人間不信様のハーレム世界
特別編 クリスマス
宿の食堂でみんなで集まって夕飯を食べていると何かを思い出したようにレイナが話し出した。
「悠斗様、どうやら今日はクリスマスという日らしいですよ」
「あ? この世界にもクリスマスってあるのか?」
ゲームではクリスマスイベントが毎年あったから似たようなものがあるのかもしれない。
ちなみに、悠斗はそのクリスマスイベントは貰えるアイテムが見た目が派手なのに性能はイマイチだったのであまり積極的には参加していない。
「いえ、悠斗様がいた世界ではの話です。こちらにそのような習慣はありません」
「なんじゃなんじゃ面白そうな話をしておるな。そのクリスマスというのはどんなものなんじゃ?」
「はい。なんでもサンタという赤い服を着た老人が一夜で世界中の子供たちに靴下の中にプレゼントを入れていくそうです」
「たった一夜でか! するとかなり速いんじゃろうな。一度勝負してみたいのう」
サンタとヴァンパイアの戦いってそれはシュールすぎて笑えない。
「やめてください。争いは争いしか生みませんよ」
少食なエルは既に食べ終えており、白い布で唇を拭いて何時ものように手を合わせる。
「説教はやめてくれ。朝には出発するんだから早く寝ろよ」
いつもは無口なエルだがこの時だけはやたら話が長いので悠斗は逃げるように階段をのぼって行った。
「……行きましたね」
「ああ、行ったようじゃ」
「ええ」
「ですね」
「ふぉ? みふなどぼしたの?」
レイナ、アリア、ミノス、エルが胸を撫で下ろしすと口いっぱいに肉を詰め込めたホグアが不思議そうに四人の顔を見渡した。
「食べ終わってから喋れ」
不機嫌気味のアリアに注意されたので口の中にあった大量の肉をゴクッという音を鳴らして飲み込んだ。
「ホグアさんには話していませんでしたね。実はクリスマスなので悠斗様にこれまでのお礼を込めてプレゼントを渡そうと計画してたんです」
何故ホグアだけに説明していないかというと、うっかり悠斗に言ってしまいそうだからで決して仲間外れとかそうゆうわけではない。
「喜ばせてあけたいんだけど……悠斗さんに何をあげたらいいか分からなくて困ってるの」
クリスマスという行事などやったことがないし、悠斗は彼女たちにこれが欲しいとかは一切言わないので今日の今まで何をプレゼントするか決まっていない。
「そこで皆で集まって作戦会議をしようというわけじゃ。では、早速始めよう。案のある者は発言してくれ
」
即座に手を挙げたのは皿の上に残っていたものを話をしている間にペロリと平らげたホグア。
「肉!」
「それはお前しか喜ばん」
挙手をする必要はないがエルが申し訳なさそうにそっと手を挙げた。
「十字架などどうでしょう?」
「神になる主には必要ない」
次に眼鏡を人差し指で押し上げてかけなおしたミノスが提案をする。
「私たちにしか渡せないものがいいのではないですか? 私たちはサンタさんより悠斗さんのことを知っているんですから」
「それもそうじゃが具体的にどんなものじゃ? もうあまり時間はないぞ」
「それなら各々悠斗様に感謝の心を伝えるために手紙を書いて渡すのはどうでしょう?」
さほど時間もかからないし、気持ちのこもったプレゼントとなる。
「うむ、それなら間に合う。急いで書くものを用意せい」
机の上にあるものを全て片付けて全員手に羽ペンを持ち、意識を用紙に集中した。
悠斗が起きて初めに見たのは机の上に置かれた五つの手紙。
「なんだこれは?」
それぞれ裏に名前が書いてあるので昨日、レイナがいきなりクリスマスの話を持ち出してきた理由にようやく気付いた。
レイナはパソコンで書いたような文字でアリアは赤い血のようなもので綴られていたりと、これを見ただけで誰が書いたか分かってしまう。
折角書いてくれので全てに目を通してみると共通してある言葉があった。
それは『ありがとう』だ。
小っ恥ずかしくてあいつらに言ったことはないが俺も感謝をしている。
「こちらこそだよ」
クリスマスが始まる前にもう欲しいものは手に入っていたのだ。
