼーレ。しかし大地のチート能力はこれだけでは終わらなかった。

次の瞬間、作物を収穫してまっさらになっていたはずの畑がいつの間にか見事な野菜畑になっていたのだ。

もはや驚きを通り越して笑いすら出てくる状況に言葉が出ないゼーレをしり目に、プログラミングがうまくいった事にほっとする大地。

実は大地は再現した苗にプログラミングを行い、成長速度を高速化させ、栄養価は向上し、間引きや虫よけ等の手間が一切必要ない、農家のみなさんが知れば、どんなことをしてでも手に入れたくなるチート苗を作成して植えていたのだ。

子供達の為に収穫の効率化や、負担軽減も今後は考えていく必要があるが、作物関係は当面の間は大丈夫だろう。

一仕事終えた後のような満足気な顔をしている大地だが、数分後ゼーレからは必死の形相で事情説明を迫られ、子供達から「スイートポテト作って!」とたかられるのであった。

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