腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

62話 最後の復讐

「わぁー!すごーい!ここがユウの世界かぁ!!」
「馬鹿…あんまキョロキョロすんな。目立つだろ?」
「あ、ごめん…。でも…凄い…!」
「…まあ向こうより文明は発達してるからな。」
「へえ…ねえユウ!この白い線はなーに?」
ミーシェは道路に引かれた白帯を見て尋ねた。
「見てればわかるさ。」
「?」
そんな2人に迫る大きな影。
その影は二人の前を通過していった。
そう…車である。


「な、ななな…なんだ今のは〜?!」
ミーシェがおかしな叫びをあげる。
「うるせえよ…。車だよ車。」
「く、くるま…?」
「ああ…この世界の馬車みたいなもんだな。」
「で、でも馬いなかったよ?!」
まあどうやって動いてるか気になるわな…。
「馬車じゃなくない?!」
あ、そっち?
「馬車じゃなくてしゃじゃない?」
「ああ…だから漢字で書くと車だ。」
「へえ〜!」
「それでこの白帯は白帯の外に出ると危ないぞ的な感じで引かれてるんだ。」
「へえ〜…。」

優とミーシェはサラの転移魔法により、元の世界…地球に戻ってきていた。
今いるのは優の住んでいたアパートの前である。

「ふぅ…で?」
「う、うん…。」
「俺のアパート…無いな。」
「うん…。」

アパートの前である。

「まさかこんな所にコンビニが出来てるなんてなぁ〜。」
「こんびに?」
「ああ、コンビニエンスストア。略してコンビニな。まあ何でも屋みたいな感じだな。」
「へえ〜。」
「さて…とりあえず飯でも食うか…。」
「うん!」



「こ、これは…?」
「ご飯だ。」
「ご、ご飯…。」
「米だよ米。俺らも今育ててるだろ?」
「た、食べていいの?貴重なものなんでしょ?」
「この世界では普通にあるんだよ。」
「い、いただきます…!」
はむ…
ミーシェはお米を口に運ぶ。
もぐもぐ…。
ゴクン…。
「お、美味しい…!」
ミーシェは涙を流しながら呟いた。
「…へ?」
「お、美味しいよぉ…!」
「ば、馬鹿!誤解されんだろうが!」
「だ、だってぇ…!」
「分かったから!涙拭け。」
「うん…。これが…ユウの世界の食べ物…。あ…そう言えばユウ…お金は?」
「え?ああ…向こうの世界のお金こっちに持ってけばこっちの世界のお金になるらしい。だから心配すんな。」
「へえ…。凄いねぇ…。」
「まあ姉貴が何とかやってんだろ。」
「さすがお姉ちゃん。」
「さーて、あとは寝床だな…。親父がどこにいるかも分からねえし。それに…持ってこれた力は一つだけだしな…。」
この世界に戻るにあたり、優はサラとの約束で、向こうの世界のスキルを一つだけ持ってこの世界にやってきた。
「それにしても…なんでそのスキルにしたの?」
「ん?それは俺の復讐に必要だからだ。」
「でも…それじゃ殺せないよ?」
「殺せるさ。社会的にな…。」
「社会的に?」
「殺すなんて生ぬるいことすると思うか?親父には…地獄を見せる。母さんと姉さんの仇だ…。」
自然と優の周りに殺気が渦巻く。
「ユウ…。」
「!」
ミーシェは優の頬に手を置く。
「っ…悪いな…ありがとう。」
「んーん。私は…ユウと一緒にいるよ。この復讐がどんな結果になっても。」
「ああ…ありがとう。」
「うん!」
「さて…フランを待たせるのもあれだしそろそろ動くとしますか。…ていうか早くフランに会いたい。」
「ふふふ…そうだね。」
2人は食事を終え、店をあとにした。



「さーて、どう見つけるかだよなぁ…。」
「だよね…。一度会いに行ったことがあるんでしょ?」
「…ああ。同じところに住んでいるといいんだけどな…。」
「行ってみる?」
「すぐにでも行きたいところだが…そこは遠いからな…。それに準備も必要だしな。何より…環境が変わって疲れたろ?」
「へ?あ、うん。で、でも…」
「俺はお前の体調を無視して自分の復讐を成し遂げるようなことはしないよ。復讐よりもお前優先だ。」
「ユウ…。」
「さ、どこか泊まれるところを探そうか。」
「うん!」


元の世界に戻って最初の夜がやってきた。




遅くなりすいません〜。
ようやくアイデアが固まってきたので投稿再開します。

人気キャラ投票まだやってるので55話の説明を読んで55話のコメント欄によろしくですぅ!

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コメント

  • けん玉マスター

    負け犬さん
    頭痛大丈夫ですかー?
    お大事に!
    たまに現れる作者でした。
    コメント返信できてなくて申し訳ないです…。
    ちょっとリアル忙しくて…。
    こうしてたまに現れますんで…。

    1
  • かつあん

    スキルって持って行けるのひとつだったのか、良かったです。
    何を持っていったのかすげー気になる。大罪魔法でも持っていったか?

    1
  • イルネス

    何度読んでもミーシェ可愛い

    1
  • 負け犬

    私事ですが、いま頭痛がやばいっす、ですが楽しませて読ませていただきました、、ちょっと元気出ました。次も期待してます。

    1
  • KIA

    社会的死を与えるスキルってのはなんだか気になりますね。

    1
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