腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

7話 狂詩曲

ピルーク王国王室

コンコン…
「ベリア…入るぞ。」
「リク…ああ。」

「リク…藤山優とはなんの話しをしていたんだ?」
「久しぶりに会ったからね…挨拶だ。」
「そうか…。リク…お前は創造神の言う作戦をどう思う?」
「…そうだね…ベリア、君にとっては受け入れられない作戦かもしれないね…。」
「…1年前のあの事件からようやく落ち着いてきたというのに…魔神の次は邪神か…。しかも魔神と手を組めだと?馬鹿げてる…。」
「魔神はともかく…僕は藤山を信じることにする…。」
「!…なんだと?言ってる意味が分かっているのか?」
「もちろん分かっているさ…確かに藤山は先代王女を殺し、元クラスメイトの勇者にまで手をかけた。許されることではないのは分かる。でも僕達は恨んでいい立場でもないし場合でもない。」
「っ…しかし…!」
「魔神との因縁も分かるが…こうなった以上僕達は創造神に従う他ない。」
「邪神は本当に復活すると思うのか?」
「するだろうね。創造神が僕達を頼るってことはね。」
「やはりか…。」
「決めるのは君次第だ…。僕と由希は…藤山を信じてみることにする。」
「分かった…。」


神界
「ねえザドキエル。」
エトがザドキエルに話しかける。
「なんでしょう?」
「君はどんな事があっても…僕のための天使長でいてくれるかい?」
「何を今更…ここまで来たら私はあなたのそばに死ぬまで仕えますよ。」
「そう…。それを聞いて安心したよ。最早神界には君以外に味方はいない。」
エトは周りを見渡す。
そこには数千を超える数の堕天使がエトとザドキエルを囲んでいた。
「誰の差し金か…聞いたら教えてくれるかい?」
その質問に1人の堕天使が答えた。
「お久しぶりです…エト様。」
「君は…カマエル…。叡智神のところの守護天使だね…。つまり君たちを僕の元に送り込んだのは叡智神ソロモンの仕業ってわけだね…。」
「それを知ったところで何になると言えましょう?この数の堕天使を相手にあなたがた2人で何が出来ますか?」
「そうか…それを聞けて安心したよ…。ザドキエル。」
「はい。」
ザドキエルはエトから距離を取る。
「何を…」

「君たちは調子に乗りすぎた…。僕の神界で好き勝手暴れてくれてる様だけど…。忘れてるよね?創造神は肩書きに過ぎないってこと。」

「!」

「君たち如き…容易く潰せる…。破壊神も叡智神も僕の前では下等な神に過ぎない。全ての叡智も破壊も僕は司ることが出来るんだ。」

「この…魔力は…!」

「創造できるということは等しく破壊できるということ。ソロモンやシバに行っておきなよ。…下等な神々風情が僕の神界で好き勝手した事…君たちの終焉を持って償わせる。あ、ごめん、その前に君たちは…終わってるね。」

「は?」

その瞬間視界が180度反転する。

「…破壊魔法…絶断。」

エトを囲む堕天使の首が落ちた。
しかし、カマエルは無傷である。
「き、貴様…!何をした!?今のは破壊神シバの…!」
「言ったろ?創造神は肩書きに過ぎない。君たちは僕が作り出したこの世界の秩序を愚弄した。そろそろ本気でやらせてもらうよ。でも君は殺さない。ソロモンによろしくね。」
「っ…!」

――創造神エト、改め…万物神エト




魔神領
「ユウの復讐…長かったね…。」
「そうだな…。正直まだ思うところはあるよ。これで終わらせていいのか。でも…これが俺の正直な気持ちなんだ。」
「小宮くんと由希ちゃんとはどうするつもりなの?」
「どうもしないさ。ここまでやったんだ。今更なかよしこよしとは行かないだろ?これまで通りさ。」
「そう…。そっか…ユウの復讐…終わりか…。」
ミーシェは涙を流す。
「ミーシェ?どうした?」
「だって…普通に話してるけど…私との度の目的…達成したんだよ…?なんか…色々抑えきれなくって…!」
「ミーシェ…。」
「ユウ…これで色々変わるんだよ?悪い方向に…。まず、スキルの復讐の憎花の効果は切れて…ユウはもう安全じゃない。それが…怖い…。」
「分かってる。だが俺はミーシェを悲しませるようなことはしない。お前が生きている限り俺は生きてる。言ったろ?俺の心は…お前のものだ。」
「復讐の神である私も…復讐を終えたユウといる意味は無いんだよ?称号にある復讐神に愛させしものってあるでしょ?あの呪縛からも解かれるの…。」
「呪縛?そんなわけあるか。あれは俺とミーシェを繋いでいた絆だ。」
「でも…それは解けちゃった…!」
「バカ言うなよ。お前は俺のなんだ?」
「私は…ユウのお嫁さん…。」
「だろ?絆なんて作ろうと思えばいくらでも作れる。お前が俺といる理由も。お前といたいからじゃダメなのか?」
「っ…ユウ…!」
ミーシェは優に飛びついた。
「おっと…。」
「…ごめんね…私がこんな感情的になっちゃって…。」
「落ち着いたか?」
「うん…。ユウ…これまで色んなことがあった…。そしてユウの復讐は…終わった。だからさ、始まった時と同じように…終わらせて欲しいの。」
「ミーシェ…。そうだな…。」
優はミーシェに口付けをする。
「…これでいいか?」
「…ダメ…もっと…。」
「ふ…分かった。」
2人はいつまでも唇を重ねるのだった。


――スキル、復讐の憎花 がスキル、復讐の愛 に進化しました。

――称号、復讐神に愛されしもの  が、称号、復讐の達成により、称号、絆を信じしもの  に進化しました。




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コメント

  • ノベルバユーザー515118

    240181じゃあ見るなや(今更すぎ)

    0
  • LLENN_p

    エトくんが一番チートのような気が…((

    1
  • トクさん

    ランキングは今までの話を読んでのランク付けであって、別に実際の強さではない

    1
  • かつあん

    エトさんってそんな強かったのか!でもランキングではサラさんの方が強かった(気がする)からサラさんはもっと恐ろしいですね。

    ユウの称号とか変化しましたね。正直ミーシェの復讐神設定忘れてましたw

    やっぱり小宮様と松山さんは殺したくないのはけん玉マスターさんも同じでしたか!いやー、殺されずに済んで良かった〜〜

    3
  • ノベルバユーザー240181

    納得いかねー

    2
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