腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

32話 激昴

神界
「警戒を怠らないで…。ここは敵の本拠地よ…。」
「ああ…。」
「分かっている。」
優、陸、サラの3人は気を張りつめながら世界樹へと向かう。
「っ…ここからでも分かる禍々しい魔力だな…。」
「これが邪神…。」
「邪神もそうだけどそれだけじゃないわ…。万物神エーテリアもいる。」
「エト…あいつ、なんのつもりで…」
「倒してそれを問いただすのよ。」
「そうだな…。」
(エト…。神託なら…あいつに会えるのか…?)
「どうした?藤山。」
「いや…何も。」
「それよりも何も無いのが不気味ね…。」
「そうだな…。エトなら俺らが入ってきたことぐらい分かるだろうにな…。」
「そうだな…。」
「そうでも無いみたいよ?」
「「!」」
上を見上げるとそこには多くの天使たちが飛んでいた。
「天使…。」
「上級天使では無いみたいだけど…この数は厄介ね…。」
「行かせませんよ?魔神サラ、藤山優、小宮陸…。」
そこに一体の上級天使が降り立った。
「悪いけど自己紹介してくれる?」
「申し遅れました。私は天使長サリエル…。あなた方の相手をエーテリア様より申し付けられました…。」
「そう…。」
「ならやることはひとつだな…。」
「ああ。こんな数俺たちの足止めが…」
「待って。」
「?」
「どうした?」
「ここは私に任せてちょうだい。」
「は?」
「おい、天使…1000はいるぞ?」
「分かってるわ。でも上に行ったら私の魔法が通じるかどうか分からない。現にシバには通じなかった。私は魔法がなければあなた達の足でまといになる。だからあなた達が上に行って?ここであなた達が無駄に体力を使う必要は無いわ。」
「…分かった。」
「任せるぞ?」
「ええ。」
そう言って優と陸は走り出した。
「おや?行かせるとお思いですか?…追え。」
「…ブラックエンド。」
「!」
闇の塊が天使達の行く手を遮った。
「あなた達こそ…行かせると思って?」
「魔神サラ…。いいでしょう。所詮あなたは地上の神。私達天使の敵ではありませんよ…。やりなさい!」
「ふふふ…いらっしゃい?お姉さんがまとめて相手になってあげる…!」



「藤山…。」
「ん?」
「魔神は大丈夫なのか…?」
「ああ。心配いらねえよ。天使なんかにやられるほど姉さんは弱くない。むしろ魔法があれば俺より強い。」
「そうか…。」
「それに…」
「それに?」
「姉さん…今怒ってる。俺らが残ったら逆に邪魔になるかもしれない。」
「魔神が?」
「ああ…。ミーシェのこともあるんだろうな…。」



「どうしたの?この程度?」
「っ…!」
優と陸が去ってから10分ほど経った。
天使たちは既に最初の半分まで減らされていた。
「舐められたものね…。通せば命は助けてあげるって言いたいところだけど…。ミーシェをあんな目に遭わせたエトくんたちは許せない。残念だけど…ここで死んでもらう。」
サラの周りに魔力が渦巻いた。
「っ…く…そ…」
「嘆いてる暇があったら攻撃してきたらどうなの?その一つ一つを打ち砕いてあなた達に見せてあげる…絶望を…ね…。」
「っ…うおおおおぉ!!」
「…天体魔法…宇宙開闢ビックバン。」
「な…」
「私を怒らせた罰よ…。あなたには過ちを悔いる時間すら要らないわ…。」
神界を覆う巨大で…それでいて純白の爆発。
その爆発は音もなく無数の天使たちを消滅させた。
そしてそれは天使長サリエルも例外ではなかった。



「!…この光は…?!」
「…姉さんだ。つくづく思うよ…。姉さんが味方で良かったってな…。」
「…」
「…とっとと行くぞ。」
「…ああ。そうだな…。」



「あらあら…やりすぎちゃったかしら?あの二人巻き込んでないといいけど…。」
サラは雲1つ残らない空を見上げる。
「神級魔法なんて使うもんじゃないわね…。制御が難しいから嫌だわ…。」
サラはその場に腰を下ろす。
「ミーシェ…直ぐに助けてあげるわ…。でも…ちょっと一休み一休み…。」



魔神領
「!」
「…今の魔力…」
「サラ姉さん…。」
「…今の…サラさんの魔法なんですか?でもサラさんは神界に行ってるはずじゃ…」
「そうなの関係ないわよ…。姉さん…使ったんだ…神級魔法…。」
「…サラさんの神級魔法…ですか?」
「魔神である姉さんの神級魔法よ?神界で撃ったってこの地上に影響が出るのは当たり前よ…。あなた達が元いた世界に影響が出てなければいいけど…。怒ってるんだね…姉さん…。」
「…」
「さ、私たちも行くわよ?由希…。」
「…は、はい!」




間に合わんかった!!
ごめんなさい〜!!

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コメント

  • かつあん

    サラさんクールな怒り方でカッコイイ!

    2
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