世界最強が転生時にさらに強くなったそうです

白狼

テイム

 シルフィとのデートをした次の日。
 今日は、王族だけで食事をするらしく俺は、1人になってしまった。
 シルフィは、すごい不機嫌な顔だったな。今は、大丈夫だろうか。
 まぁ、今の俺が気にしていても仕方ない。
 それにしても暇だな。
 隣国と言ってもエルフィード王国とあまり変わらない。
 う~ん、何をしようか。
 あ!ここら辺の森にでも行ってみようかな。
 その森が綺麗な場所だったらまたみんなと森の中を散歩したりすればいいからな。
 そうと決まればすぐに出発しよう。
 俺は、すぐに宿から出り、門の外へと出ると《飛翔》のスキルで近くの森まで行った。
 お!ここら辺でいいかな。
 そう思うと俺は、地面にスタッと着地した。
 強い魔物がいたら嬉しいな~。
 そう思いながら俺は、森の中を進んで行った。
 ん~、《敵感知》で感じる魔物は、すべて弱そうだな~。
 あ!そうだ!アレを試してみようかな!
 俺は前から試したいことがあったので近くの魔物でそれを試そうと思った。
 お!いたいた。
 そこにいた魔物は、ウォーターウルフ。
 その魔物は、狼族なのだが1番小さい種類のようで 前世で例えると子犬のチワワより少し大きいくらいだ。
 ウォーターウルフとは、狼族の中で唯一水魔法が使える魔物だ。
 その他には、火魔法を使えるファイアーウルフとか、光魔法を使えるホーリーウルフとかがいる。
 ウォーターウルフは、毛が水色で見るからに水魔法が得意ですよって感じだ。
 一応《鑑定》スキルでステータスを見て みよう。

