俺の異世界体験法~自分で作った人工異世界で無双します

デコポッジスペシャル

4章 「異世界もののチンピラってホントいいとこねーよな。」

 最初の街テルネバは俺のアビリティー「空中浮遊」で5分もかからない距離なのだが俺は未だにこの世界がゲームなのか、異世界なのかは区別がつかないでいる。なので、いや、どちらでも俺の能力を最初からばらすのはどうかと思うので目測10キロぐらいは目立たずに行こうと考え、森の小道を歩いていると、前から3人組の人がやってきたのでここで話しかけて、どちらの世界なのか聞き出そうとしたその時、
 「中々強そうな装備してんじゃねえかよ」
 「間違いなく金持ちのボンボンだろうぜ」
 「3人がかりでさっさと殺して全て頂いて終わろうぜー」
 といきなり襲いかかってきたので剣を即座にオブジェクト化させて臨戦態勢にはいった。これがいわゆるPKPlayer killというやつなのだろうか…。とめんどくさそうな顔をして入るが内心めっちゃワクワクである。
 「いくぜ!!」「ヒャッハー」と見境なしに剣を振って来るので避けやすいのだがここはなんて言ったったって小道であり幅が狭いのでアビリティーも使いにくいのだが多分これならいけると思い
 「身体能力アップ」を使ってまた俺の体を虹色の光が包んでいるうちに、3人組をすぐさま切りつけてた時、血が出ずに赤いエフェクトだったことからこの世界はゲームの中だということが分かった。のでとっとと終わらせようとしたら
「ま、ま、待ってください、い、命だけはどうか」
 「金なら払いますからどうかお許しをー」
 ととてつもない必至な顔で見事な土下座をしてきたので、剣を下げ話を聞くことにした。
 「おい、ここはゲームの中じゃねーのか?」
 「あんた、何を言っているんだ?ここは確かにゲームの中だがただのゲームじゃねーんだよ、本当に命のかかったゲームなんだよ!」
「それで?」
「お前分かっているのか?脳みそ湧いたのか?」
 失礼なやつだ。だが俺はもう死んでるし危機感を持つようなことではないのだが、一応話は最後まで聞いておこう。
 「事情は分かった、だがそれは本当なのか?」と聞こうとしたその時、突然奴らが俺の前から姿を消し、テルネバの方向から人々が騒ぎだす声が聞こえたので今度は「テレポート」を最大限にしようし、街の方へと急いだ。


 街に入るとやはり始まりの村らしく建物は西洋系だった。やっぱりそういう王道なのもイイよねーとか考えている時間は全くなく事態はとてつもなく深刻だった。町の中心部に位置するクロッド時計塔広場には大勢の多分全てのプレイヤーが集められたのだろう。だが、今注目すべきはそこではなく、時計塔の上にあるモニターなのだろう。いつもは何を映しているのかは知らないが、今映っているのは「俺だ」それも記者会見ではなく容疑者として捕まっている俺だった。一体何が起きているのだというのか全く理解ができない。だが全身の毛が逆立ち、呼吸が荒くなり、視界が歪み、まるで自分の体が見えない力によって押しつぶされるかのような気分だ。すぐさま俺は走り出し、街の端っこにある路地の間でうずくまってしまった。
 「あれは、一体どういうことなんだ。なんで俺が生きて、捕まっているんだ。なんで、一体何をしたと言うんだ。」と答えの出ない自問自答を繰り返し、精神を安定させようとしていると、コツン、コツンと一歩一歩俺に近づいてくるのが分かったが今は、自分の体を動かせる状況ではない。
 「やぁ、やっと見つけたぞ容疑者、畑 汰稀。なんてね。」
 「羽位 冬弥?」
 「おいおい、あれだけ感動的な別れと再開の約束をしたというのに、それはひでーだろ。」
 なんということだ、一瞬俺の名前を当てられて、終わったと覚悟したが、よくよく考えてみれば今の外見はリアルのとは比べ物にならない。とすると俺を正確に当てられる人間なんて世界に俺を除く2人だろう。そのうちの一人、そして「最優」にして「最友」である冬弥だというのならばどれだけ嬉しいことなのか…。だが今はそうこう言ってられない。付いていくことにした。
 「今、このゲームで一体何が起こっているんだ、それと今はいつでこのゲームはスタートしてどれぐらいの年月が経ったんだ?」
 「まぁ積もる話は沢山あるんだから、そこらのカフェにでも行こうか、それに今、朝凪姉妹もそこにいるところだ。」
 と、言われ大人しく付いていくことにした。

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