奴ら(許嫁+幼馴染諸々)が我が家に引っ越してきたのだが…

和銅修一

妹と幼馴染

 我が妹、天坂 華蓮が会社の諸事情により長期休暇となって帰って来ることになったのだが里沙以外とは初対面で今朝は自己紹介をする為に全員リビングに集まっていた。
「里沙ちゃんはいいけど、許嫁はここに住む必要ないと思う」
 許嫁なのは仕方ないとしているらいのだが、華蓮は何故か八恵がここにいるのを怒っている。
「いいえ未来の妹さん。私は許嫁として未来の旦那様である興様がどんな生活を送っているか確かめる必要があるんです!」
 そういえば八恵が引っ越して来てから良く物がなくなっている気がする。
 歯ブラシとかパンツとか……気のせいだろうか?
「必要ありません。八恵ちゃんは少し自粛するのをオススメしちゃいます」
「ちゃ、ちゃん?」
「すまんな。こいつは年上だろうと必ずちゃん付けなんだ」
 それが先生だろうとお構いなしなのだ。
 テレビに出ている時もその癖はなおらず、サングラスをかけた有名なおじさんをちゃん付けした時は汗が吹き出したものだ。
「それと、魅雨ちゃん。家出して来たって聞きましたけどここじゃなきゃダメなんですか?」
 もう怒っているわけではないが理由を聞かないと納得しないらしい。
「友人に迷惑をかけるわけにもいかないし、ホテルに泊まろうにもお金がないからな」
 だからといって興が説得した後には着替えなどの荷物一式が届いてベッドなどは八恵が用意してくれたので家に帰るわけにもいかない。
「う〜む、お兄ちゃんのハーレムがこうも自然に構成されるなんて……お兄ちゃんは神ですか!」
「落ち着け、ただの男子高校生だ。とにかく、そうゆう事でこいつらと一緒に住んでるからお前もルールは守れよ」
「お兄ちゃんが言うなら守るけど…」
「なら俺は友和の家に遊びに行くから華蓮は皆と仲良くしてろよ」
 別にここにいてもする事ないし、友和とは前から約束していた。それに今回は妹がいるから気兼ねなく外出できるので俺は久しぶりに清々しい気分で外に出た。
「ふぅ、お兄ちゃん行っちゃいましたね。そうだ、里沙ちゃんってあの事聞いてる?」
「え? あの事って?」
「やだな〜病院が赤ちゃんを間違えたから私が妹じゃないって事」
「な、なんでそれ知ってるの?」
 それは私と八恵さんしか知らないはずなのにと驚いたが、よくよく考えると本人が知らされてないはずがない。
「む、華蓮が妹ではないのなら一体誰が本当の妹なのだ?」
「それは決まってるじゃん。里沙ちゃんだよ。それ以外誰がいるって言うの魅雨ちゃん」
「んん? つまりは幼馴染の里沙は幼馴染ではなく本当は妹で、華蓮は妹ではない……ということか?」
 頭がこんがらがってきたがつまりはそうゆう事らしい。
「まるでドラマみたいね。でも私的にはどちらが妹でも構わないわ。むしろ両方妹でも構わないわ」
「それはちょっと意味不明です八恵ちゃん。とにかく、お兄ちゃんもこの事知ってるはずだよね〜。なのにあの態度は何? 折角こうして遊びに来てあげたのに〜」
 ちょっと残念、と口を尖らせる。
「あ〜、そのね華蓮ちゃん。興くんは多分その話聞いてないみたいだよ。どうやらおじさんが言い忘れたらしくて私の方に電話があったの」
 何故本人に言わないかと聞いたら「こっちの方が面白いから」というわけで、里沙は結局興にそのことを話せず本当に面白いことになってしまった。
「へーそうなんだ。じゃあ、お兄ちゃんはまだ私のこと妹だと思ってるんだ」
 複雑な表情で俯いてため息をついた。
「貴方は妹でありたいの? それとも……」
「ん? 何言ってるの八恵ちゃん。お兄ちゃんはお兄ちゃんだよ。たとえ私が本人の妹じゃなくてもね」
 今更それを変えようだなんて思わない。
 ただ、今まで通り一緒にいたいだけ。

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