雪が降る世界

lemon

第19話 〜計画〜

(じゃあその日、俺にくれないか?)

「うわー…。何を言ってたんだ俺は。」
「お、また唸ってる。」
「…はしたない。」
「え、何が?」
「何でもねぇ。」

あの流れでLINE交換して最近よく喋ってる。やっぱりこの辺にいる女子とは違うんだよなー。…一歩引いたところで聞いてくれるっつーか。他人事だしな。
そういや俺、病院以外の女子と会話したの片手で数えられるくらいだった…。ごめん。

「来週の日曜日って部活なかったよな?」
「「毎週ねぇよ。」」
あ、先週がイレギュラーだったのな。
…そこまでシンクロしなくてもいいだろ。
じゃあその日、でいいかな。向こうが何もないことを願おう。今日澪に会うついでに聞いてみるか。



「澪?…なんだ。遊んでやってんのか。邪魔したな。悪い。」
「別にいいよ。みんなー璃久来たよー。」
清々しいまでの棒読み…。今日もお疲れ様。
「お、兄貴もいるの?ちょっと2人で来てくれる?」
…この先生の話長いんだよな。さっさと瑠璃んとこ行きたいんだけど。
しかも今までいろいろ話されたが澪を入れては初めてだ。嫌な予感しかしない。
「兄貴の方はこれ見て分かる?澪君は初めて見せるからあれだけど。」
いやいやいや…。理系ではあるけども…。俺高校生…。
「?これは?」
「そうそうそれそれ。」
当たっちゃったよ。これ何?
「合併症が進行しててね……。」
「今年が精一杯だ。」
…今、なんて?今年?今年って、今9月だからもうそんなにないじゃん。
「そうですか。」
え、なんで澪の方が落ち着いてんだ?混乱してるの俺だけ?
「…妙に落ち着いてるね。」
「そんなわけありません。でも…。自分の事だから。自分が1番よく知ってる。」
「兄貴は絶対ならないもんな…。」
「知識不足ですみません…。」
俺はこの状況で瑠璃に会いに行くのか。仕方ないのはまぁそうなんだけど。
…七海に、相談してみるか。あいつは俺より長けてるだろうから。


「瑠璃ー。ちょっといいか?」
「あっ、この間の?」
「…うん。来週の日曜日、どう?」
「いいよ!でもどこ行くの?」
「激しい所には行かないから安心しな。その日まで内緒。」
「…すっごく気になる…。」

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