ネームイーター

河内三比呂

サイド シルバーな俺達・吉澤進

 翌日 AM2:11 日野市内某所脇道。

 吉澤は《ネームイーター》の事を知ろうとした罰だ、そうとしか思えなかった。
 息は切れ切れ、足はふらつくが、それでも止まるわけには行かなかった。
 背後から聞こえる声が、追いかけてくるソイツが叫ぶ。
「お前ノ名前ヲおしえろぉおおおおおお!!!!」
 白いコートの長身の人物。手にはバットが握られている。
(ネ・ネネ《ネームイーター》だ!!ボボボク達が、正体を探ろうとしたから!!
 殺しに・・殺され・・・)
「うぅ・・うっ・・!!だ、誰か・・助けてぇええ!!!!」
 必死に走り、そして、この道を選んだことを後悔した。
「そ・・そんな・・・・」
 吉澤の目前には壁があった。
 臆病でこそあれ、地元住民だ。普段の彼なら行き止まりに行くなんてことはない。
 だが今は深夜。元々街灯が少なめな上、背後からは《ネームイーター》が迫っている。
 正常な判断などできるはずがなかった。
「お前ノ名前はナーンダ?」
 振り返れば、そこにはバットを振り上げたヤツがいた。
「ひあああああああ!!!!!!!」
 もうダメだ。殺される。
 そう思った瞬間、腰が抜け尻もちをつく。
(・・終わっ・・)
「動くなー!警察だ!!!」
 光が照らされる。眩しさに目をつぶる。
「そっちに逃げたぞ!!追えぇええ!!!」
 何人もの人間が走り去っていくのが、わかる。
 自分は助かったのか?やや放心状態の吉澤に、最初に声を出した若い刑事が近づいてきた。
「だいじょぶ?ケガはない?名前はーって、今はやめといたほうがいーか?ね?」
 イタズラっぽく笑うと彼は警察手帳を掲げ、自慢げに名乗る。
「んじゃー僕から。僕は朝倉康平。超エースな刑事さ!」


 

「ネームイーター」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「推理」の人気作品

コメント

コメントを書く