ネームイーター

河内三比呂

サイド シルバーな俺達 2

 同日 AM11:13 日野市某所雑居ビル。

 やっぱりやめとけばよかった。
 出されたお茶を見つめながら北沢は隣で緊張した表情の吉澤を見る。
 結局、土方に押し切られた『シルバーな俺達』のメンバーはとりあえず、雑誌社を訪ねてみる事にした。
 ネット等からある程度情報を集めてみてはみたものの、やはり素人では報道されているような事しか得られず、
 正直手詰まりになってしまった。だったら、プロに聞こう。
 そう結論を出し、まずは土方が持っていた雑誌社に問い合わせた。
 どうせ断れるだろうと思っていた土方除くメンバーだったが、以外にもあっさりと許可がおり、現在に至る。
 ただし、小さなオフィスであることからじゃんけんで決めた代表、北沢と吉澤だけが会議室まできたのだが。
 ちなみに、土方と成瀬はビルの下で待機させている。

 数分後、一人の男性が現れた。
「いやーお待たせしてすまなかったね。よく来てくれたよ!私が、担当の堀内だ。よろしく!」
 フランクな雰囲気に、緊張が解けていくのがわかる。
「こちらこそお忙しいところすみません。北沢と言います。隣は・・」
「よ・・吉澤です。よろしくお願いします」
「よろしく。それで、今日は」
 内緒話でもするかのように声を潜めながら言う。
「《ネームイーター》の件だね?」

 《ネームイーター》

 この名前が出た瞬間、吉澤が息をのむ。彼は昔から、人一倍怖がりなのだ。
「はい、そうです。俺達、この事件を、ヤツを追いたいんです」
 正確には土方が、なのだがグッとこらえた。
 堀内は二人の様子を見て、優しく笑った。
「ははっ!若い頃を思い出すよ。私も君たちくらいだった時は・・と昔話はいらないか!では私が今この時点で話せることを話すとしよう。
 あー
 でも、その前に約束してほしい。あまり深入りはしないと。
 いいね?」
 顔を見合わせうなずくのを確認し、堀内は話し出した。

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