口内炎日記

口内炎

東京に出て来てもうすぐ1年が経ちます。 

時間ってのはどうしてこうも早く進むのか不思議でしょうがないし、上手く時間の流れに乗れているように見えて、焦りとか不安とか後悔に飲み込まれないように生きるのにわたしは必死です。毎日電車で知らない人の中に紛れて、少しだけ知ってる街を、周りのスピードに合わせて歩くのがわたしです。叔母には、おっとりしてるから都会は歩けないんじゃないかとよく冗談混じりに言われてましたが、地元にいた時よりもしっかりと歩けているように感じます。

わたしが一年前まで生きていたのは北海道の田舎町です。バスも電車も1時間に一本しか走らないし、高い建物は5階建てのビジネスホテルくらいの、お洒落な古着屋もない山に囲まれたところです。欲しい服を買えば送料がかかるし、観たい映画は隣町にあるTSUTAYAに出るまで待たなければならない、そういうことろです。
Aちゃんのとこ離婚したんだって、Kくんのお兄ちゃん大学やめたみたい、噂はどんどん広まります。
雪が腰まで積もる中、母が除雪した細い道を通りバス停まで歩きながら、椎名林檎の17をよく聴いてました。みんな同じ服を着て、同じ雑誌を読んでいる、という皮肉交じりの歌詞を何度も頭に浮かべては、どこか勇気づけられていました。
 

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