始創終焉神の俺、異世界を満喫する!

メコルデグス

異世界勇者と異世界魔王 2 最強達の会談

「それじゃあペトラ、よろしく頼む。」

「えぇ、任せてください。」

俺は今、ペトラと二人でレザリウス光国の外れの火山にやって来ている。なぜなら、異世界から転移した最強の勇者と魔王と話をしてみたかったからである。話す場所を此処にしたのは、俺が先日引き受けた依頼「新種のドラゴンの視察」により、ほとんどの冒険者が立ち入らないからである。ここでなら、立場や周りを気にせずに公正な対話が出来るため、この火山は打ってつけの場所なのだ。
俺達が集合場所の火口付近の平地に辿り着いた時には勇者と魔王は、用意された玉座に座っていた。更にその側近や家臣であろう者達が既に話を始めていた。

「だからっ!貴様等と話をしてやるからわざわざ我等、天界より選ばれし者達が時間を割いてやっている事を理解しろと言っているのだッ!!」

「何を言うか?!貴様等こそ自分たちの立場を理解しろっ!冥界の使者である我々の力を持ってすれば人間如き下等生物など皆殺しなのだぞッ!!」

しかし、彼等の話は相手を卑下するだけの幼稚な内容で、とても聞くに絶えない物であった。俺は止めるべきかと思い口を開いた、その時,,,

「おい。そのへんで,,,」「「そこまでだ!」」

しかし、俺が言い終えるより速くに勇者と魔王である紅騎と蒼魔の低音の小さい声が、されどそれだけで空気が割れる勢いの覇気が彼等の話を遮った。

「今回は相手にケンカを売りに来た訳じゃないのは、全員承知のはずだろう?なのにこれは一体どういうことだ?」

「我々、天人族と魔人族はお互いを理解し、手を取り合える仲を築くために今回の会談に来たのだぞ?少し頭を冷やすがよい。」

二人がそう言うだけで先程まで声を荒らげて罵倒していた家臣は皆静まり返った。そうして、二人は玉座から立ち上がり俺とペトラの前まで歩み寄ってきた。

「今回は来ていただいて誠に感謝するよ、ペトラ殿。お会いできて光栄です。」

「ペトラ殿の御活躍は我々も戦いの中で幾つも伺いました。しかし何故、竜鬼と一緒に?」

二人はそう言うとペトラに握手を求めペトラの方もそれに応えた。そして、ペトラの方から今回来た理由や、俺と知り合いの理由等を説明した。こちらも速かった理由を聞いてみるとどうやらこの火山付近の宿に家臣達と泊まっていたかららしい。最強の勇者と魔王が同じ宿に泊まるとか普通なら一大事だよな。

「なるほど、竜鬼にそれほどまでに強さが秘められているとは、しかし我等は、強さを感じませんよ?」

「同じく。竜鬼にそこまでの力が有るようには思えぬのだが?」

二人の言葉に賛成するかのように後ろに並ぶ家臣達も口々に言いたい放題喋りだした。そして、二人の家臣の中でもかなりの、力を持つであろう二人の騎士が名乗りを挙げてきた。

「私は紅騎殿の近衛騎士騎士隊長のリグナ フィルレイドだ。貴様が本当に紅騎殿と会談するに相応しいか、剣を交わして貰うぞ!」

「同じく俺は蒼魔殿の近衛騎士騎士隊長のザナク バルストンだ。生半端な力で蒼魔殿の手を煩わさないためにも、1つ勝負と行こうじゃないか?」

そうして、リグナとザナクの二人がまるで鏡合わせをしているかのように、シンクロした動きで剣を向けてきた。その姿はまさしく、太陽と影のように違和感を一切感じない洗練された動きだった。

