ネームイーター

河内三比呂

サイド シルバーな俺達 3

 PM12:25 日野市内某所マンションの一室。

『シルバーな俺達』の面々の表情は暗く、硬い。
 深夜メンバーの一人である吉澤が《ネームイーター》に襲われたのだ。
 辛くも間一髪で警察に保護されたものの、衝撃は大きかった。
 特に当事者の吉澤のショックは凄まじく、事情聴取を受けた後、
 現在彼は憔悴しきっている。
「なぁ・・土方。こんな目に遭ってまですることなのかよ?」
 北沢は召集後から思案顔で黙り込んでいる土方を見る。
「そーよ?ひじかっちゃん、こんなんウチらの手に負えないって!」
 成瀬も同調する。彼も今回の件に動揺しているのだ。
 二人の視線を受け、土方は未だ憔悴している吉澤を見やり、口を開いた。
「・・・だからこそ・・やるべきなんじゃねぇか?」
「「はぁ!?」」
 北沢と成瀬が叫ぶが、それに「聞け」とだけいい制する。
「いいか?オレ達が《ネームイーター》を追い出したのはここ数日、んで、実際取材できたんが昨日。
 その深夜に吉澤が襲われたんだぞ!?つーことは俺達を狙ってるって可能性もあんじゃねぇのか!?」
「ひぃいいいいいい!!!!!」
 その言葉でずっと黙っていた吉澤が震え、悲鳴をだす。
 元々臆病な性質な彼にはショックがでかすぎたのだ。
「おい!土方!!」
「いいから聞けって!!!」
「「「!!」」」
 いつも以上に真剣な声色に三人は彼を見やる。
「確かに、最初は遊び半分だった。・・だからこそ後悔してるし・・だからこそ!俺達が知りえた情報を警察に、・・そして動画にするべきなんじゃねぇか!?ヤツがホントに危険だって!!」
 土方なりに後悔して、その上で責任を取りたい。
 つまりはそういうことなのだろう。
「頼む!!!」
 そう頭を下げる彼をみて、三人は目を見合わせそして、
「ま?ひじかっちゃんがそーゆータイプなのは今に始まったことじゃないし?」
「ボ・・ボク・・すごく怖かった・・。他の人には傷ついてほしくない・・」
「言っても聞かねぇみてぇだし、付き合ってやるよ」
 なぜなら彼らは、仲間なのだから。

「ネームイーター」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「推理」の人気作品

コメント

コメントを書く