聖剣を抜いたのが僕でごめんなさい!
第二十五話 赤紙だよ!全員集合!
異世界に転生して5年になる。
最初は何もかもが真新しくて、新鮮だった。異国の地へ1人投げ出されたような気持ちにもなったけど元気過ぎる新しい母さんのお陰で寂しくは無かったし、前の世界のように暗くなる必要性も無かったから、すぐに明るく振る舞う事が出来た。ただ単に楽しかったのかもしれない。
聖剣を抜いてしまってから、リーンやゴトーさんに出会って魔人と戦ったりして、人生がちょっと狂ったけど、まあ楽しかった。
王都へ来て、無理矢理に王国騎士アカデミーに入学させられたが、前のようにいじめられる事も無くべルルのような同世代の友達もできたし、、ま、まあ楽しかった。
夏休みは部屋から出ないで読書を楽しむつもりなのに、毎年初日からリーンはやって来て『108の新魔法』とやらの実験台にさせられた、、それは本当に辛かった!
サイゴーさんの弟子になって、修行の毎日かと思えば、大人の飲み屋で泥酔する彼の介抱がメインである事が本当に辛かった!!
他より能力が低いのに、対人格闘負けなしというサプライズを決めてしまい、ついつい若獅子会議というバケモノ集団の第3席まで登りつめてしまったのが、マジでキツかった!!
ついでに風呂に入って無い時のサイゴーさんの体臭もマジでキツかった!!
これから『魔王討伐軍』の第一線へ放り込まれようとしてる感。
なんだろう。自然と目から水が溢れてくる。
「えっ、、ユタロウさん!何泣いちゃってるんですか!」
「ごめん、、何故か今これまでの出来事が走馬灯のように脳裏を駆け巡っていました、、」
「もうしゃんとして下さい!それでも若獅子会議の第3席ですか? 」
「俺はなーべルルみたいに実力で入った訳じゃないんだよー。運だよ?運!」
[べルル・コンテニュー]
入学時から付与魔法に長け、3年になる頃にはレートA級の魔獣討伐の常連になる。
現在、若獅子会議の第10席と兼任で魔導研究科の副講師も務めている。
「運も実力の内ですってば!ほら着きましたよ!」
見上げると目の前には今回の目的地であるローランド城が威厳たっぷりにそびえ立っている。
べルルが赤い紙の召集令状を取り出すと番兵は急に背筋を伸ばし、わかりやすく敬意を表し始めた。
「べルル様!ユタロウ様!長旅ご苦労様でした!中へお進み下さいませ!」
「だが断る!!」
「、、え、、あの、、えーと、」
「ほら番兵さんを困らせないで下さいー。すみません、、この人変なんです」
前の世界で言えば「この人変なんです」は志◯けんでお馴染みの最強の前フリだが、この世界では『志◯けん』と言うか概念が無いため、べルルは自分の事を本当に変な奴だと思ってるのかも知れない。
「何をまた泣きそうになってるんですか!行きますよ!」
とりあえずべルルについて行くがやはり気になる。
「なあ!俺は変じゃ無いよな? 」
「何を今更、、変ですよ!」
「嘘だよなー!だってこんなに普通じゃんかー!」
「自覚が無いのが更に痛々しいです、、」
「ちょっと待ってよーベルルー!」
「だいたいユタロウさんは、、、」
2人が城の中へ進み番兵からは見えなくなる。
番兵はまるで平和を確かめるように澄み切った青空を見上げた。
そこへ一匹の犬がトコトコやって来て程よい距離感を保ち少し踏ん張ったかと思うと、また直ぐにトコトコと歩き出した。
番兵はそこに残された茶色い物体を見つけると何故だか大声でこう叫んだ。
「だっ糞だー!」
偉大なコメディアンの概念が世界線を超えた奇跡の瞬間だった。
最初は何もかもが真新しくて、新鮮だった。異国の地へ1人投げ出されたような気持ちにもなったけど元気過ぎる新しい母さんのお陰で寂しくは無かったし、前の世界のように暗くなる必要性も無かったから、すぐに明るく振る舞う事が出来た。ただ単に楽しかったのかもしれない。
聖剣を抜いてしまってから、リーンやゴトーさんに出会って魔人と戦ったりして、人生がちょっと狂ったけど、まあ楽しかった。
王都へ来て、無理矢理に王国騎士アカデミーに入学させられたが、前のようにいじめられる事も無くべルルのような同世代の友達もできたし、、ま、まあ楽しかった。
夏休みは部屋から出ないで読書を楽しむつもりなのに、毎年初日からリーンはやって来て『108の新魔法』とやらの実験台にさせられた、、それは本当に辛かった!
サイゴーさんの弟子になって、修行の毎日かと思えば、大人の飲み屋で泥酔する彼の介抱がメインである事が本当に辛かった!!
他より能力が低いのに、対人格闘負けなしというサプライズを決めてしまい、ついつい若獅子会議というバケモノ集団の第3席まで登りつめてしまったのが、マジでキツかった!!
ついでに風呂に入って無い時のサイゴーさんの体臭もマジでキツかった!!
これから『魔王討伐軍』の第一線へ放り込まれようとしてる感。
なんだろう。自然と目から水が溢れてくる。
「えっ、、ユタロウさん!何泣いちゃってるんですか!」
「ごめん、、何故か今これまでの出来事が走馬灯のように脳裏を駆け巡っていました、、」
「もうしゃんとして下さい!それでも若獅子会議の第3席ですか? 」
「俺はなーべルルみたいに実力で入った訳じゃないんだよー。運だよ?運!」
[べルル・コンテニュー]
入学時から付与魔法に長け、3年になる頃にはレートA級の魔獣討伐の常連になる。
現在、若獅子会議の第10席と兼任で魔導研究科の副講師も務めている。
「運も実力の内ですってば!ほら着きましたよ!」
見上げると目の前には今回の目的地であるローランド城が威厳たっぷりにそびえ立っている。
べルルが赤い紙の召集令状を取り出すと番兵は急に背筋を伸ばし、わかりやすく敬意を表し始めた。
「べルル様!ユタロウ様!長旅ご苦労様でした!中へお進み下さいませ!」
「だが断る!!」
「、、え、、あの、、えーと、」
「ほら番兵さんを困らせないで下さいー。すみません、、この人変なんです」
前の世界で言えば「この人変なんです」は志◯けんでお馴染みの最強の前フリだが、この世界では『志◯けん』と言うか概念が無いため、べルルは自分の事を本当に変な奴だと思ってるのかも知れない。
「何をまた泣きそうになってるんですか!行きますよ!」
とりあえずべルルについて行くがやはり気になる。
「なあ!俺は変じゃ無いよな? 」
「何を今更、、変ですよ!」
「嘘だよなー!だってこんなに普通じゃんかー!」
「自覚が無いのが更に痛々しいです、、」
「ちょっと待ってよーベルルー!」
「だいたいユタロウさんは、、、」
2人が城の中へ進み番兵からは見えなくなる。
番兵はまるで平和を確かめるように澄み切った青空を見上げた。
そこへ一匹の犬がトコトコやって来て程よい距離感を保ち少し踏ん張ったかと思うと、また直ぐにトコトコと歩き出した。
番兵はそこに残された茶色い物体を見つけると何故だか大声でこう叫んだ。
「だっ糞だー!」
偉大なコメディアンの概念が世界線を超えた奇跡の瞬間だった。
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