「(基本的に勝負は全て受けるのが俺のモットーなんでね。どんな勝負だろうと当然やらせて貰うよ。)」

俺は二人の要望に応え、腰に差してあるいつもの「カムイ」ではない、黒刀「黒漆剣(こくしつのたち)」を抜き構えた。これは、ベルクとペトラが共同開発した新たな刀で影や闇と言った暗黒系の魔力伝導が著しく高い刀らしく、俺は試運転を頼まれた。ちなみに
ランクは伝説級(レジェンダリー)と強力だ。俺の準備が終わったや否や、二人は見事なシンクロで俺を中心にして全く対称な動きで俺を翻弄し、剣を両サイドから振ってきた。しかし、俺は黒漆剣に影を纏わせ、剣先の実体を二本にすることで二人の攻撃を受け止めた。更に二本の影の刀(影刀とでも呼ぶか?)を展開し二人の喉に突き付けた。ここまでわずかに5秒という恐ろしい御技だ。

「こ、降参だ。」

「参っ、た。」

二人の負けを認める言葉を聞いた俺は展開していた影刀を消滅させ、紅騎と蒼魔のもとに向かった。紅騎や蒼魔も含め家臣達は目を見開いていた。
そこからは家臣の口出しを禁じた上で、俺とペトラと蒼魔と紅騎達四人での会談となった。基本的には、天人族と魔人族の友好を結び戦争を終結させる事と、お互いの技術や知識の交流等について話した。家臣同士の口出しを禁じた会談はとても有意義なものだった。
そもそも、天人族と魔人族の戦争とはこの世界にある、最も栄えている国であるスフレイド天国とサタノルト魔国の対立が発展したものである。そのうちに、彼等は異世界召喚の儀式を行い紅騎や蒼魔等の地球人を呼んだことから、戦争はより激しくなったものなのだ。

「(アテネ、地球人はこの世界では強いのか?)」

俺は念話によって、アテネに疑問を投げ掛けてみた。

(おや、竜鬼さん!急ですね?え~と、地球人ですか?,,,地球人はですね、数多くある世界や次元の中で特に神からの恩恵を受け取りにくく、世界の重力や魔力濃度が他より圧倒的に過酷な世界なのです。よって異世界に転移した場合、地球でのリミッターを解除された、真の力が開放された状態になりますので、この世界の者達より圧倒的な力を所持しているのです。)

つまり、地球から転移した人間達は鍛え上げたチート並の力を使いこの世界で無双出来るって訳か。知りたいことが知れた俺はアテネとの念話を切って、紅騎達との話に耳を戻した。

「その上でペトラ殿には、我等の条約の見届け人として、調律してほしく願います。」

「我々の力を上回るペトラ殿がその場を仕切って頂けたら国民も納得して貰えると思うのだが、如何だろうか?」

二人の話を聞いたペトラは、深く頷き了解の意を示した。

「分かりました。僕でよければ、この話の仲裁としてやらせて貰いますよ。」

話が纏まり、詳しい日時や条約について話していると、両国の家臣がコソコソと何やら怪しい動きを見せてきた。俺は一番最初に口論していた家臣の口の動きから何を喋っているのか読み取ってみた。

「「(作 戦 を 開 始 す る !  全 員 召 喚 を 開 始 せ よ !!)」」

「ッ!?」

すると山の遠くから「ドゴォォォン!!!」と不明な爆発が起きた。視覚を上げて爆発の方向を見てみると、先程話していたレザリウス光国の隣に位置する、スフレイド天国とサタノルト魔国の2ヵ国と仲の良いアースガルド自然国と呼ばれる国の草原に幾万を超える天使と悪魔が手当たり次第に周りの自然や生き物を蹂躙していた。

「これは、どういうことだ?」

家臣のリーダーである二人は先程まで邪険な雰囲気でお互いの種族を卑下していたはずだが今見ると、この作戦の為にわざわざ芝居をしていたように見える。事実なのか確かめるために紅騎と蒼魔は二人に敵意を込めていい放った。

