腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが
7話 ユウ&ミーシェside 雷光の暗殺者
「ありがとう。」
「どうだ?仕事には慣れたか?」
ジェニーが尋ねてきた。
「そうだな。今ではミーシャもやってくれてるくらいだよ。」
「そうか…。ならどうだ?暗殺もやってみねぇか?」
「暗殺…ねぇ…。」
「なんだ?何かあるのか?」
「いや、手続きとかめんどくさいんだろ?」
「まあそうだが…。依頼人に会うだけだぞ?」
「そうだな…。まあ、ミーシャに相談して決めるよ。」
「おう、暗殺は報酬がいいからな。お前ほどの腕でやらねぇのはもったいないからな。前向きに考えといてくれ。」
「ああ…考えとく…。」
さて…ミーシェは…。
…はぁ…またかよ…。
「ほらぁ!もう一杯もってきらさい!」
「ミーシャ…。いい加減怒るぞ?」
「あ!ユウ〜!」
「ユウキな。…まあいいか。お前らも…ミーシャにあんま飲ませんなよ…。未成年な上に酒弱いんだから…。連れ帰る俺の身にもなってくれ。」
「いいじゃねえか。俺たちだって女と酒飲みてえんだよ。」
「他の奴と飲めよ。」
「他の奴ぅ?誰だよ?」
「知るか。」
「何してるの、ユウも飲も?」
「いや、いい。」
「なんだよ〜…連れないなぁ…。」
「お前もその辺にしとけ。未成年なんだからな?」
「はーい…」
ゴクッ…
「…はぁ…。」
結局俺がおぶることになりますよね…。
「ヒック…ユウ〜…星がきれいだよ〜!」
「…ああ。そうだな。」
「あ!流れ星!」
「見えたのか?」
「うん!ヒクッ…お願いごとするの忘れてた〜。」
「ははは…まあ一瞬だからな…。俺も何度か見たことあるが…今までで1度も成功したことないな。」
「…」
「ま、いつか出来るといいな。…ミーシェ?」
「スー…スー…むにゃ…」
「聞いてねぇし…。」
そのままミーシェをベッドに寝かせた。
シャワーを浴び、ユウも隣に入る。
ははは…これの繰り返しだな。
ユウが隣に来たのを感じたのか腹に手を回してくるミーシェ。
「ユウ〜…」
「ふ…おやすみ、ミーシェ。」
こうしていつもと同じ一日が終わる。
暗殺の仕事…やらせてみるか…。
翌日。
「暗殺?ユウが?」
「いや、ミーシェが。」
「え?私?」
「ああ。賞金首を殺すのが俺。暗殺がお前。」
「でも…私?」
「出来るだろ?」
「まあ…多分大丈夫だとは思うけど…。」
「毎日順番に賞金首殺しに行くよりこっちの方が稼ぎも安定するからな。」
「でも…できるかな?私。」
「お前に勝てるやつなんてそうそういないだろ?」
「そうかな…。」
「お前なぁ…。自信持て。お前は強い。」
「ユウ…。」
「7大魔王だって打ち倒して見せただろ?」
「そう…だね…!」
「それにお前の武器は電気だ。外傷をあまり残さずに殺せる。」
「確かに。」
「俺の場合は首チョンパだけど、お前は首元に電気流すだけでいいんだ。それだけで万もの聖金貨が手に入る。すごくね?」
「すごい!私…やってみる!」
「そうか…。そういうだろうと思って…依頼を受けといた。」
「…それ私が断ってたらユウがやることになってたんだね…。」
「昼頃依頼人が闇ギルドに来る。頼んだぞ?」
「ラジャ!」
さて、そろそろ依頼人に会う頃かな?
緊張してそうだな。
でも…あいつ自身気付いてないが…あいつにとってアサシンは…天職だ。ロキア帝国に忍び込んだ時もそうだった。2回目に潜入した時は影のローブなしで潜入してたしな。夜目が無くとも適応できる視力の良さ。どれをとってもアサシンに適してる。
まあ上手くいくだろう。
…賞金稼ぎでも行くか…。
「あのぉー…あなたが依頼人のセフィア·ラルナリアさんでいいでしょうか?」
ミーシェは貴族風の女性に話しかけた。
「あら?なんですの?あなたは。」
「あ、申し遅れました。この度あなたの依頼を受けることになったミーシャと言います。」
「あなたのような子供が?笑わせないで!」
「と言われましても…。」
「責任者出してちょうだい!」
「どうしました?お客様。」
丁寧な口調でラゴスが出てきた。
ぷっ…ラゴスさん…。その口調。
「どうしたもこうしたもないわよ!こんな子供に暗殺なんて出来るわけないでしょ!」
「見る目がない一般人に言われたくないな…。」
「なんですって?!」
「大丈夫。ミーシャは逸材ですよ…。」
「ラゴスさん…。」
「そこまで言うなら…信じてあげなくもないわ!」
「じゃ、あとは頑張んな。」
「あ、はい!…殺して欲しいのは…旦那様ですよね?」
「そうよ。あの人を殺せば遺産が全部私のものになるの。あの人は溜め込んでたみたいなの。もし殺せれば5分の1をあなたにあげるわ。聖金貨はざっと5万枚ね。」
「おお…。分かりました。やらせて頂きますね。今夜の旦那様の予定を聞いてもいいでしょうか?」
「あら、今日?」
「はい。早い方がいいでしょう?」
「あなた…分かってるじゃない。あの人は夜はずっと音楽鑑賞してるわ。地下のホールでね。」
「それだけ分かれば十分です。」
「あら?これだけ?」
「ええ、お任せ下さい。」
ふふふーん♪5万枚!
