腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

67話 暴走の予兆

「…色魔法…!」
陸は手を上に上げ魔法を唱える。
「…何をした?」
「僕の神級魔法…色魔法さ。」
「色魔法?」
「…時期にわかるさ…。」
「…」
「さて…」
陸はゆっくりと立ち上がる。
「行くよ…レイ。」
「!」
次の瞬間、優は陸の姿を見失う。
ズバッ!
「…っ…」
優の右肩から胸にかけて陸の剣撃が繰り出された。
「ユウ…!」
「くっ…ちっ…何しやがった?」
「ただ君に僕の斬撃を放っただけだ。」
「…」
「僕の神級魔法…色魔法。その名の通り色を操る魔法だよ。」
「色?」
「そうさ…僕が今あやっった色は…景「色」。」
「!」
優の目に何人にも分身した陸が写った。
「どうだ?いい景色だろ?」
「ちっ!」
優はマシンガンを取り出し声のする方に乱射する。
「…どこを狙ってるんだ?」
後ろからの声で優は慌てて振り向き撃つ。
「っ…ユウ!」
ミーシェの結界魔法に銃弾が当たる。
後ろにいたのはミーシェだった。
「っ…ミ、ミーシェ…!」
ズバッ!
「がっ…。」
「君に見えているのは本当の景色とは全く違う景色だ…。周りには気をつけるんだな。恋人を撃ち殺してしまうかもしれないぞ?」
「てめぇ…」
「色魔法…赤。」
陸の手から赤い液体が零れる。
「赤が表すのは太陽。」
陸の手に赤い球体が浮く。
それを優に放った。
「…相殺…!」
「無駄だよ。僕の周りに赤がある限りこの魔法が打ち消されることは無い。さっきは散々いたぶってくれたおかげで僕は血だらけなんだ…。」
「っ…なめんなよ?…大罪魔法…ヨハネの黙示録。」
優は時間を止める。
「無駄だよ。」
「!」
「色魔法…黒。」
「何故…なぜ動ける?」
「黒…あらゆる色を塗りつぶす色。君の魔法はもう僕には効かない。」
「…」
「君の魔法は全て僕の黒が塗りつぶした。」
「なるほどな…だが…」
優は体に黒い炎を纏う。
「…黒じゃ黒は塗りつぶせねぇだろ?」
優は剣を振り小さな太陽をかき消した。
「考えたね…。でも…君に僕はちゃんと見えていないだろう?」
「…」
「君の魔法、スキルは潰した。」
陸は優に切りかかる。
ギンッ!
「なっ!」
「ふぅ…。慣れてきたな…。」
「君…何をした?」
「なにって?」
「君の見える景色は変えたはずだ…なのに…なんで…」
「…勘だよ。」
「は?」
「俺…運がいいからな…。勘に身を委ねてる。」
「そんな…馬鹿なこと…」
「でも現にこうして止めてるぜ?さて…そこか?」
優は剣を突き出す。
「っ!そんな…!」
陸は聖剣でギリギリ流す。
「くっ…ブラックエンド!」
陸は闇属性魔法最上級魔法を放つ。
「…君に相殺はもう出来ない…!」
ス…
優は手を空にかざす。
そして…
バァン!
巨大な闇の玉を素手で受け止めたのだ。
「!…最上級魔法だぞ?!」
「魔法やスキルを奪ったところで俺に勝てると思ったか?」
優は陸に距離を詰める。
「!」
キン!
カラカラカラ…
聖剣が地面を滑る。
「この世界には魔法やスキルだけじゃ埋められない差がある。なんだと思う?」
「っ…」
「それはな…ステータスだよ。」
「たしかにお前達は強くなった。俺が斬撃を受けたのなんていつぶりだろうな。だが…それだけじゃステータスは埋められない。…気が緩んだな?今ではお前の姿がはっきり見える。」
「!」
「言ったろ?油断するなって。」
「っ…色魔…」
ドガッ!
「がはっ!」
「…やらせると思うか?」
「…ユウ、こっちも終わったよ。」
「…っ…はぁ…はぁ…」
ミーシェの前に膝をつく由希。その首元にミーシェは大剣を突きつける。
「くそ…由…希…。」
「終わりだ。久しぶりに楽しい戦いだったよ。」
優はレーヴァテインを振り上げる。
「…やめ…て!藤山くん!お願い!」
由希が涙を流し訴える。
「じゃあな?小宮…」
「く…そ…。」



