ありきたりの転生者の苦悩

ノベルバユーザー49556

無くした時間 4話

俺がこの世界で転生する前の人生は波乱万丈な事ばかりであった。
思い出した無い事や、やり残した事が頭の中でぐるぐると回り続ける。

あの日の選択は間違ってなかったのか...。


「カレン久しぶりの二人での狩はどうだ?」

「ああ!楽しいぞ」
「普段の二倍は気力がたぎる!」

カレンは動物のような喜び方で笑顔で答えてくれた。
いぬ耳をつければさぞ似合うだろうな。

「このまま普段いかない所まで行ってみるか」

「辞めといた方がいい」
「私でも苦戦を強いられる敵もいるぞ」

過去を思い出したせいか、過去を忘れる為に先に進んだ。

今思えばこれがこの世界での最初の分かれ道だった。
それでも過去の選択に後悔はしていない。


「ドンッ!!」
一瞬の出来事だった。
カレンが目の前からいなくなってしまった。

目の前には明らかにオーラを纏っているような怪物が複数いた。

「ダレダ」 
「イマハ ダイジナトキダ」

どうやらカレンがいた場所に散らばってる灰は、カレンが何かをされて灰になったのであろう。

とっさの判断で地面に手を当て陥没させるイメージをする。

「ズボッ」

「マテ」 「マテ」 「ニゲルナ」

人間が二人入るか入らないかの穴の中に落下して俺は逃走をはかる。
落下の最中に魔法瓶で灰になったカレンを回収する。

「とりあえずどうするか..」

落下した先に何故か地下の町と呼ばれる昆虫族の町があった。

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