腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

56話 ユウ&ミーシェside 隠し事?

ピルーク王国に滞在していたユウとミーシェは国王の演説を聞いた後、少し気になって魔神領に戻ってきていた。
「…まあサラなら心配ないと思うけどな…。」
「うん、でもあの国王結構本気っぽかったしね…。」
「ま、挨拶がてら帰るか…。」
「うん。」


「こ、これはユウ様にミーシェ様!サラ様の元まで案内致します!」
「いや、いいって。自分たちで行くから大丈夫。」
「はっ!分かりました!」


そのままユウとミーシェは広間の方へ向かう。
すると見知った後ろ姿が視界に入る。
「あっ!ベルちゃーん!」
「!、きゃ!」
ミーシェは後ろから飛びつく。
「ミ、ミーシェ?!」
「よっ、ベル。」
「ユウさんも…帰って来てたのね…。」
「ふふふ…驚いたー?」
「そりゃあ驚くわよ…。今回も姉さんに話?」
「まあな。ミーシェ、ここで待っててくれ。」
「うん!」
「あ!ユウさん。」
「ん?」
「サラ姉さんにあんまり無理させないようにね?」
「?…どういう意味だ?」
「ちょっと怪我してるのよ。」
「?…分かった。」


コンコン…
「はーい。開いてるわ。」
ユウが部屋のドアを開けると眼鏡をかけたサラが本を読んでいた。
「…って、ユウ?!」
「よ!」
「おかえりなさい。今度はどうしたの?」
「ちょっとな。」
「お茶でも入れるわね。」
サラは杖を使い立ち上がる。
「…何かあったのか?」
「え?ああ…これ?」
サラは杖をついており、腕には包帯が巻かれている。
「ちょっと料理作ってたらね…。気にしないで、すぐに治るわ。」
「…どんだけ下手なんだよ…。…お茶は俺がいれるよ…。」
「いいのよ。気にしないで座ってて?」
「…分かったよ。」


「ふぅ…それで?またなにか聞きたいことでも?ミーシェと入籍する気にでもなった?」
「ち、ちげえよ…。」
「あら残念。私はいつでもいいのよ?」
「ま、前向きに検討しておく。…じゃなくて!ピルーク王国での国王の演説のことだ。」
「…知ってるわよ。」
「お前や、ベルフェゴールがいるからまあ大丈夫だとは思うが…一応気になってな。」
「人間程度には負けないわよ。」
「そうか…。それで?…その傷は誰にやられたんだ?」
「!」
「隠し通せると思ってんのか?お前が傷を受けるってことは相当な実力者なんだろ?」
「…あなたには関係の無いことよ。」
「関係無いって…あのなぁ…。」
「私はね…あなたにはあなたのやりたいように生きて欲しいと思ってる。もちろんミーシェにも…ベルにも。」
「サラ…。」
「自分の時間を大事にしなさい。私なんて時代遅れの神なんて放って置いていいの。どこかでひっそり暮らす。」
「…俺らに言えないようなことか?」
「言ったでしょ?言えないんじゃなくて関係無いのよ。私自身のことだもの。」
「はあ…お前なぁ…」
「そ、そんなの無いよ!」
部屋のドアが激しく開けられる。
「やっぱりなにか隠してたのね…サラ姉さん…。」
部屋に入ってきたのはミーシェとベルフェゴールだった。
「二人とも…聞いてたの?」
「ひどい怪我…なんでお姉ちゃんがこんな…!」
「言ったでしょ?あなた達には関係無…」
「関係無くないもん!」
「ミーシェ…。」
「お姉ちゃんは…私のお姉ちゃんなんだよ?関係…無くないよ…。」
「サラ姉さん…何があったの?」
「…何度も言わせないで。あなた達が首を突っ込むようなことじゃないの。」
「お姉ちゃん!」
「はあ…」
ユウは立ち上がる。
そして…

ズビシッ!

「くあっ!」
サラのおでこにデコピンするのだった。
「…何…?私とやる気?」
サラは怒りのオーラをまといながらゆっくりと話す。
「お前は馬鹿か?」
「…っ…」
サラは立ち上がろうとするが、足に痛みが走る。
「城主がそんな体じゃ部下も心配するぞ?」
「うるさいわね…。すぐに治るわ。」
「お前はさっき自分の時間を大切にしろって言ったよな?」
「ええ…。私のことはいいから。これ以上私の事であなた達の時間は奪えないわ。」
「それは違うよ!」
ミーシェが反応する。
「ミーシェ?」
「私は…私はお姉ちゃんと一緒にいたいから…!自分の時間と同じくらい…お姉ちゃんとの時間も大切なの!なんでわかんないの?!」
「ミーシェ…。」
「話してよ…?」
「っ…。分かったわよ!最初に言ったでしょ?!



…料理してたらこうなったって!!」


「「「…ふぁ?」」」
顔を赤くして叫ぶサラに3人は間抜けな声を上げる。
「も、もうすぐミーシェの誕生日じゃない?それにベルも誕生日同じだし…。ケーキ作ろうと思って…それで…。」
「…まさかお前…本当に料理でそうなったのか?」
「そう言ってるでしょ?!」
「じゃ、じゃあさっきの自分の時間を大事にしなさいとか言ってたのは?」
「あれは…誤魔化すために…ちょっと意味深な演説たれただけよ…。」
「重いわ!…ていうか料理でそんなに怪我するってお前…やばくね?」
「よく城壊れなかったね…。」
「ちゃんとマジックボックスの中で作ったわよ!」
「なんなんだよお前!ツンデレかよ!」
「い、妹の誕生日にサプライズしたくなるのは当然でしょ?!」
「でもお前…くだらねー!あんだけ必死になってた俺らの気持ち返せよ!ミーシェなんて泣いてたぞ?!演技で妹泣かせてんじゃねえよ!」
「し、しつこいんだもん!仕方ないでしょ?!」
「…でも良かった〜。何にもなくて…。」
「そう言ってるじゃない!」
3人は仲良く話し始めた。


ん?ミーシェの誕生日って




…いつ?



間に合いませんでしたすいません。

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コメント

  • 本大好き{デアラ}

    へたすぎね?

    1
  • ノベルバユーザー229575

    今日読み始めたけど、とてもよき、小宮のふん、が最近少なき

    1
  • かつあん

    やっとユウサイドキタ━─━─━ヾ(o✪‿✪o)シ━─━─━ッ♪
    サラさんの怪我は本当に料理だったのか、そう言えば別作品でも料理が下手でしたね。意味深な演技をして、心配させて...また事件かと思ったw
    確かにミーシェの誕生日そういえば聞いたことないなぁ

    1
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