日本守護神戦記

土御門桜

第零話 我、参戦ス


  




 私は日本守護神と呼ばれる者、自衛隊衛生科に所属する中院なかのいんかぐやと申します。因みに軍医です。






 どうぞ。宜しくお願い致します。





 「中院軍医!此方に怪我人がいるので来て下さい!」




 「了解した」



 続々と運び込まれる怪我人に今日も忙しくなるなと、そう思った






かぐやが居るのは日本ではない、中東のイラクという国である。

我々陸上自衛隊は人道復興支援のため、比較的治安が安定しているとされたイラク南部の都市サワーマの宿営地を中心に活動しておりけして最前線には立たない、というか立てない。何故ならば我が国では憲法で戦争しないと決められているからだ。

勿論、かぐやも衛生隊の一人としてイラクに派遣された。其処は危険な場所でも比較的治安が良い所にいるから戦う事はないと思っていた。



「中院軍医!此処は非戦闘区域ではなかったのですか!?」

「いてぇ…いてぇよぉ…っ!」


「米軍の何人かも撃たれた!早く手当てを!」



雨の様に降ってくる弾丸、人々の悲痛な叫び、鼻にくる血の香りに吐き気が起こる。

あぁなんという残酷な風なのだ。



これが戦争。



容赦なんてない。




「せめて患者だけでも!!」




しかし患者の殆どは死傷で逃げる事も出来ない人々である。それを見たかぐやは暢気に日本にいる人々は戦闘報道見ても他人事の様に思うんだな、苦笑いしながら地面に転がっていたコルト M1911 ガバメントを手に持って走り出す。



「我、参戦ス!」



かぐやが日本守護神と呼ばれる様になった切っ掛けはある国の戦争に巻き込まれた事から始まった。実は中院かぐやは今年で16歳の青年であるのだがそれは世間に公表されていない。

それは何故か?



「ふっ…」



それは彼女が世に言う天才の域を越えた天才だからだ。



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