ありきたりの転生者の苦悩

ノベルバユーザー49556

昆虫族の村 5話

落下の衝撃で足の痺れがあって直ぐに立てなくなっていた。
 
正直立てないから助けて欲しいとは思うが、それはあくまで人型の種族に限るだろう...。

今まさに俺と同じ体格と身長のあるムカデ(リアルにデカいムカデ)が近くに寄ってきて、沢山うじゃうじゃしてる足(手)を差し出してきた。


「きゃあぁぁぁー」

叫んだ、高音で心の底から叫んでしまった。

「だいじょうぶかい?」
「手(足)を貸すよ♪」

多分昆虫業界の中ではイケメンなのであろう、俺からみたらグロテスクな映像にしかみえないが。

「いやっ、すぐに立てる!」
「むしろ立ちたい!今すぐに!」

なんか余計な失言のせいで、俺は長い胴体と足に巻き付けながら村に入って行った。


人間慣れてしまう恐ろしい生き物だ...
あんなにグロ顔だと思った物が、個体によって、人間のようにパーツが違っていた。

「知りたくなかった」

虫、昆虫さんも温かくとても優しかった。
ゴブリンのステーキにスライムのお刺身と言ったゲテモノ(美味しい手料理)を味わった。

これまでに味わった事のない美味しさが口に広がって美味だったのだ。


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