腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

29話 イヴ

魔神領
そこに各国の代表達が集まっていた。
「藤山…ミーシェさんはどうだ?」
「まだ起きねえよ。」
「そうか…。」
「そう言えばお前頭良かったよな?」
「は?」
「…陸は頭いいよ。」
「だったらなんか知らねえか?ミーシェの目…覚まさせる方法。」
「城にある本なら片っ端から読み漁ったからな…。それなら世界樹の頂上に咲く花ならどうだ?」
「世界樹?」
「…花?」
「神界にあると言われてる神木だ。そこの頂上には20年に一度大きな花が咲くんだ。その花粉にはあらゆる病、怪我を治す効果があると言われてる。」
「神界にある木…それなら俺見たことあるぞ?」

「「!」」

「…は?」
「俺エトに連れてかれて神界に行ったことあるんだ。その時ちらっとでかい木が見えたんだ。それか?」
「そ、それかどうかは知らんが…それじゃないか?」
「そうか…ありがとう。だったらすぐにでも神界に行くしかないな。」
「…どうやって?」
「さあ?空にあるならただひたすら上に飛ぶ。それだけだ。」
「…そんな無茶苦茶な…」
「お前達には言ってなかったか?ミーシェのいない世界にはなんの意味も無いんだよ…。ミーシェが目を覚ますなら俺はなんだってする。例え無茶苦茶な事でもな。」
「…藤山くん…」
「分かった。僕も他になにかわかったら伝えるよ。」
「ありがとう。」
「…ふふ…おかしな感じね…」
「?」
「何が?」
「…だって…前までの藤山くんと陸じゃ…こんな光景有り得なかったもん。私だって…藤山くんと本当に仲良くしていいのかわからない。でも…何だか…安心してる…。」
「由希…」
「ふん…くだらね。それよりもタイアリアのジジイ達が来た。」
「…ふふ。うん。」


「藤山優…少しいいか?」
クレイサンダーが優を呼ぶ。
「?…どうした?」
「…すまない。ミーシェは儂の国で責任もって守る約束だったのに…わしらが不甲斐ないばかりに…」
「別にあんたらの国はなんも悪くねえよ。戦いだってミーシェが自らの意思でやった事だ。それよりも捕虜とかいいながら随分とミーシェのこと気に入って世話してくれたみたいだな…その…なんだ…ありがとう。感謝してる。ミーシェは絶対俺が何とかする。だからこれからもミーシェと仲良くしてやって欲しい。」
「ふ…当然じゃ…。それにミーシェ…いや、ミーシェ殿は儂の息子の命の恩人じゃ…。ほれグレン。貴様も言いたいことがあるのじゃろう?」
「っ…藤山…優…。」
「?」
「すまない!ミーシェさんは俺を…俺を助けたからあんなことに…!俺がもう少し強ければミーシェさんは…!」
「…だからあんたらの国のせいじゃねえって言ってるだろ?あんたらは悪くない。悪いのは神たちだ…。」
「藤山優…」
「それに…ミーシェは死んでない。」
「そう…だな…。ふ…ミーシェさんが夢中になる訳だ…。」
「どういう意味だ?」
「実は…俺はミーシェさんにプロポーズしたんだ。」
「…あ?」
「お、落ち着け。断られたし。別にやましい気持ちがあった訳じゃない。見てられなかったんだ。君と別れてどんどん元気をなくしていくミーシェさんを…。それでもミーシェさんは待つと言っていた。俺はミーシェさんをいつまでも待たせる君のことを…誤解していた。だが…やはり俺では君にはかなわないよ。」
「…」
「だから…原因を作った俺が言うのも情けない話だが俺にはどうすることも出来なかった。だから…だから…!ミーシェさんを…助けてやってくれ…!」
「…当たり前だ。お前に言われなくても分かってるよ。他の誰でもない。ミーシェは俺が助ける。俺の目的はこの世界を守ることじゃない。ミーシェを助けることだ。そのついでに世界も救ってやるよ。」
「…ふ…心強いな…。」
「さ、話は済んだかしら?」
サラが皆に呼び掛けた。
「ここからの戦争はとても厳しいものになると思うわ…。地上での戦いに関してはコリンくん…あなたに指揮をまかせる。」
「!…俺でいいのか?」
「不安なの?」
「っ、や、やるに決まっている…!」
「そう…よろしくね?小宮くん…あなたは私たちと一緒に神界に乗り込む。私やユウは1人の方が慣れてる。指揮はあなたに任せるわ。」
「任せておけ。」
「由希ちゃんはサポートをよろしくね?シバが死んだことをエトくん…いえ、今の彼は…万物神…エーテリアよ。彼らは既に知っている。これから先は何が起こるかわからないわ。今まで以上に大きな戦争になる。どこが狙われるかもわからない。各国兵を固めておいて。神界には少人数で乗り込むわ。私たちが乗り込んでいるうちに地上は滅ぼされてましたなんて事無いようにしてね?」


「さて…私達は準備を始めましょうか…。」
サラが陸、優を集める。
「姉さん…私は…」
「ベル、あなたは地上に残りなさい。」
「分かった。気をつけてね?姉さん。」
「ええ。」
「…陸…絶対生きて帰ってきて。」
「分かっているさ…由希…もしこの戦いが終わったら…結…」
「…ダメ。それ以上は言わないで?死亡フラグってやつよ?それは。」
「由希…。」
「…待ってるから。帰ってきたら…続き聞かせて…?」
「ああ。待っててくれ。」
「…うん。」

それぞれの思いを込めた戦争が幕を開ける。
今までにない…大きな戦争が。



間に合わなすぎた…!
ごめんちい。
フォローorコメントよろしくお願いします!

コメント

  • イルネス

    お二人と同じく

    2
  • らう

    かつあんさんとおなじく

    2
  • かつあん

    ミーシェ生き返りますように(-人-)祈

    4
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