人間不信様のハーレム世界
幻想的な森の中で
あの神からのメールで転送されたのは森の中。
だが普通の森ではない。木々の葉が光り輝いている何とも幻想的な森の中。
「なんだここ?」
「分かりません。ですが葉から天使と名乗っていた者の背中にあった翼と同じ魔力が感じられます」
「つまり奴らの根城がすぐ近くにあるってことか」
この木が一体どんな役割を担っているかは分からないがあんなものの魔力がそうあるとは思えない。
「では早速攻め落としに行くかの」
「待て。ミノスの魔力をここから感知するのは可能か?」
「はい。ですが二人は一緒に捕らわれているので発信機を辿ればいいのでは」
「あれを見てもそう思えるか?」
悠斗が指を差すとそこに落ちていたものをホグアは手にとって持ち上げた。
「杖だぁ。これ見たことある」
見たことあって当然だ。それはミノスが持っていた杖の片方。
「奴らの狙いはエルだ。わざわざ邪魔者を一緒に捕まえるとは思えないな」
「はうわ! じゃあ、もしやこれはあれっすか? 忘形見ってやつっすか⁉︎」
「どうだろうな。よく見てみると戦闘の痕跡はあるが……これは俺の予想だとまだ続いてるな」
もしミノスがやれたのならその死体があるか、証拠品を全て回収して何もないかで逆ならば大事にしていた杖をこんなところに置いていくわけがない。
ということは消去法でまだ戦闘は続いていると仮定出来る。
「つまり先に助けに行かないといけませんね」
エルはあの天使が求める力があるから命までは取られないだろうがミノスは違う。
「では誰か助けに行くしかないの。一番の適任者は……」
アリアの視線は自然とホグアへと向けられる。
「いや、ホグアはあの天使達を倒す為に必要だ。ミノスの救助はお前ら二人に任せる」
あの天使は空を飛ぶ。
対空は出来るがやはり飛べるか飛べないかではかなりの差がある。それを考慮してホグアは必要だ。
「しかし、悠斗様。それはあまりにも無謀では? こちらの救助は二人で事足りると思いますが敵陣に乗り込むのはそれが終わってからでも良いと思いますが」
「確かにその方が戦力が揃って心置きなくやれるだろうがあの天使は何か企んでいる。そしてそのキーはエル。邪魔者が来る前に実行に移すだろうな」
俺ならきっとそうする。
たとえ遠くの所へ逃げたとしてもこの世界には転移魔法などがある限りその程度は安心は出来ない。
急ぎ足で事を進めにかかるだろう。
「では同時進行をするしかないの。こちらは早々に終わらせて手助けに行くとしよう」
「ああ、頼む。だがあまり遅いと俺が全部独り占めしちまうぜ」
「それは困る。主の戦いを見て久しぶりに暴れてみたいと思っておるのじゃ」
ニヤッと鋭い牙を見せ、アリアは葉の光る木々の合間を縫って奥へと進んで行った。
「悠斗様、決して無茶はしないで下さい。もし悠斗様に何かあったら私……」
今にも泣きそうなレイア。
会った時とは随分と変わったな。最初から一緒にいてくれたこいつにもうこんな顔して欲しくない。
「心配すんな。俺は負けない」
ようやくここまで来た。
これまでの旅では幼馴染と再開したり、弟子をこの手で殺めたり……。それらを無駄にしないためにも仲間のためにも負けない。負けられない。
「それを聞いて安心しました。では私もこれで」
エルについているという発信機の位置を示すレーダーを受け取り、悠斗の前にはホグアだけが残った。
「二人とも行っちゃったっすね」
「ああ、ホグア。言っとくの忘れたが最初から本気でいくぞ」
そんな悠斗の突然の一言にホグアは驚くわけでもなく、いつもの明るい笑顔を浮かべてこう答えた。
「了解っす!」
だが普通の森ではない。木々の葉が光り輝いている何とも幻想的な森の中。
「なんだここ?」
「分かりません。ですが葉から天使と名乗っていた者の背中にあった翼と同じ魔力が感じられます」
「つまり奴らの根城がすぐ近くにあるってことか」
この木が一体どんな役割を担っているかは分からないがあんなものの魔力がそうあるとは思えない。
「では早速攻め落としに行くかの」
「待て。ミノスの魔力をここから感知するのは可能か?」
「はい。ですが二人は一緒に捕らわれているので発信機を辿ればいいのでは」
「あれを見てもそう思えるか?」
悠斗が指を差すとそこに落ちていたものをホグアは手にとって持ち上げた。
「杖だぁ。これ見たことある」
見たことあって当然だ。それはミノスが持っていた杖の片方。
「奴らの狙いはエルだ。わざわざ邪魔者を一緒に捕まえるとは思えないな」
「はうわ! じゃあ、もしやこれはあれっすか? 忘形見ってやつっすか⁉︎」
「どうだろうな。よく見てみると戦闘の痕跡はあるが……これは俺の予想だとまだ続いてるな」
もしミノスがやれたのならその死体があるか、証拠品を全て回収して何もないかで逆ならば大事にしていた杖をこんなところに置いていくわけがない。
ということは消去法でまだ戦闘は続いていると仮定出来る。
「つまり先に助けに行かないといけませんね」
エルはあの天使が求める力があるから命までは取られないだろうがミノスは違う。
「では誰か助けに行くしかないの。一番の適任者は……」
アリアの視線は自然とホグアへと向けられる。
「いや、ホグアはあの天使達を倒す為に必要だ。ミノスの救助はお前ら二人に任せる」
あの天使は空を飛ぶ。
対空は出来るがやはり飛べるか飛べないかではかなりの差がある。それを考慮してホグアは必要だ。
「しかし、悠斗様。それはあまりにも無謀では? こちらの救助は二人で事足りると思いますが敵陣に乗り込むのはそれが終わってからでも良いと思いますが」
「確かにその方が戦力が揃って心置きなくやれるだろうがあの天使は何か企んでいる。そしてそのキーはエル。邪魔者が来る前に実行に移すだろうな」
俺ならきっとそうする。
たとえ遠くの所へ逃げたとしてもこの世界には転移魔法などがある限りその程度は安心は出来ない。
急ぎ足で事を進めにかかるだろう。
「では同時進行をするしかないの。こちらは早々に終わらせて手助けに行くとしよう」
「ああ、頼む。だがあまり遅いと俺が全部独り占めしちまうぜ」
「それは困る。主の戦いを見て久しぶりに暴れてみたいと思っておるのじゃ」
ニヤッと鋭い牙を見せ、アリアは葉の光る木々の合間を縫って奥へと進んで行った。
「悠斗様、決して無茶はしないで下さい。もし悠斗様に何かあったら私……」
今にも泣きそうなレイア。
会った時とは随分と変わったな。最初から一緒にいてくれたこいつにもうこんな顔して欲しくない。
「心配すんな。俺は負けない」
ようやくここまで来た。
これまでの旅では幼馴染と再開したり、弟子をこの手で殺めたり……。それらを無駄にしないためにも仲間のためにも負けない。負けられない。
「それを聞いて安心しました。では私もこれで」
エルについているという発信機の位置を示すレーダーを受け取り、悠斗の前にはホグアだけが残った。
「二人とも行っちゃったっすね」
「ああ、ホグア。言っとくの忘れたが最初から本気でいくぞ」
そんな悠斗の突然の一言にホグアは驚くわけでもなく、いつもの明るい笑顔を浮かべてこう答えた。
「了解っす!」
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