復讐者と最後の聖戦

ノベルバユーザー209516

第4話〜学園生活その1〜

「……なさい。起きなさい」
 体を揺さぶられ目を覚ますとレナが呆れ顔で俺を見つめていた。
「ん、終わったか?」
「終わったわよ、皆んな教室へ移動し始めてるわ」
「行きましょう、アレクさん」
 結局あの生徒会長は30分は話していたと言う。寝ていてよかった。
「ここが8組ですね」
 今日室に入ると机の上にはたくさんの教科書が置かれていた。
「うげっ、これ全部読まなきゃいけないの?」
「全部読んで覚えるんだ」
 レナはこの世の終わりだというような顔をしている。どこの誰が毎回赤点取るだびに教えてやっているのか分かってないだろ。
「はーい、席に着いて下さい」
 教室に赤髪でロングヘアの女性が入って来る。おっとりとしていて優しそうな先生だ。だが何故だろう、俺の勘が危険だと警報を鳴らしている。
「私が今日から3年間このクラスを担当することとなりました。ルチアーナ・フィオリーニです」
 先生の優しそうな雰囲気に入学初日で緊張していた場の雰囲気が少し和やかになる。だが、この空気が一緒で壊れることとなる。
 ガラガラガラ
「ふぁ〜、眠い」
 銀髪の少女が欠伸をしながら入って来る。初日から遅刻とは中々の強者である。
「ジェンナちゃん⁉︎」
「んっ、ミーたんおはよう」
 どうやらミーシャと銀髪少女は知り合いで仲も良いようだ。
「初日から遅刻ですか……。ジェンナ・ローズブレードさん」
「「「「「…………(ごくりっ)」」」」」
 先生は微笑みながらジェンナを見つめているが、瞳は全く笑っていない。ルチアーナ先生が物凄い圧を掛けている。その圧はまるで全身を炎で炙られているかのようだ。誰もが動けなくなる。俺も不味いと思い気配を消すことで圧から逃れる。
「……強い、学校なんてつまらないと思ってたけど面白い奴が二人いた」
 あろうかとか圧を掛けられた本人であるジェンナはルチアーナ先生に対して面白い奴だと言って不敵に笑った。ん? 今二人と言った?
「次からは遅刻しないようにして下さいね」
「分かった」
 この時このクラスは密かにルチアーナ先生を絶対に怒らせてはならないという事で一致団結したのだった。
「はい、ではこの学校の事について簡単に説明するわね」
 学校の授業の日程や施設の説明がされ今日は終わっていった。

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