仲間という大切なものが。
「悠斗様、どうやら今日はクリスマスという日らしいですよ」
「あ? この世界にもクリスマスってあるのか?」
ゲームではクリスマスイベントが毎年あったから似たようなものがあるのかもしれない。
ちなみに、悠斗はそのクリスマスイベントは貰えるアイテムが見た目が派手なのに性能はイマイチだったのであまり積極的には参加していない。
「いえ、悠斗様がいた世界ではの話です。こちらにそのような習慣はありません」
「なんじゃなんじゃ面白そうな話をしておるな。そのクリスマスというのはどんなものなんじゃ?」
「はい。なんでもサンタという赤い服を着た老人が一夜で世界中の子供たちに靴下の中にプレゼントを入れていくそうです」
「たった一夜でか! するとかなり速いんじゃろうな。一度勝負してみたいのう」
サンタとヴァンパイアの戦いってそれはシュールすぎて笑えない。
「やめてください。争いは争いしか生みませんよ」
少食なエルは既に食べ終えており、白い布で唇を拭いて何時ものように手を合わせる。
「説教はやめてくれ。朝には出発するんだから早く寝ろよ」
いつもは無口なエルだがこの時だけはやたら話が長いので悠斗は逃げるように階段をのぼって行った。
「……行きましたね」
「ああ、行ったようじゃ」
「ええ」
「ですね」
「ふぉ? みふなどぼしたの?」
レイナ、アリア、ミノス、エルが胸を撫で下ろしすと口いっぱいに肉を詰め込めたホグアが不思議そうに四人の顔を見渡した。
「食べ終わってから喋れ」
不機嫌気味のアリアに注意されたので口の中にあった大量の肉をゴクッという音を鳴らして飲み込んだ。
「ホグアさんには話していませんでしたね。実はクリスマスなので悠斗様にこれまでのお礼を込めてプレゼントを渡そうと計画してたんです」
何故ホグアだけに説明していないかというと、うっかり悠斗に言ってしまいそうだからで決して仲間外れとかそうゆうわけではない。
「喜ばせてあけたいんだけど……悠斗さんに何をあげたらいいか分からなくて困ってるの」
クリスマスという行事などやったことがないし、悠斗は彼女たちにこれが欲しいとかは一切言わないので今日の今まで何をプレゼントするか決まっていない。
「そこで皆で集まって作戦会議をしようというわけじゃ。では、早速始めよう。案のある者は発言してくれ
」
即座に手を挙げたのは皿の上に残っていたものを話をしている間にペロリと平らげたホグア。
「肉!」
「それはお前しか喜ばん」
挙手をする必要はないがエルが申し訳なさそうにそっと手を挙げた。
「十字架などどうでしょう?」
「神になる主には必要ない」
次に眼鏡を人差し指で押し上げてかけなおしたミノスが提案をする。
「私たちにしか渡せないものがいいのではないですか? 私たちはサンタさんより悠斗さんのことを知っているんですから」
「それもそうじゃが具体的にどんなものじゃ? もうあまり時間はないぞ」
「それなら各々悠斗様に感謝の心を伝えるために手紙を書いて渡すのはどうでしょう?」
さほど時間もかからないし、気持ちのこもったプレゼントとなる。
「うむ、それなら間に合う。急いで書くものを用意せい」
机の上にあるものを全て片付けて全員手に羽ペンを持ち、意識を用紙に集中した。
悠斗が起きて初めに見たのは机の上に置かれた五つの手紙。
「なんだこれは?」
それぞれ裏に名前が書いてあるので昨日、レイナがいきなりクリスマスの話を持ち出してきた理由にようやく気付いた。
レイナはパソコンで書いたような文字でアリアは赤い血のようなもので綴られていたりと、これを見ただけで誰が書いたか分かってしまう。
折角書いてくれので全てに目を通してみると共通してある言葉があった。
それは『ありがとう』だ。
小っ恥ずかしくてあいつらに言ったことはないが俺も感謝をしている。
「こちらこそだよ」
クリスマスが始まる前にもう欲しいものは手に入っていたのだ。
仲間という大切なものが。
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