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VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい

夏月太陽

43.ゾンビが鬼畜だったらしい


 ギルドホームに行くと、まだハヤト達は帰ってきていないようで、留守番をしていたクロがこちらに気づくと「お帰りなさい」という鳴き声を出した。

 それに対し「ただいま」と返してから僕がソファーに腰を下ろすと、モモが僕の隣に座った。

 隣に座ったから何かあるのかと思って心の準備をしておいたのに、モモはただ、僕の体にもたれ掛けてくるだけだった。

「どうしたの?」
「いえ、べつに。ただちょっと、こうしたいなぁって」

 モモがそう言うので、ハヤト達が帰ってくるまではこのままにしておくことにした。

 それからしばらくしてハヤト達が帰ってきたので、モモはすかさず普通に座った。

「リュウさん達はやっぱり早いですね。どんなことしてきたんですか?」
「マクロ達とダンジョンの五十階層を攻略してきたんだよ。まぁ、シアンのお陰ですぐ終わったんだけどね」
「リュウさんの力を借りないと攻略できないって、それでもトッププレイヤーなんですかね」
「いや、あのゴーレムはシアンじゃないと防御力高すぎて攻撃が通らないから。全然倒せないから」
「弱点ありますよ? 左胸だけ防御力が低くなっててその中にゴーレムの核があって、それを壊すと倒せるんですよ」
「そういう情報は戦う前に言ってって言ったよね?」
「いやぁ、今の今まで忘れてました。次からはちゃんと言いますから」

 それならいいけど、次やったらどうしてくれようか。と、心の中で考えていると、普通核があるところの方が防御力高いんじゃないの? という疑問のようなツッコミのようなものが頭を過(よぎ)った。

 まぁ、そうでもないと全然攻撃が通らなくて倒せないから仕方ないと思う。

「じゃあ、ハヤト達の方はどうだったの?」
「あぁ……なんと言うか、鬼畜でしたね」
「どんな風に?」
「ゾンビのくせにやたら走るのが高速。しかも、浄化魔法を発動させようとすると魔法陣から物凄い速さで離れる。その上、ゾンビのくせに連携行動をとる。の三大公害のせいで、中々浄化できなくて時間がかかりました……」

 話終えると、さっきまでの苦行を思い出したからか一気(いっき)に三人の表情が暗くなった。

「そ、そうなんだ……。大変だったんだね。でも、よくそんな鬼畜ゾンビを100体も浄化できたね」
「フウキ君とヒカリさんで協力して、頑張ってゾンビを叩き伏せてもらって、それを僕が浄化するっていうのを繰り返したんですよ。まぁ、簡単ではなかったですけど……」

 ハヤト達の表情が再び暗くなった。フウキとヒカリに至っては、「はぁ」とため息をついている。それを見た僕は、そんなに大変なやつだったら僕も行けばよかったかな……? と思うも、今更なことなので気にしないでおく。

 まあでも、苦戦するのは仕方ないよね。高速で走るゾンビを相手にしたんだから。

「あっ、そうだ。どうせ早く終わってて暇を持て余してるであろうリュウさんのために、とっておきの高難易度のクエスト受注してきましたよ」
「……えっ?」

 今のは僕の聞き間違いかな? 僕のために高難易度のクエストを受注してきたって聞こえたんだけど……。

 というか、「暇を持て余してる」は余計だ。

「『幻の食材モロナハスタナチヤン茸(ダケ)を入手せよ』というクエストで、報酬はもちろんモロナハスタナチヤン茸(ダケ)です。ただ、このモロナハスタナチヤン茸(ダケ)は、【キノコの森】というあらゆるキノコが生えている森に1つしか生えていない幻のキノコですから、たとえリュウさんの豪運でも見つけるのは困難です」

 説明を聞いてて、ゲシュタルト崩壊しそうになった。モロナハスチヤン? モロナハスチヤン? よくわからなくなった。

 まぁ、名前は置いておくとして、持て余してはいないけど暇なことは暇なので行くことにした。

 というか、説明してるときのハヤトは物凄くニヤニヤしてて、完全に僕をからかっている顔だった。

 ここ最近のハヤトは、僕をからかうことがマイブームなのかもしれない……。


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