 ウォーターウルフ

 6歳

 Lv7

 狼族

 HP2400

 MP2850

 攻撃力3200

 防御力2300

 俊敏性3600

 知力1100

【称号】
 なし

【魔法】
 水魔法 初級 中級 上級

【スキル】
《咆哮》

 へー、まだ若いのに結構強いんだな。
 で、今回して試してみたいこととは、《テイム》だ。
 《テイム》は、この前本でやり方見つけた。
 普通は、《テイム》を覚えるには最低でも10年は、かかるらしい。
 まぁ、さすがはチート能力。一瞬で覚えられたぜ!
 俺は、早速試そうと思った。
 《テイム》するにはその対象の生き物に自分より上の存在(もしくは、仲間)と思わせること。
 1番効率のいいやり方は、その生き物と勝負して認めさせること。
 それか、その生き物と触れ合って仲良くなること。
 後者は、魔物にはあまり効かないから実力を見せた方がいいだろう。
 俺は、ウォーターウルフの前へ行き戦闘態勢に入る。
 ウォーターウルフも俺に向かって牙を立て攻撃の意思を見せてくる。
「さぁ、いくぞ!」
 俺は、これからこの魔物とは仲間になるからあまり攻撃はしたくなかったので《威圧S》を使った。
 さすがにSのままだったらそのまま気を失わせてしまうからすごい手加減をした。
 威圧をかけるとウォーターウルフは、すごい怯えてプルプルと震えていた。
 ちょっとやりすぎたかな?だいぶ手加減はしたのだが。
 俺は、震えているウォーターウルフに近づき、手を差し伸べてやり攻撃の意思がないことを知らせる。
 ウォーターウルフは、潤んだ瞳でこちらを見てくる。こう見るの結構可愛らしいな。
「なぁ、俺と一緒に来ないか?」
 俺は、ウォーターウルフにそう言う。
 ウォーターウルフは、俺の言葉の意味を理解したのか俺の胸に頭を擦りつけてきた。
 これは、OKってことだな。
 そして、最後に名前を決めてスキルを発動させさたら終わりだ。
 俺は、俺の胸に頭を擦りつけくるウォーターウルフの頭を撫でながら名前を考える。
 ん~、何がいいかな?
「よし!決めた!お前は、ソラだ!」
 俺がそう言うとソラは、すごい喜んで周りを走り回った。
 なぜソラにしたかというとソラの毛や瞳が水色で空の色を連想させたからだ。まぁ、結構単純だ。
「ソラ、今からこの森を散歩するからついてきて。」
(はい!ご主人様!)
 ………え!?
 今、ソラ喋らなかったか?
「おい、ソラ!今、喋ったのか?」
(いえ、私は、心の中でそう思っただけです!)
 そんなことが出来るのか?
 イリスに聞いてみるか。
(なぁ、イリス。《テイム》した魔物って話すことが出来るのか?)
(いえ、普通は、出来ません。ですが多分ソラがマスターと話したいと強く願ったからではないでしょうか?)
(そうなのか、分かった。ありがとう。)
「なぁ、ソラ。お前俺と喋りたいって思ったのか?」
(はい!思いました!少しでもご主人様と仲良くなりたいから!)
 ソラって結構可愛いんだな。はは、良かった初めて《テイム》した魔物がソラで。
「それじゃ、散歩するか。」
(はい!)
 俺は、それから森の中を散歩した。
 途中魔物にあったがソラが全て倒してしまった。
「なんで、ソラってまだこんな小さいのにそんなにレベルが高いんだ?」
(まぁ、単純な理由なんですけど強い方が何かと便利ですからね。)
「確かにそうだな。俺もそう思う。それじゃもっともっと強くなろうな!」
(はい!)
「あ、それよりもお前の親は、大丈夫なのか?いきなり子供がいなくなって心配するんじゃないか?」
(大丈夫です!私、今さっきまで強くなるために1人で旅をしていましたから!)
「そんなに小さいのにもう1人で旅か!すごいなソラは!」
(えへへ、そんなことないですよ。)
 それから俺たちは、話しながら森の中を3時間くらい散歩した。
 そろそろシルフィたちも帰ってる頃かな。
 俺は、そう思い《ワープ》でソラと一緒に隣国の王都へ帰った。
 さすがに宿屋にいきなり帰るのはまずいので人気のないところへ移動した。
 ソラは、いきなり場所が変わってしまってすごい驚いていた。
 それから俺たちは、宿屋へ帰った。
「ただいま。」
 俺は、宿に入りそう言った。
 そして、宿のホールにはシルフィたちがいた。
「あ!おかえりなさいシン様!ん?それってウォーターウルフじゃないですか!?なんで、抱えているんですか!?」
 シルフィたちは、ソラを見ると慌てだした。
「ああ、ちょっといろいろあってな。あの、すいません。この子も一緒に泊めても構いませんか?お金は、一人分俺が払うので。」
 俺は、宿の女将にそう尋ねる。
「ええ、別に構いませんよ。動物の持ち込みは、この宿ではOKをしていますので。それとお金は払ってもらいますがそんなに多くなくて構いませんよ。銅貨6枚程度で構いません。」
「そうですか。ありがとうございます。」
 そう言って俺は、銅貨6枚を渡した。
「シン様、その魔物について説明をして下さいますか?」
 シルフィは、俺にそう要求する。
 俺は、ソラを《テイム》したことを説明した。
「シン君は、《テイム》も出来るのだな。さすがにもう驚きはしないがね。」
 グレイさんは、苦笑しながらそう言ってきた。
 それとソラの声は、俺にしか聞こえないらしい。
 俺は、ソラへの説明を終えるとソラにもみんなのことを紹介した。
 みんなソラのことを気に入ったらしくソラを撫でている。
(ご主人様~、助けて~)
 ソラは、そう言って俺に助けを求める。
「みんな、そろそろ夕食の時間だろ?そろそろ食堂に行かないといけないだろ?」
 俺がそう言うとみんなは、「もうそんな時間か。」と言ってソラを俺に渡して食堂へと向かった。
 俺たちも先に食事をした。
 ソラの食事は、さすがにいきなりだったので用意ができていなかったので俺が半分分けてあげた。
 ソラは、美味しいと言いながらすべて食べ尽くした。
 そして、部屋に戻りソラと一緒に個別の風呂に入り、就寝した。
 ソラにも一応動物用の寝床を用意してもらったが、ソラは、俺のベットに入ってきて俺の横で眠ってしまった。
 まぁ、仕方なく俺もそのままにして眠った。

コメント

  • ペンギン

    ソラ可愛いw

    1
  • 774の狐

    若いって言っても6歳の狼は成狼して5年は経ってるんだよな。
    魔物だから進化しないと体の大きさが変わらないのか?

    1
  • 白夜

    ソラは、魔物特有の進化がありそうですな〜

    3
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