人間不信様のハーレム世界
捜索開始
「……遅いですね」
悠斗が積極的な二人から逃げた後、レイナだけは寝ずに戻って来るのではと思っていたが何時間待っても変わらずホグアのイビキだけが洞窟中に響いている。
気になって外に出てオラスの側で寝ているのではと確かめてみたが影も形もない。
「あの、オラスさん。就寝中申し訳ないのですが悠斗様が何処にいらっしゃるか知りませんか?」
「確か海の方に向かって行ったかの〜」
硬い鱗をノックして起こさせて質問すると眠そうに答えた。
「そうですか。ありがとうございました」
オラスの証言を元に海に向かい辺りを見渡して探すがやはり悠斗はいない。
代わりに見つかったのは悠斗が愛用していた剣、エストリア。
「皆さん大変です‼︎」
すぐさま洞窟内に戻って眠りについた仲間たちを叩き落とした。
「主が誘拐されたじゃと⁉︎」
レイナからの解釈に驚いたのは夜行性で寝ていなくても平気なアリアだった。
「その可能性が高いです。悠斗様が武器を置いて何処かへ行くなんてありませんし」
「でも誰にっすか? この島は無人島なんっすよ」
「それはワシが確認しておる。間違いないじゃろ」
悠斗の命令でこの島に異形や他の参加者たちがいないかオラスがくまなく探したが生き物すらいなかった。
「これも私の推論なのですが悠斗様は海からきた何者かに連れさられたのではないでしょうか? 異形には海に生息するものも多数存在しますし、それならここに剣があったことも頷けます」
状況判断に過ぎないがこれがレイナが思いついた確率の高い流れだ。
「なら海を優先的に探すしかないが一体誰が行く? 主が死ぬことはあり得んがこの中で潜水ができる者など……」
ホグアは翼が濡れてしまうし、オラスに関しては論外。
「私が行きます。水深も大したことありませんし、この中では私以外た潜れる人はいないでしょうから」
「しかし主の場所は分かるのか。この広大な海から人一人を見つけるなど至難の技だろう」
「それについては絆リングの力を使います。こちらから願えば赤い糸が悠斗様の物に飛んで行きますからそれを辿ればいいだけです」
そうすれば悠斗の方も探していることに気づいてくれるはず。
夜でも糸は輝いて見やすいし、レイナの目は暗視ゴーグルと同じような仕組みで暗闇でも問題はない。
「すいません。レイナさんが大丈夫でも悠斗さんは周りが暗くて困っているかもしれません。なので魔法を飛ばす時間をくれませんか?」
推定だが悠斗がいると思われるのは水の中。それもいるとしたら深いところ。
岩の形すらも分からなくなるほど真っ暗で動くことも叶わないのかもしれない。
「ほう、眼鏡っ娘よ。ちゃんと魔法は使えるのだろうな。口だけなら誰でも言えるぞ」
「か、確信はありませんが大丈夫です。今の私には悠斗さんに貰った勇気があります」
劣等生と呼ばれたミノスだが悠斗の役に立ちたいという気持ちだけは負けたくはない。
「分かった。そこまで言えるなら文句はない。好きなだけやってよいぞ」
これはあくまで確認だ。ミノスが本当に自分の意思で言い、偽りの言葉ではないことの。
「はい! では……」
片方の杖は腰にさして残ったもう一本を空に掲げた。
「迷える我らに救済の光を」
呪文の詠唱が終わると杖から光の玉が出てきてフヨフヨと海の中へと消えて行った。
「なんだ上手くいったではないか。劣等生と聞いていたが大丈夫なようだな。だが少しばかり小さくはないか?もっとでっかいものを期待していたのだが」
「この魔法はあの光球が破裂して周りを照らす為のものです。悠斗さんが海にいるならここでするより少し海の底で破裂させた方がいいですから」
「なるほどそれならもうすぐ明るくなるのか。それは楽しみだな」
「おいらも楽しみっす」
緊張感のない彼女たちはウキウキしながら光球が消えた海を見つめる。
「来たっす!」
ポッと海の底が光るのを確認したホグアは同時に言葉を口に出していた。
しかし、その後光は海だけではなく孤島までも包んだ。
「うがぁぁぁぁぁ〜〜〜〜‼︎ 目が、目が焼けるように痛いぞ。眼鏡っ娘め、謀ったな」
あまりの眩しさに目を押さえてももがき苦しむアリアは涙目でこうなった原因である魔道士を睨みつける。
魔道士は自分の魔法で傷つかないのでミノスは何ともない。
「ち、違いますよ。魔法に失敗したんです。やっぱり私は駄目ですね」
「でもこれで明るくなったっす。逆に良かったんじゃないすか?」
「そうですね。これで探索がしやすくなりました」
何故か他の二人も平然としている。まるで先ほど起きた光の爆発が嘘のようだ。
「竜人の目は丈夫っすからね」
「具体的には竜人や竜にある網膜は瞬時に光の調節ができるようです。ちなみに私は念のために視覚を切断していたので平気でした」
つまりまともにくらったのはアリアだけだったのだ。それに彼女はヴァンパイアでずっと洞窟内の城に引きこもっていたなものあって光にはめっぽう弱い。
「では私はこれより悠斗様の救出に向かいますので皆さんはここで待機していてください。すぐに戻ります」
それだけ言い残すと防水対策バッチリの機械少女は昼間のように明るい中、海の底へと進んで行った。
