腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

22話 狙われたのは

「どういうことだ?何故こんなにも攻めあぐねているのだ?」
「シ、シバ様!申し訳ございません!敵の魔神と藤山優、魔王ベルフェゴールに勇者が予測以上に強力でして…。」
「やはり立ちはだかるか…魔神サラ…。」
「ほかの4人も強力です…。」
「しかし魔神程ではなかろう?」
「はい。」
「なら我に策がある。」
「策…とは?」
「魔神の妹…ミーシェはどこにいる?」
「!」
「それに魔王ベルフェゴールもミーシェを妹のように可愛がっているそうだ。そして藤山優にとってもミーシェは自分の命よりも大切な存在だ。」
「…至急探させます!」
そう言って男は去っていった。
「ククク…見ておれ…。創造神エト…貴様が攻めねば攻めるほどにハーディス様の復活に近づいておるのだ…。さて…そろそろ我も出るとするか…。」




タイアリア
「あ、いたいた。ミーシェさん。」
「え?あ…グレンさん…。」
話しかけてきた男はタイアリアの王子、グレン・タイアリアである。
「どこかお出かけですか?」
「あ、はい。マシュマロの散歩に…」
「私もお供します。」
「そんな…大丈夫ですよ。」
「いえ!あなたの身に何かあったら大変です。」
「マシュマロは人見知りですので。散歩の妨げになってしまうので私一人で大丈夫ですよ?」
「そうですが…そしたら終わったらお茶でもどうですか?」
「お茶…くらいなら。」
「それでは帰ったらお迎えにあがります。」
「ありがとうございます。」


「どうですか?ここのお茶は美味しいでしょう?」
「…」
「ミーシェさん?」
グレンが心配そうに尋ねた。
「え?あ…は、はい。お茶のことはよく分からないけど…美味しい…。」
「ミーシェさん…また藤山優のことを考えていましたか?」
「え?」
「あなたは…何故藤山優と行動を共にするようになったのですか?」
「私は…ユウにお姉ちゃんを助ける手伝いをしてもらってたの。」
「魔神を?」
「うん…私はユウの復讐を…ユウは私の復讐を…。そうやって出来た関係だよ?」
「ミーシェさん…藤山優は今回の戦争で…もしかしたら命を落とすかもしれない。」
「…」
「だから…!ミーシェさん…私の妃になりませんか?」
「え?」
「私は藤山優のようにあなたを泣かせたりなんてしない。この一週間…ずっとあなたを見てました。あなたが部屋で泣いているのも知っています。見て…られないんです。」
「…」
「もう藤山優を待たなくていい。僕と一緒にこの国を素晴らしいものにして欲しい。僕の…妻として。」
「私…もう結婚してる…。」
「知っています。でも…あなたのそんな顔は見たくない。」
「…ごめん…グレンさん。私はあなたの妻にはなれないよ。」
「ミーシェさん…」
「私には…ユウがいるから。」
ミーシェは悲しそうに微笑む。
「っ…!あなたは…どうして…」
「それにね…ユウは死なないよ。」
「!」
「ユウ…言ってた。待っててくれって。だから…私は待つよ。でも…グレンさん…心配してくれてありがとう。私は…大丈夫だから。」
「…そうですか…。」

バンッ!
兵士が入ってきた。
「「!」」
「王子!街の外に魔物の群れが…!」
「!…なんだと?!」
「総勢1000体はいます!」
「1000…。くそ…父上と騎士団のいないこのタイミングを狙ってか…!」
「グレンさん…?」
「ミーシェさん。あなたは部屋に戻ってください。ギルドに依頼を出せ。報酬は俺が責任を取る。」
「しかし…!」
「冒険者の力に頼るしかなかろう!とっととしろ!」
「はっ!」
「グレンさん…。」
「ミーシェさん…あなたに何かあれば藤山優との契約を破ることになる…。あなたは部屋に…。」
「私…ユウに言われたの。出来ることがあったら手伝ってやれって。」
「ミーシェさん…?」
「ふふ…任せて?ずっと部屋にいても退屈なだけだし。」



ピルーク王国
「魔神サラ…戦況はどうだ?」
「小宮くん…。疲れは取れた?」
「ああ…由希のおかげでね。」
「3人の統率者がいるのよ。今、ベルとユウと松山ちゃんが対処に当たってるわ。私のとこの幹部はあのとおり。」
サラが指さす先に燃える魔族の群れ。
「消し炭になっちゃった。」
「さ、流石だな…。」
「…陸。」
「由希、藤山…大丈夫か?」
戦いを終えた優と由希が帰ってきた。
「…ええ。幹部は倒したわ。」
「そうか…。藤山、由希を守ってくれてありがとう。」
「別に…。」
「姉さ〜ん!私も終わったよ〜。」
「ベル…無事でよかったわ。」
「当たり前でしょ〜。」
「後は残党を倒すだけだな…。」


「なかなかやるな!下等な種族共!」



「あなたは…!」
「久しぶりだなぁ?魔神サラ…。」
「…シバ…。」
現れたのは銀髪のオールバックの男だった。
「あんたがシバか…。」
「藤山優…。お前には会いたいと思っていた。他のものも初めましてだな。」
「…」
「今回は挨拶だ。そのついでにいいことを教えてやろう。我は魔神サラ、魔王ベルフェゴール、藤山優。貴様らを封じる方法を持っている。」
「どういうこと?」
「貴様の妹…ミーシェはどこにいるかな?」
「「「!」」」
「てめぇ…ミーシェになにする気だ?」
「ユウ…」
「ほう…中々の殺気だな。」
「返答次第じゃこの場で消すわよ?」
巨大な魔力がサラの周りに渦巻く。
「…サラ…任せていいか?」
「…ええ。ミーシェの事よろしくね。」 
「ああ。」
「おっと。」
優は転移しようとするが魔法がかき消される。
「この場は我の結界で魔法は使えない。魔神サラ…貴様も下手なことはしない方がいい。」
「っ…転移がなくても…俺はミーシェの元に行かせてもらう。どけ。」
「ふははは…通ってみろ。」

優は剣を抜く。
「待ってろ…ミーシェ…!」



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コメント

  • 本大好き{デアラ}

    ひきょうすぎない?

    1
  • かつあん

    うわぁー相手クズすぎるなぁー

    2
  • らう

    お疲れさまです
    やっぱり最高(○´∀`○)

    1
  • ノベルバユーザー170875

    更新お疲れ様です
    頑張ってください

    1
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