腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

51話 ユウ&ミーシェside 宣戦布告

スペーン共和国での対決の後、ユウとミーシェは江ノ島や、他の生き残りの勇者を探すために、ピルーク王国に向けて歩いていた。
「ピルーク…城ぶっ壊れちまったからな…。今どうなってんだろ。」
「ははは…やりすぎだね。」
「…言っておくがピルークの城を壊したのは俺じゃないからな?」
「え?そなの?」
「たく…俺をなんだと思ってるんだ…。」
「だ、だってユウ…いつもやりすぎなんだもん。」
「そりゃ…当たり前だろ?」
「え?」
「お前に手を出すやつは許せないからな。オーバーキルだろうとなんだろうとどうでもいい。お前に手を出すやつは…必ず殺す。」
「う、うん…。そうだね。」
「…もう少しで着く。頑張って歩けよ?」
「うん。」


ピルーク王国
現在ピルーク王国には新しい国王、ベリア・ピルークが即位し、新たな城も出来上がっていた。
ベリア・ピルークはフィリスの従兄弟に当たる人物だ。
「国王、新たな騎士団も順調に集まっております。」
「ああ、報告ありがとう。」
「は!失礼します。」
兵士は報告を終え下がって行った。
「…騎士団は出来てきているとはいえ…メイギスに変わるような団長はいないか…。」
メイギスはベリアの指導係だった。
「全ては藤山優…お前さえいなければ…!フィリスも…メイギスも死ぬことは無かった。勇者も…セバスだって…!」
「国王…。」
大臣が心配そうに伺う。
「済まない…取り乱したな…。もう時期新体制も出来上がる。近いうちに国民を集めて宣言する。必ずやフィリスや勇者の仇をとると。藤山優は…放って置いては行けない存在だ。必ずや…この手で…!」


「なんだ…城もう治ってんじゃん。」
「ほんとだね…。前より綺麗になってる気がする。」
「…一応敵陣だからな。アーティファクト…忘れんなよ?」
「うん。」
今回は優もスキルを使ってカモフラージュしてピルークへと入国するのだった。


「考えたら城下町はそんなに来たこと無かったな…。」
「そうなの?」
「ああ。初めてかも。」
無事入国を終えた2人は城下町を散策していた。
「美味しそうなの沢山あるね…。」
ぐぅー…
ミーシェの腹が鳴る。
「食うことばっかだな、お前は。」
「うう…美味しそうなのが悪いもん。」
「たく…なんか食べるか?」
「うん!えっとね…クレープ食べたい!」
「はいよ。おじさん、バナナとチョコのやつ1つと…ミーシャ、何がいい?」
「えっとね〜…全部!」
「は?そんなのあるわけ…」
「はいよ、ミックスね。」
「あるんかい。」
「…仲いいんだな…カップルかい?」
「え?ああ、まあ。」
「そうか…サービスだ。生クリーム多くしとくよ。」
「わぁー!ありがとう!おじさん!」
「いいってことよ。」
「ありがとうございます。」
「はいよ、また来てくんな。」
優はお金を払い、店を後にした。
「ふふふ…サービスしてもらっちゃった…!」
「そうだな…美味い。」
「…食べて…大丈夫だよね?」
「心配すんな。ちゃんと鑑定した。変装もしてるし大丈夫だよ。」
「じゃ、じゃあ…いただきます…!」
パク…
「んん〜!んまぁ!」
「だろ?」
「ふふふ…。ユウ…生クリームついてる。」
ス…
ミーシェは指で取り舐めた。
「お、おう…ありがとな。」
「…甘い…。」
「そうか…また来ような?」
「うん。」

「おい、早く来いよ。」
「なんだよ?」
「国王が演説するらしいぞ…。」

「なんだ?慌ただしいな。」
ピルークの国民達は皆、城のある方へと走っていく。
「行ってみる?」
「そうだな…少し気になるからな。」


────皆…聞いてくれ。
王城の前の広場にはたくさんの国民が集まっていた。
城のテラスには若い男性。
────先日も紹介した通り、私はピルーク王国新国王、ベリア・ピルークだ。
「へえ…あいつが新たな国王か…。」
優は城を見あげながら呟く。
────皆は覚えているだろう?あの忌まわしき事件を。我々は最悪の勇者、藤山優によって1度は全てを失った。城も…王女も、我らの最大の武器である勇者も。
民はその声に真剣に耳を傾けていた。
────私は新体制を築いた。皆がこの国で平和に、楽しく暮らしていける国を…私は作りたい。
「…フィリスよりは全然マシだな。」
「ていうか…いい感じだよね…。」
────だが…私達には藤山優と魔神、その妹であるミーシェがいる限り…平和は訪れない!
「「は?」」
────既にロキア、アーメル、スフラン、スペーンと同盟を結んだ。…スペーンに至っては藤山優によって無駄になってしまったがな。私は…藤山優を許さない!絶対にこの手で葬ってみせる!だから…民よ!私は必ずや藤山優を討ち取り、平和な国を築いてみせる!私に…着いてきてくれ!そのために私は…魔神に…宣戦布告する!

広場には一瞬の静寂が訪れた。

うおおおおぉおお!!

そして歓声が広場を…いや、この国を覆い尽くすのだった。


「だあああ!めんどくせえ!」
宿屋に戻ってきたユウは胸糞悪そうにベットに座る。
「ミーシェに何もしなきゃ俺はなんにもしないっての。」
「お、落ち着いて?ほら、お茶入れたよ。」
「ああ…。…美味い。」
「お姉ちゃんに宣戦布告かぁ…。」
「…ああ、正直人間側に勝ち目はないだろうな。」
「そうだよね…。お姉ちゃん強いし。」
「だが面倒だな…。ここでこっちが反撃したらサラがやってきた事が無駄になっちまうからな。」
「うーん…。」
「ま、考えても仕方ない。それよりもとっととこの国出るぞ。もしバレたらめんどくさいなんてもんじゃないからな。」
「うん、そうだね…。」

魔神に宣戦布告をするというベリア・ピルーク。
いろんな思いが交わる中、大きな戦いが幕を開けようとしていた。



もう間に合わなすぎてマジごめんなさい。

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コメント

  • ノベルバユーザー366207

    ぶっちゃけ小宮の話がじゃまなんだが

    0
  • トクさん

    グッドいちいち押すのがめんどいだけやぞ

    1
  • らう

    コメとグッドが少なくなってる気が、、、、

    1
  • 垂直抗力(元ラノベ大好きサムライ)

    昨日バナナを食べたら腹を下しました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

    2
  • かつあん

    人間は阿呆だなーwまあ、ユウがあんだけやったら殺そうとするのも無理ないかな?w

    2
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