悠斗が積極的な二人から逃げた後、レイナだけは寝ずに戻って来るのではと思っていたが何時間待っても変わらずホグアのイビキだけが洞窟中に響いている。
気になって外に出てオラスの側で寝ているのではと確かめてみたが影も形もない。
「あの、オラスさん。就寝中申し訳ないのですが悠斗様が何処にいらっしゃるか知りませんか?」
「確か海の方に向かって行ったかの〜」
硬い鱗をノックして起こさせて質問すると眠そうに答えた。
「そうですか。ありがとうございました」
オラスの証言を元に海に向かい辺りを見渡して探すがやはり悠斗はいない。
代わりに見つかったのは悠斗が愛用していた剣、エストリア。
「皆さん大変です‼︎」
すぐさま洞窟内に戻って眠りについた仲間たちを叩き落とした。
「主が誘拐されたじゃと⁉︎」
レイナからの解釈に驚いたのは夜行性で寝ていなくても平気なアリアだった。
「その可能性が高いです。悠斗様が武器を置いて何処かへ行くなんてありませんし」
「でも誰にっすか? この島は無人島なんっすよ」
「それはワシが確認しておる。間違いないじゃろ」
悠斗の命令でこの島に異形や他の参加者たちがいないかオラスがくまなく探したが生き物すらいなかった。
「これも私の推論なのですが悠斗様は海からきた何者かに連れさられたのではないでしょうか? 異形には海に生息するものも多数存在しますし、それならここに剣があったことも頷けます」
状況判断に過ぎないがこれがレイナが思いついた確率の高い流れだ。
「なら海を優先的に探すしかないが一体誰が行く? 主が死ぬことはあり得んがこの中で潜水ができる者など……」
ホグアは翼が濡れてしまうし、オラスに関しては論外。
「私が行きます。水深も大したことありませんし、この中では私以外た潜れる人はいないでしょうから」
「しかし主の場所は分かるのか。この広大な海から人一人を見つけるなど至難の技だろう」
「それについては絆リングの力を使います。こちらから願えば赤い糸が悠斗様の物に飛んで行きますからそれを辿ればいいだけです」
そうすれば悠斗の方も探していることに気づいてくれるはず。
夜でも糸は輝いて見やすいし、レイナの目は暗視ゴーグルと同じような仕組みで暗闇でも問題はない。
「すいません。レイナさんが大丈夫でも悠斗さんは周りが暗くて困っているかもしれません。なので魔法を飛ばす時間をくれませんか?」
推定だが悠斗がいると思われるのは水の中。それもいるとしたら深いところ。
岩の形すらも分からなくなるほど真っ暗で動くことも叶わないのかもしれない。
「ほう、眼鏡っ娘よ。ちゃんと魔法は使えるのだろうな。口だけなら誰でも言えるぞ」
「か、確信はありませんが大丈夫です。今の私には悠斗さんに貰った勇気があります」
劣等生と呼ばれたミノスだが悠斗の役に立ちたいという気持ちだけは負けたくはない。
「分かった。そこまで言えるなら文句はない。好きなだけやってよいぞ」
これはあくまで確認だ。ミノスが本当に自分の意思で言い、偽りの言葉ではないことの。
「はい! では……」
片方の杖は腰にさして残ったもう一本を空に掲げた。
「迷える我らに救済の光を」
呪文の詠唱が終わると杖から光の玉が出てきてフヨフヨと海の中へと消えて行った。
「なんだ上手くいったではないか。劣等生と聞いていたが大丈夫なようだな。だが少しばかり小さくはないか?もっとでっかいものを期待していたのだが」
「この魔法はあの光球が破裂して周りを照らす為のものです。悠斗さんが海にいるならここでするより少し海の底で破裂させた方がいいですから」
「なるほどそれならもうすぐ明るくなるのか。それは楽しみだな」
「おいらも楽しみっす」
緊張感のない彼女たちはウキウキしながら光球が消えた海を見つめる。
「来たっす!」
ポッと海の底が光るのを確認したホグアは同時に言葉を口に出していた。
しかし、その後光は海だけではなく孤島までも包んだ。
「うがぁぁぁぁぁ〜〜〜〜‼︎ 目が、目が焼けるように痛いぞ。眼鏡っ娘め、謀ったな」
あまりの眩しさに目を押さえてももがき苦しむアリアは涙目でこうなった原因である魔道士を睨みつける。
魔道士は自分の魔法で傷つかないのでミノスは何ともない。
「ち、違いますよ。魔法に失敗したんです。やっぱり私は駄目ですね」
「でもこれで明るくなったっす。逆に良かったんじゃないすか?」
「そうですね。これで探索がしやすくなりました」
何故か他の二人も平然としている。まるで先ほど起きた光の爆発が嘘のようだ。
「竜人の目は丈夫っすからね」
「具体的には竜人や竜にある網膜は瞬時に光の調節ができるようです。ちなみに私は念のために視覚を切断していたので平気でした」
つまりまともにくらったのはアリアだけだったのだ。それに彼女はヴァンパイアでずっと洞窟内の城に引きこもっていたなものあって光にはめっぽう弱い。
「では私はこれより悠斗様の救出に向かいますので皆さんはここで待機していてください。すぐに戻ります」
それだけ言い残すと防水対策バッチリの機械少女は昼間のように明るい中、海の底へと進んで行った。
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