腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

41話 チーター

向かい合うサラとダーマ。
「ふ…相変わらず美しいですね…魔神サラ…。」
「それはどうも。」
「どうです?人間など捨てて私と来ませんか?」
「スカウトのつもりなら無駄よ。私はミーシェをあんな目にしたエトくんを許さない。もちろんその配下であるあなたもね。」
「ふふ…残念です…。ならば死んでもらうしかありませんね…。」
そう言って目を伏せるダーマ。
「私は魔眼使い。この封魔の魔眼であなたのちゃちな魔法など封じて…」
そう言って目を開けるダーマ。
「!」
目の前には巨大な火球が迫っていた。
なんとかかわすダーマ。
「戦場で目を瞑るのは命取りになるわよ?」
「くっ…だが私の魔眼で…!」
「あら?やらせると思う?」
「な!」
ダーマの周りを魔法陣が囲む。
魔法陣から一斉に魔法が飛び出す。
「フォノンレーザー。」
「っ!」
その場から飛び退き、レーザーをかわす。
「あなたが魔眼で私の魔法を封じるというのなら…魔眼を使う前に倒すだけ。あなたの魔眼は使うのに時間がかかる。その間に仕留めるだけよ…。」
「っ…魔神サラ…!」
「…ダークマター。」
「っ…エクスプロージョン!」
「あら?魔法で防ぐよりも早く魔眼を開眼させたらどうなの?そんな魔法で私の魔法を封殺出来るとでも?」
「っ…がああ!!」
勢いを殺せず吹き飛ばされるダーマ。
「立ちなさい。寝てる暇なんてないわよ?」
「な!?」
上を見上げると氷の槍がダーマに迫っていた。
「アイスジャベリン。」
「ぐっ!魔眼さえあればこんなもの…!」
「言ったはずよ?使わせないって…!」
ダーマの下に魔法陣が現れる。
「この魔方陣は…」
優が何かに気づく。
「ルシファーの…」
「重力魔法…グラビティ。」
「!…っあ?!」
ダーマは地面に這いつくばる。
「ルシファーの魔法を作ったのは魔神である私よ?さあ…ここからどうする?ダーマ。…ムスペルヘイム。」
「つ?!ああ…ああああああああぁぁぁ!!熱い!ぎえええええ!!」
ダーマの体を炎が包む。
「…闇属性魔法…トリシューラ。」
巨大な闇の槍が現れる。
これはサラが作った最上級魔法のさらに上の魔法である。
ザン!
「がああああ!!」
「…合成魔法…」
土属性魔法と光属性魔法の魔法陣が現れる。
「…ヘカトンケイルの裁き…。」
大地が盛り上がり手の形に変化し、ダーマを包み込む。
「な、なんだ?!ああ…ぐあああああああああああ!!」
「水属性魔法…アトランティスゲート。」
「ガボ…がはっ!がぼっ!」
魔法陣から海流が流れ込み下から押し上げられる。
「重力と水圧の狭間に押し殺されるのね…。」
「が…ああああああああぁぁぁ!!」
「姉貴…エグいことするな…。」
「これくらいがちょうどいいわ。」
「そうか…。」
「さ、行きましょ?」
「ああ。」


「まだ…だ…!」
ダーマはゆっくりと立ち上がった。

「「「!」」」
「ふ…ふはははははっ!油断したな!喰らえ…封魔の魔眼…!」
「っ…」
「これで貴様は魔法を使えまい…!」
「…」
「さて…」
ダーマはサーベルを抜く。
「死ねぇ!魔神サラぁ!!」
「姉貴…ここは俺…」
「結構よ。」
そう言ってアイテムボックスから杖を取り出すサラ。
「我は汝の力を欲す…神撃の杖よ…我に秘匿の力を。『白鯨はくげい』。」
「!」
サラの姿が消えた。
「どこだァ?!魔神サラぁ!?」
「…こっちよ?マヌケさん?」
「…死ねぇ!!」
「怒りで我を忘れているのね。神らしくない失態ね…。この杖ももう必要なさそうね。」
サラは杖をしまい細身の剣を取り出す。
「…空蝉うつせみ。」
サラは一瞬でダーマとの距離を詰める。
スパ…スパン…
そしてあっという間にダーマの四肢の腱を切る。
「馬鹿な!?貴様は魔法しか使えないはずじゃ…!」
「いい?いくら私の攻撃力が低くても剣が使えないわけじゃない。攻撃力と戦闘力は一緒じゃないのよ?いくら力が強くても使えなきゃ意味が無い。逆にいくら力が弱くても使いようによっては簡単に強力な技を撃ち破ることも出来る。」
サラは剣を構える。
「それが分からないのなら三流以下よ。出直してきなさい。」
「馬鹿な!悪神であるこの我…が…!こんなにも圧倒的に…!」
「経験の違いよ…ふふ…いえ、格の違いかしら?」
スパン…
そのままサラは鮮やかにダーマの首をはねた。



「いや…いくらなんでも強すぎだろ…姉貴…。」
「そう?相手が弱かったんじゃない?」
「そうかもしれないけど…あの時の瞬間移動はなんだったんだよ?」
「ああ…あれは昔武神に教えてもらった歩法よ。」
「アレスに…。」
「とにかく先を急ぐわよ?この先にエトくんとハーディスがいるはずだから。」
「ああ。」
「分かってる。」
「いよいよラスボスだな…。」
「ええ。」
(待ってろよ…ミーシェ…!)
3人はエトとハーディスが待つであろう世界樹の頂上目指して進み始めた。




悪神さんは決して弱くありません。
サラさんがチートなだけです。
まさかの1話で倒してしまうと言うw
それはそうと2日前くらいにクレイジークラスルームの方更新したんですけどお気づきですか?ぜひ読んでみてください。
フォローorコメントよろしくお願いします!

コメント

  • イルネス

    …作者さんお願いです……あの元気で無邪気でユウにゾッコンなミーシェを…元気にしてやってください…!

    2
  • LLENN_p

    やっと追いついた…

    サラさんやっぱチートw

    1
  • かつあん

    サラさん強すぎ...
    力が強くても使いこなさなければ意味が無い。これは心に響く名言ですねぇー

    1
  • KIA

    やっぱりサラはチート級でしたね

    1
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