世界最強が転生時にさらに強くなったそうです
魔法学園編 ドルギースの正体
この世界に来る前に知った顔だ。
ドルギースは、長髪の薄い茶髪で顔は、とても整っている顔だ。
「お、お前女だったのか?」
「あら、失礼ね!顔は隠していて分からなかったかもしれないけど声で分かるでしょ?」
確かにとても綺麗な声をしている。
「そ、それよりもどうしてお前がここにいるんだ!?」
そう、俺が今一番疑問に思っていることはそれだ!
こいつは、この世界に来る前、前世で出会ったことのある人物なんだ。
「ふふ、それはねあなたに会いたかったから。」
「は!?俺に会いたかった?俺、お前に会ったのって一回だけだよな?」
こいつは、前世の最後の大会の決勝戦で当たったんだ。ただそれだけなはずだ。
「私はね、あなたと戦ってとても楽しかったの。あなたは違うかもしれないけど私はそうなの。だからね私は、ずっとずっとあなたとまた戦える日を楽しみにしていたの。でも、あなたは死んでしまった。」
ドルギースは、自分の想いを俺にぶつけてくる。
こいつとの戦いは、俺もとても楽しかった。だから、いまだにこいつの顔を覚えていた。
「私ねあなたが死んでから生きることの楽しみがなくなったの。だから、私は死んだの。生きてても仕方なかったから。」
「………」
俺は、何も言えなかった。こいつは、俺が死んだせいで前世での生を捨てた。なんか、すごく申し訳なく思ってしまった。
「……ごめん。」
俺は、一言謝っておいた。
「なんで謝るのよ。私ね死んで良かったと思ってるの。前世では、そんなに楽しいことなかったし。」
ドルギースは、続ける。
「私、死んだら白い空間にいたの。そしてそこで女神ラフィエル様に会ったの。その方からあなたがこの世界に来ていることを知って嬉しかった。そして、あなたがこの大会に出ることも知った。だから、私はここに来たの。新たな能力を手に入れてね。」
「新たな力ってオリジナル魔法の事か?」
「ええ、そうよ。私がもらった能力は、魔法創造というものよ。これで私は、いくつもの魔法を作ってきたわ。」
魔法創造、結構厄介だな。
「少し喋りすぎたね。観客の皆さんが不満を持っているよ。そろそろ続きを始めましょう。」
「ああ、そうだな。」
そして、お互いまた素手での戦闘を始めた。
だが、《身体強化S》のスキルを使っている俺の方がだいぶ優勢である。
「くっ!やっぱり強いわね。素手での戦闘なら私に勝ち目はないみたい。だから、これでどう!!オリジナル火魔法【爆発玉】」
ドルギースが詠唱を終えると、火の玉がいくつも現れ、俺に向かってきた。
「この程度の攻撃じゃ俺は倒せねぇぞ!!」
俺は、そう言って火の玉を殴った。
そして、その火の玉は光り輝き爆発した。
「なっ!」
俺は、その爆発に巻き込まれ吹っ飛ばされた。
そして、飛ばされた先にはまた別の火の玉があった。俺は、それを躱せずまた爆発に巻き込まれ吹っ飛ばされる。その攻撃が何度も続いた。
「はぁはぁはぁ、くっ!ケホッ!」
思ったよりもダメージを食らったみたいだ。
「ふふ、効いたみたいね。さぁ、まだいくわよ!オリジナル風魔法【風圧弾】」
そう言うと風が集まり圧縮された弾がいくつも出来た。そして、それが俺にものすごい速さで向かってきた。
流石にこれを受ければやばいな。
上級土魔法【アースウォール】
それを無詠唱で発動すると、土の厚い壁が目の前に出来た。
そして、その風圧弾は壁にぶつかり消えた。
でも、だいぶ体力を消費したな。
相手の隙を作り体力を回復しないとな。
「次は、こっちから行くぞ!うおぁぉ!!」
俺は、魔法では勝てるか分からないので体術で勝負することにした。こっちならスキルがある分だいぶ有利だ。
思った通りドルギースのやつだいぶ押されてる。
「これでどうだ!!」
俺は、思いっきり殴り地面に叩きつけた。
「きゃぁぁ!!」
女の子にあんなことをするとは、酷いことかもしれないがこれも真剣勝負だ。
俺は、この時間を使い体力の回復に専念した。
《自動回復S》
そのスキルを使うと一瞬で体力が元に戻った。
「ふぅ、これで一応安心だな。」
それでドルギースは、どうなったかな?
そう思って地面を見るとドルギースは、ちょうど立ち上がったところだった。
「おいおいどうした?その程度か?」
俺は、少し挑発気味にそう言った。
「いいえ、まだこれからよ!【亜空間倉庫】」
そう言うとドルギースは、武器を取り出した。
「お前、【亜空間倉庫】使えたんだな。」
「ええ、これは何かと便利だからね。」
そして、俺も武器を取り出した。
「今度は、武器での勝負か。」
俺は、刀を鞘から抜いて構えた。
ドルギースも構えた。ドルギースの武器は、槍だ。
ドルギースは、とても早くそしてとても鋭く俺に突いてくる。俺もそれに対応して刀で捌いていく。
「くっ!はぁ!おりゃ!」
何とか今は、捌いていけるが、こいつの突きどんどん早くなっている。
何とか今のうちに対処しなくちゃな。
俺は、エンチャント能力を使った。
エンチャント上級火魔法【フレイムバースト】
それを使うと、炎が前方に放射されて、ドルギースの突きを何とか止めることが出来た。
「やるねぇ、でもねこの槍は、普通の槍とは違うの!」
そう言うとドルギースが持っている槍が光り始めた。
その光は、ずっと輝き続けてそして、その光は、徐々に何かの形になっていった。
その形は、ドルギースが持っている槍と一緒の形だった。
そしてそれは、合計で15本ある。
「これが本当のこの槍の力。光の魔法の槍。あなたのエンチャント能力とは違うもの。魔法そのものが武器になっているの。」
「魔法そのものが武器。……それってまさか!?」
「そう、これは、神器ライトスピア!!」
そう言うと、その槍が俺にものすごい速さで向かってきた。
俺は、刀で捌いたり、躱したりして何とか攻撃を防いでいる。
だが、槍のスピードは、どんどん早くなり捌けなくなりその攻撃を食らってしまった。
「ぐっ!」
そして、とうとう俺は、膝をついてしまった。
それを見てドルギースは、その光の槍を一点に集めて大きな槍にした。
「さぁ、これで終わりだよ!くらえ!!」
その槍は、ものすごい速さで向かってきた。
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コメント
火野目 燐助
えっ、前世の最後の大会ってあれだよな、その大会の帰りに雷に打たれたやつ。シン、楽しかったの?圧倒的な差で勝利したって言ってたけど