腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

33話 小宮&松山side これが試練?

狼神の試練三日目。
「ガウ!」
「クゥン…!」
「…おはようみんな。」
由希はブラッドウルフの群れに囲まれ目を覚ました。
「…ふぅ…もふもふぅ!」
由希はブラッドウルフに抱きつく。
「…ふふふ…幸せ…。」
「ガウ…?」
「ワン!」
「…こんなのが…本当に試練なのかな…。」
「ガウ!」
「グル…」
「…移動するの?」
「ワン!」
「…ふふふ、分かったわ。」


「…ふう。」
「ワン!」
「…さすがに芋虫は…食べたくないわよ…。」
「クゥン…。」
「…そ、そんなつぶらな瞳で見つめないで!」
由希は目の前で蠢く芋虫を見つめる。
うにょうにょ…。
「…」
あれ?なんか汁が出てきた…。
「…どうしても食べなきゃダメ?」
「ワン!」
「クゥン…。」
「…あなた達が食べてるってことは毒はないわよね…。」
「クゥン…」
「クゥン…」
「…わ、分かったわよぉ…。うぅ…」
由希は芋虫をつまみ上げる。
「…い、いただきます…。」
「クゥン♪」
「ワン!」
グニョ…プチュッ
うー…汁がとび出てきたぁ…。
「…」
あれ?
「…お、美味しい…。」
なんだろう。鶏肉みたいな味がする。
「クゥン!」
「ヘッヘッ…」
ブラッドウルフ達は次々と芋虫を運んできた。
「…そ、そんなに?」
「クゥン。」
「ワフッ!」
「…い、いただくわ。」


「…ふぅ…結構腹になったわね…芋虫だけど。」
ざっ…
足音のようなものが聞こえた。
「!、ガウ…」
「!…グル…」
「…どうしたの?…!、足音?」
暗がりから足音の正体が姿を現す。
「…ブ、ブラッドウルフ?」


「ガルル…」
「…あ、あなた達もこっちに…」
「ガウッ!」
「…?、どうしたの?」
しかし、こちら側のブラッドウルフが制止する。
「グルル…」
「ガルル…」
2つの群れが向かい合う。
「…え?なになに?もしかして…敵?」
「ガウウ…」
「グアァン!」
2つの群れは一斉に飛び出した。
「…ちょっと!あなた達!」
「グルル…ガウ!」
「ガァ!」
熾烈しれつな、縄張り争いが始まった。


どうしよう…何とかしなくちゃ…!
「…アイスフォース!」
由希は剣に氷を纏わせる。
「…ふう…」
そうだ…。これが自然の厳しさなんだ。甘えたことは言えない。
「…援護するわ!存分に戦って!身体強化!」
ブラッドウルフ全員に身体強化魔法をかける。
「ガウ!」
「エアバレット!」
魔力の玉が敵のブラッドウルフを打つ。
「…ごめんね?でも…仕方ないの。」
「ギャウ…」
ブラッドウルフは壁まで吹き飛んだ。
「…あれ?魔法の威力が上がってる…」
由希の魔法を見た敵のブラッドウルフの群れが1歩後退る。
「ク、クゥン…」
「…今日は私たちの勝ちみたいね。出直してきなさい。」
ブラッドウルフの群れは去っていった。
「クゥン!」
「ワホーウ!」
「…ちょ!まっ!…きゃっ」
ブラッドウルフの群れは一斉に由希に飛びついた。
「ワン!」
「クゥン♪」
「ヘッヘッ…」
「…ちょっと…くすぐったいわよ…ふふふ。」
ブラッドウルフ達は由希の顔を舐める。
「…ふふふ…幸せ…。」
それにしても…
「…あの魔法の威力は何?」
由希は自分の手を見つめる。
「…私はそんなに魔力は高くないはずなんだけどな。」
由希は魔法も剣も使える魔法剣士タイプである。そのため魔法使いほど魔力は高くない。
…ステータスオープン。



松山由希
人間

Lv106
HP  150000
MP  40000
攻撃  160000
防御  27000
俊敏  85000
魔防  45000
運  10

スキル
フォースLv10   自動HP回復Lv10  結界魔法Lv8  
  飛び爪Lv1(new) 風読みLv1(new)

称号
勇者 召喚されしもの 狼神に愛されしもの(new)
魔を喰らいしもの(new)



説明
スキル
飛び爪
ウルフが持つスキル。
爪から斬撃を飛ばすことが出来る。

風読み
ウルフなどの獣系の魔物が持つスキル。
風を読むことが出来る。


称号
狼神に愛されしもの
狼の神の加護。
ウルフが持つスキルを得ることが出来る。

魔を喰らいしもの
魔物を食らう時の苦しみに耐えたものに与えられる。
魔物を食らうことが出来る。
魔物を食べた時その魔物のステータスの20%を自分のステータスに加える。



「…え?何よ…これ…。これが…私のステータス…?」
攻撃…16万?
「…それに…」
由希は壁に向かって手を振り下ろす。
ザンッ!
「…!」
斬撃が飛んでいき、壁に獣らしい痕をつける。
「…ま、マジですか…。」
なんかすごい称号も貰っちゃったし…。
「…強くなってるってこと?」
「クゥン?」
「ワン!」
「…あ、ごめんね。ちょっとね。」
…本当にこんなのが試練なの?
…だとしたらどういうつもりなの?
由希は隣で眠るブラッドウルフに手を置く。
「…考えても仕方ないか…。」
由希は起き上がる。
「ガウ?」
「…食べ物でも取りに行きましょ?私お腹すいちゃった。」
「クゥン!」
「ワフッ!」
由希とブラッドウルフの群れは食料を求め歩き始めた。




皆さんの励ましの声もあってか、無事風邪は治りました。ご心配おかけしました。これからは今まで通り投稿を再開します。
それと人気キャラ投票ですが作者の風邪もあったため10日まで延期します。まだ投票していない方、ぜひ31話の説明を読んで投票お願いします!

優のステータスを見てからだと由希ちゃんのステータスはあんま強く感じませんね…。

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コメント

  • 水廼女神

    松山さん強くなりましたなぁ

    3
  • ばど

    優の体力って∞だっけ?
    封印されるのかな?

    2
  • 自称クズ

    ユウは∞か、、、遠いな

    2
  • かつあん

    ユウのステータスがぶっ壊れだけど、松山さんも上がってきてるねぇー。松山さんはミーシェと戦うのかな?

    2
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