腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

47話 ユウ&ミーシェside かけがえのないもの

「ん…あれ?確か私…。」
夜中にミーシェは目を覚ます。
「ぐー…ぐー…」
「ユウ…。」
隣では優が座りながら寝ている。
頭には濡れたタオルが置かれている。
「看病…してくれたんだ…。」
「ぐー…ぐー…」
「ふふ…ありがと…ユウ。…はあ…また…迷惑かけちゃったな…。」
「…むにゃ…ミーシェ…」
「…ユウ…」
ミーシェは優の頭を膝に置く。
「ありがとう…ユウ…。」


とある村。
「…榊…今朝の新聞…見たか…?」
「…ああ…。原…死んだんだろ?」
「…」
「…次は…俺たちなのか…?」
「っ…!」
「…いつ狙われるかわからない…。もう…近くまで来てるかもしれない…。明日俺達は…生きてられるのか?」
「やめろ…それ以上言うな…。」
「だ、だってよ!分かってるのか?!原がやられたんだ!スペーン共和国諸共!俺達は…どうなるんだ?」
「分かってる!次は間違いなく俺たちだ!」
「なら…」
「嘆いたってどうにもならねえだろうが!」
「っ…やだ…俺は…死にたくねぇよ…!」
「っ…くそ…!」



「ん…ふにゃ?」
「よう。気分はどうだ?」
「あ、ユウ…おはよぉ…。…すっかり元気になったよ!ありがとね。」
「ふ…良かった…。」
「…派手にやったね…。」
ミーシェは崩れた建物や荒廃した地面を見る。
「…ああ。この国諸共やってやったよ。」
「…そう…。」
「…どうかしたか?」
「…また…迷惑かけちゃった…。」
「ミーシェ…」
「ダメだな…私。ユウに迷惑かけてばっか。本当は…しっかりサポートしてあげなきゃ行けないのに…。」
「…」
「私は…ユウの邪魔になってるよね…。…ごめん…。」
「ミーシェ…」
「!…ちょ…ユウ…。」
優はミーシェに抱きつく。
「そんなこと…言うなよ…。」
「でも…。」
「お前は迷惑なんかじゃないよ…。」
「…なんで?私また…ドジして…迷惑かけちゃったのに…。自分の身も守れないで…。」
「ミーシェを守るのは俺の仕事だ。」
「え?」
「言ったろ?何があってもお前を死なせないと。お前だけは…絶対に守る。」
「ユウ…。」
「…俺は…ミーシェに助けられた。最果ての洞窟で死にかけてるところをお前に救われた。お前のおかげでここまで来れた。邪魔なわけあるか。お前は俺の命の恩人だ。邪魔なんかじゃない。逆だよ。お前がいなきゃ俺は旅なんてできない。お前とだからここまで来れたんだ。…あの時…ミーシェに唇を奪われたあの時から…俺の心はお前のものだよ…ミーシェ…。」
「ユ…ウ…。」
「だから…迷惑だなんて考えるな。俺はお前の為になれて嬉しいんだよ。サラを助けられた時も自分の事のように嬉しかった。お前の幸せそうな笑顔が見れただけでルシファーに受けた傷の痛みも全部和らいだ。お前の飯を食えば幸せになれる…。迷惑なんかじゃない。俺にはお前が必要なんだ。」
「…そ、そんなの…」
ミーシェは毛布にくるまる。
「…ど、どうした?」
「…そ、そんな恥ずかしい事…言わないでよ…。」
「は、はあ?!お前がそんな悲しいこと言うから俺は勇気をだしてこんなクサイ事言ってんのに…そりゃねえだろ?!」
「だ、だってぇ…!」
「っ〜!ほら!」
ガバッ!
優はミーシェの毛布を剥ぎ取る。
「ちょ!見ないで…!」
「えーい!うるさい!いつまでも気にしてんじゃねえよ!お前は黙って俺に守られてればいいんだよ!分かったか?!」
「…うん…!…ありがとう。…ユウ…!」
「…おっと。」
ミーシェはユウに強く抱きつく。
「大好き…!」
「俺も…ドジなとことか…ポンコツなとことか、料理が上手なとことか…温かいとことか…全部含めて…お前が好きだよ。」
「…好き?…私は…大好きなのに…?」
「ふ…間違えたよ…。…愛してる。」
「んんっ…」
ユウはミーシェの唇を塞ぐ。
「ぷは…ふ、不意打ちは…ずるいよ…。」
「お前に言われたくねえよ…。」
「ふふ…へんなの…。」
「そうだな…。へんだな…。」
2人は再び唇を重ねた。




短めです…。
話の区切りがちょうど良かったので…すいません。
ユウ&ミーシェsideはこれで一旦終わりです。
次からは小宮&松山sideを10話くらい出します。

質問…少ないなぁ…?
よろしくお願いしますw


今日も間に合いませんでした、けん玉マスターでしたw(すいません…!)
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コメント

  • にせまんじゅう

    卒業してます!

    0
  • かつあん

    ユウって卒業していましたっけ?してなかったら全てが終わったあとにするんでしょうねー(卒業してたらすみません。)

    4
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