「これは一体何だ?!何が目的でこのようなことをしたのだ、ラノールッ!!」

「貴様等の作戦とやらは、我々両国の古き友好国であるアースガルドを滅ぼすことなのか?シャルドネ!」

ラノールとシャルドネは笑みを浮かべながら答えを明かした。

「我々は2ヵ国で戦争を行いどちらかの国を滅ぼし、我等中心の新たな国を作り、全世界を侵略するのが目的で貴殿方異世界人を呼んだのですよ?」

「しかし、貴殿方が戦争を終結させようとするのは誤算でしてね。少々手荒ですがお互いの友好国を滅ぼすことで奴隷や資金、領土を増やすことにしたのですよ。」

この世界では、約100億年以上前に全世界大戦を集結したそれぞれの国の神達が終結させ、不可侵条約を結んでいる。スフレイド天国とサタノルト魔国は元は1つの国だったが対立から2つに分かれ、戦争が始まっても条約違反に当たらなかったために今でも続いていたのだ。そして、当時から2ヵ国と友好を結び、生活に欠かせない必需品の全てを貿易してくれているアースガルド国を滅ぼすことで支配下に置く、又はスフレイド天国とサタノルト魔国に必需品が届かず衰退すると、どちらに転んでもこいつらの思惑通りに進んでしまう。
この火山からはたとえ竜を使っても2日かかってしまう距離なのだ。それを理解している紅騎と蒼魔を唇をキツく噛み締めていた。そもそも、この場にいる、近衛騎士以外の魔術師や剣士、家臣達は易々と行かせてくれる気配もない。

「我々の言う通りに戦争をしてれば良かったものを、貴様等のせいで、関係ない国の人々が蹂躙されるのだ!」

「せいぜい、貴様等の無力さを惜しみ、そこから見ながら殺されると良い。殺せ!」

命令通りに剣士や魔術師が一斉に殺しに来た。しかし、彼等の魔法や武器は俺やペトラ、紅騎達に届くとこなく近衛騎士によって、阻まれた。

「流石ですね。ですが、これは、どうですか?」

ラノールが指を鳴らすと火山の中から巨大な50mはありそうな炎の魔人が現れた。そして、笑いながらラノールとシャルドネはその場から姿を消した。俺は急いで神眼を発動してみた。

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名前 炎魔人 ハーフイフリート      LV.380
 HP 680000/680000   SP 400000/400000
加護 (炎魔神)称号 豪炎宿し魔人  

 種族 魔人 

攻撃力 980000 
防御力 330000 
俊敏性 580000 
魔法耐性 48000
攻撃耐性 90000

使用可能,,,

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しかし、見てる途中で俺達目掛けて太い腕を叩きつけてきた為皆逃げるとステータスが見きれなかった。がこのハーフイフリートと呼ばれる魔人は常人では手に負えない相手なのは分かった。それに、アースガルドを襲う天使と悪魔も強さは多分LV.70程であり、それが幾万と居るのだ。迷っている時間はない。そう決めた俺はゼータの神輪を外し、開放したスキル「鬼王記召喚」を使用し、一番ランクの低いオーガを数千体と鬼王本人 オーガ キングダム ハーツを召喚した。

「久しぶりだナ。今度ハ、お前ノ仲間としテ力ヲ振るってやル!」

オーガ キングダム ハーツ(長いから鬼ングでいいか?)は、数千体のオーガを見事に使役し剣士や魔術師を瞬殺し、ハーフイフリートへの攻撃を開始した。

「これほどのオーガが一瞬でっ?それにあのリーダーの鬼は他とは比べ物にならない覇気を放っている!」

「まさか、これは、竜鬼が召喚したというのかっ?!貴殿は一体何者なんだ?!」

紅騎と蒼魔は余りの出来事に目を丸くし、ペトラは瞬時に理解したのか、装備を整え始めた。それを見た紅騎達も理解し準備を始めた。俺はハーフイフリートを鬼ング達に任せ、天使と悪魔の討伐に向かうことにしたのだ。そして、俺はゼータ達全員に念話を送った。

「(緊急指令!相手はアースガルドを襲う天使と悪魔。本気で構わない!殲滅するぞ!!)」

[応っ!!!!!]

急な呼び掛けにも関わらず全員の力強い返事を聞いた俺は自身のリミッターを解除しながら、ペトラ達の元に駆け寄ったのだった。

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