( ´ ▽ ` )ﾉ覚醒の前兆

俺は速攻でこの二人を買う手続きを終わらせて家に転移した。（因みに金貨2枚だった）

「【再生リターン】」

すると瞬くまに傷が再生していき最後には綺麗な耳、肌、足、手になってHPも完全回復をした。
これは神聖魔法の高レベルな回復法で大司教や司祭レベルでも一握りしか使用できない魔法だ。

「ふにゅ、……ここ、は？」
「おう、目が覚めたか」
「ふひゃっ　︎。だ、誰？」

目が覚めたから声をかけたがどっかでこんな展開あった気がするんだが…………あー思い出したユキの時だ。

「俺はシグルズでお前たちの主人だ」
「主人？。私は片足片腕片目がないのよ。どうして私を買ったのよ。あとサーナは？サーナはどこ」
「まずは自分の体を確認してみな。そのあと後ろに向いてみろ」
「体？。……う、嘘。足がある。腕もある。目も見える。音もちゃんと聞こえる。う、うぅーーー。よかっ、よかった。よかったよーー」

彼女は自身の体をペタペタと触って傷が治っていることに驚いて泣いている。そして後ろを向いて。

「サーナ！。よかった、よかったよぅ」

ヒルタはサーナを見つけて抱きつきながら泣いている。
俺はその光景を見てほのぼのとして涙腺が緩んできたが次の一言で場の空気が変わった。

「むにゅ。ちょっと邪魔なんだけど」

サーナが起きた思ったらいきなり辛辣なことを言って俺の涙腺は元に戻って笑顔を引きつらせてしまった。

そこから10分後、妹の方も自分の体が治ってることに驚き結局は泣いて喜んでいて今は二人で仲良く眠っている。
俺は二人を担いで空いている部屋に行き二人を寝かせてやった。

「料理はお預けかな」

俺はそんなことを思いながら部屋を出て街をぶらぶらしている。

シルフィ、なんか面白いことないか？
〈面白いかどうかは分かりませんが武器屋に魔剣と聖剣がありますよ〉
お、なんか面白そうじゃねぇか。どこにあるんだ？

シルフィに案内されるまま俺は歩き路地裏の小さな武器屋に来た。

こんなところにあるのか？
〈はい。中にはいって店主に『魔と聖を司る者なり』と言ってください〉
わかった。

「『カランカラン』邪魔するぞ」
「なんのようだ坊主」

中に入るとごつい体格をした低身長のドワーフがいた。

「武器を買いに来たんだが『俺は魔と聖を司る者だ』」

俺がそう言うとドワーフのおっちゃんは俺を品定めするかのようにガン見してきた。

「誰から聞いたかはしらねぇがお前には無理だ」
「何故だ」
「精神が持ってかれるからだよ。過去にもそうやってきた奴がいたが触った瞬間に全員精神が狂って死んだよ」
「それでも構わない」
「……どうしてそこまでそれを求めるんだ？」

たしかにそうだろうな。触れただけで死んでしまうかも知れない武器をそこまでどうして手に入れたいのか。そんなのは決まっている。

「守りたい者がいるからだ」
「…………分かった。少し待ってな」

そう言っておっちゃんは店の奥に消えて行きしばらくすると漆黒の箱と純白の箱を抱えて戻ってきた。

「これがそうか？」
「ああ、お前の覚悟を見せてもらおうじゃねぇか」

そう言っておっちゃんは木箱の箱を開けた。そこには漆黒の刀身に紺色のラインが入った武器と純白の刀身に群青色のラインが入った武器があった。シンプルなデザインだが放つオーラがそこらの武器とは比べものにならなず、ましてや俺のオルとアルと同等の力を感じる。
俺は無意識にその武器に手を伸ばし武器を掴んだ。

〈お前に俺達を使いこなせるか？〉

俺の頭に一人の男の声が聞こえたと思ったら急に目の前の空間が歪み気づいたら俺は真っ黒の空間にいた。

〈〈ようこそ。生死の狭間へ〉〉

俺の後ろから声が聞こえて来た。片方は女のようでもう片方はさっきの声に似ていた。
後ろを振り向くと、そこには十代くらいであろう男女が立っていた。
てか生死の狭間って生死の間の被りかよ。

「あ、そこは気にしないで。私たちもはもう諦めたから」
「ナチュラルに思考読むのやめてもらえます？」