「…優くん…み〜つけたっ!」


「「「「!」」」」
巨大な火球が優の後ろに着弾する。
そしてその場に1人の少女が現れた。
「あはっ!…優くん…また来ちゃったっ!」
「…菜々!」
「由希ちゃん…大丈夫〜?久しぶり〜っ!」
そこに現れたのは江ノ島菜々だった。
「…菜々…なの?」
「え〜?!何言ってんのぉ?そうに決まってんじゃん!」
優は苦笑いする。
「ず、随分と変わったな…お前。うん。まあ…いいんじゃね?」
「ふふふっ…褒められちゃったっ!ありがとう…優くん…。さて…。」
江ノ島はミーシェの方に向き直る。
「…まだ生きてたのかよ…害虫が…。」
「へ?が、害虫?」
「そうよ?あなたは優くんに寄り付く害虫。害虫は…駆除しなきゃっ!」
江ノ島はミーシェに火球を放った。
「!」
ミーシェの結界魔法にぶつかり、消える。
「小賢しい真似するなぁ!とっとと消えてよ!」
「え?なに?何この状況?」
ミーシェは困惑する。
「おい。」
「あっ!優くーん。」
江ノ島は優に抱きつく。
「…触んな。」
ドガッ!
「きゃっ!」
優は江ノ島の腹を蹴る。
「何お前?てかなんだ?この状況。」
「さ、さあ?」
「もう…優くんったら…照れ屋なんだから。」
「「…」」
「!…ねぇ…なんでその害虫とそんなにくっついてるの?」
「害虫?」
優は目を細める。
「そうよ!そいつは私と優くんの時間を邪魔する害虫じゃない!」
「何言ってるかよく分からないが…これ以上ミーシェのことを侮辱するなら消すぞ?」
「なん…でよ…。なんでその女なのよ!優くんは…そんな女より私といた方が幸せよぉ!」
「…」
「そんな害虫…潰す。」
江ノ島の周りに巨大な火の槍が何本も現れる。
その全てがミーシェに向かって放たれた。
「…相殺。」
パァン!
しかしそれを全てを優が相殺する。
「言っておくが…ミーシェになにかするなら問答無用で殺すからな?」
「!…あ…あ…」
優の殺気が江ノ島一点に当てられる。
江ノ島はその場にうずくまり気を失う。
「お前はあとだ…まずは…」
優は倒れ込む陸と由希の方に向き直る。
「っ…くそ…」 
「…陸…!」
陸は由希を庇うように抱き寄せる。
「お前らを殺してから散々いたぶって…」
ザクッ!
「!」
ミーシェの胸に1本のナイフが刺さった。
「あ…ユ…ユウ…」
ミーシェはへなへなと倒れ込む。
「ミー…シェ…?」
「やった…!害虫…駆除…!」
江ノ島がミーシェに向かってナイフを投げたのだ。
「ミーシェ!」
「ユウ…ごめ…私…また…。」
「喋るな直ぐに回復を…」
「…」
「ミーシェ?おい…ミーシェ!嘘…だろ…?」
「ふふふ…このナイフには即効性の毒が塗ってあるの!これで邪魔はいなくなった!ずっと一緒にいれるね?優く…」
言いかけた瞬間江ノ島の右腕が吹き飛んだ。
「え?何…これ?」
優の目が赤く光る。
「優…くん?私の…腕は?優くん?」
ズバッ!
優が手を振るともう片方の腕ももげた。
「ぎゃあああああああああ!!痛い!痛いよ!優くん!!優くん!!」
「…」
「なんで!?私はただ優くんと…!」
ふと、優の頭に視線がいく。
「…何?…その…




…角…」





遅くなってメンゴ〜。(すいません!)

フォローorコメントよろしくお願いします!

修正
タイトルを少し修正しました。
カギカッコですが、景色の色というのを強調したかったので…見ずらかったら修正しますがどうですかね?

コメント

  • にせまんじゅう

    角!?魔王!?闇落ち勇者!?

    0
  • 本大好き{デアラ}

    なむあみだぶつ

    1
  • ばけねこ

    こwれwわww
    次回、江ノ島死す。デュエルスタンバイ

    1
  • 自称脳筋wwww

    江ノ島がおかしくなっとるwww次の投稿も期待してます

    2
  • 異世界大好き先生

    色を操ったてところがあやっったになってると思います。間違ってたらすみません。
    江ノ島壊れた?のかな?
    だんだん面白い展開になってきましたね。次の投稿楽しみにしてます。

    1
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