頑張るぞー!
その夜、ラルナリア邸地下ホールには鑑賞のためだけにわざわざオーナーのセリム·ラルナリアが呼んだ音楽家の豪華な音楽を聴きながらセリムは優越感に浸っていた。
「ああ…やっぱり美しいな。」
ワイングラスを片手に聴いている。
「素晴らしい…。」
バンッ!
照明が落ちた。
「きゃあ!何?!」
「なんなんだ!」
音楽家達が騒ぎ出す。
「何事だ!誰かいないか!?」
セリムが叫ぶと1人の影が近づいてきた。
「来たか…。早急に復興作業を…が…」
首筋に瞬間的な激痛が走った。
「な、何が…?」
その者は人差し指と親指の間に電流を走らせ、スタンガンを作り出していた。それも、人命など簡単に奪ってしまうほど強力な。
「クスッ…聖金貨5万枚…ゲット〜♪」
最後にボソリと女の声が聞こえ、セリムは永久に意識を失った。
パリーン!
手に持っていたワイングラスが床に落ち割れた。
その間わずか3秒である。
そのあと直ぐに照明が元に戻った。
「だ、旦那様!!」
「オーナー!」
駆け寄るが既に命は無くなっていた。
音楽家達の証言によると見えたのは一瞬のフラッシュだけだと言う。
1週間後。
「依頼通り、セリム·ラルナリアさんは殺しました。」
「ええ!仕事が早くて助かるわぁ!あ、これ約束の聖金貨5万枚ね!」
「あ、ありがとうございます。」
「また何か頼むかもしれないから…その時はよろしくねー?」
「はい…。」
セフィアは嬉しそうに去っていった。
聖金貨5万枚…。
やったぁ!!
美味しいもの一杯買っちゃお!
あ、ユウに褒めてもらわなくちゃ!
ふふふ…暗殺かぁ…これからも頑張っちゃおーっと!
ミーシェがこの国1番の暗殺者として噂されるのはあまり遠くない未来の話である。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
いかがでしたか?ユウ&ミーシェsideはしばらくこの国に滞在しますんで。どうでもいいですが僕は2回ほど流れ星を見たことがあります!それだけですw
さて!作者の選ぶ好きなセリフランキングトップ3!ミーシェ編行ってみましょう!
3位は…
1章12話、ドラゴンキラーより、
「…私名前はミーシェっていうの。よろしくね?ユウ」です。
ユウをカタカナにしたのはなんかヒロインっぽいからです。
2位は…
1章37話、ダークエルフより、
「フフフ…みーんな…殺してあげる♪」です。
もう一人のミーシェの方のセリフですね。
男口調になるのはなんかそういう口調の女の子も書いてみたいなぁ?って思ったからです。
そんな思い入れのあるセリフでした。
そして1位は…
1章80話、ミーシェの意思より、
「もう決めたこと。私はもう…躊躇わない!!」です!
ミーシェの強い意思の表れですね。
この話でミーシェを好きになった人は多いのではないでしょうか?
以上!ミーシェ編でした!
そして他に考えていることですが、特別編を何話か書くことにしました!
明日から合計5話、本編と並行して出します。でも忙しいかもしれないので特別編は出せないときがあるかもしれないです…。
明日からは「腹下したせいで一人異世界転移に遅れてしまったんですが特別編、ミーシェと始める学園生活」を3話出します!
お楽しみに!!
小宮様も出てくるよー!
まじで最近投稿遅くてすいません!
ちょっと昼間いいネタが出なくって…。
フォローorコメントよろしくお願いします!
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コメント
本大好き{デアラ}
ミーシェ変わったな~
うみたけ
ミーシェ強いな笑一瞬で刈り取られるとか…ブルッ:( ;´꒳`;):
垂直抗力(元ラノベ大好きサムライ)
「フフフ…みーんな…殺してあげる♪」
あのセリフは痺れました!思い出しただけでこうふn…ゲフンゲフン…ゾクゾクします!
これからも楽しみにしてます!あとおこがましいですが、リクエストなんですけど…街でばったりユウと江ノ島が会うっていう回が見たいなーって思います!もし出来ればでいいのでお願いします!お体に気を付けてこれからも頑張ってください!
勝長
ちょ、ちょっとミーシェ怖すぎぃぃぃ...
自称クズ
ミーシャまじ天職っすね