ラブコメで幼馴染が報われない法則について
第1話 ラブコメで幼馴染が報われない法則について
俺はとんでもない真理を発見してしまった。
とあるラブコメ作家を目指している男子高校生は震えていた。その堪え難い真実に。
そして決心した。
真実に負けないと。
絶対に二人を幸せにしてみせると。
俺の名前は東雲 蓮。
突然だが俺には二人の幼馴染がいる。
「おはよー蓮! 可愛い幼馴染が起こしに来たよ。起きて起きて」
こんな朝早くに幼馴染にありがちな行動の一つ、勝手に部屋に入って来て起こしに来るというものを実践しているこいつは雛坂 恵。
ショートボブが良く似合う茶髪の幼馴染。
「はいはい。起きる。起きるから揺するのをやめてくれ」
いつも元気溌剌で人懐こく、動物に例えると犬みたいな幼馴染だ。普段は部活で忙しく先に行ってしまうが、今日は始業式だからこうして起こしに来てくれた。
とりあえず、布団から抜け出して支度を終えてから下に行くと先に朝食を食べていたので急いで口に押し込んで牛乳で一気に飲み込む。
恵は体育会系だからか食べるのが異様に早い。置いて行かれないように颯爽と済ませていつもの通学路を歩く。
「ふふ〜ん。今日は朝練がなくて蓮と一緒に登校できるから変な感じ」
「そうか? 大体一緒だから俺はそうは思わないけど」
「も〜、蓮はデリカシーがないな〜。そんなのだと女の子に嫌われちゃうよ」
「別に良いよ。俺にはお前らがいるし」
可愛い幼馴染が二人もいるんだ。それ以上を望んだらバチが当たる。
「ふぇぇ⁉︎ ああ、うん……そうだね」
急に大人しくなる恵。
そこから口数が激減して妙な空気になったがそのまま学校に着いてしまった。
学校の玄関にクラス替えの結果が張り出されていてそれを見た恵は喜びの声をあげる。
「あ! また同じクラスだよ蓮。ほら、葵も」
「これで何年連続だ? もはや何かの陰謀じゃないかと思えてくるな」
小学生から二人の幼馴染とはいつも同じクラスで親よりも一緒にいる時間が長い。別に嫌というわけではなく、むしろ嬉しいがやはりこんな偶然が続くと恐ろしくなってくる。
「まあまあ、いいじゃん。ほら教室に行こ」
引っ張られて教室に行くとそこには見慣れた顔が集まっていた。どうやら一年次とそれほど変わっていないようで担任も変わっていないのでクラス替えした気がしない。
そうこうしているうちに始業式。
校長やら生徒会長から新入生へ言葉を送る。ちなみにその隣に立っている鷺宮 葵がもう一人の幼馴染だ。
二年生ながら生徒会長から指名されて副会長として活躍している。
成績優秀で品行方正。非の打ち所がない彼女が壇上に立つとざわめき始めた。特に男子が。
艶やかな黒髪にモデルのようなスレンダーな体格。容姿鍛錬とは正に彼女のためにある言葉ーーと俺の友人が賞賛していたほどだ。
見惚れてしまうのも無理はない。
葵のおかげで無事に始業式が終わり、俺たちの高校二年生としての生活が始まった。
そして俺の計画も動き始める。
ラブコメで幼馴染が報われないという法則。
俺が多くのラブコメを読んで気づいたこの法則。実際に幼馴染が二人もいる身としてはこの法則は見過ごせない。
二人だけは俺が幸せにしようと練りに練ったこの計画。しかし、それは始業式の一カ月後に現れた謎の転校生によって大きく揺らいだ。
とあるラブコメ作家を目指している男子高校生は震えていた。その堪え難い真実に。
そして決心した。
真実に負けないと。
絶対に二人を幸せにしてみせると。
俺の名前は東雲 蓮。
突然だが俺には二人の幼馴染がいる。
「おはよー蓮! 可愛い幼馴染が起こしに来たよ。起きて起きて」
こんな朝早くに幼馴染にありがちな行動の一つ、勝手に部屋に入って来て起こしに来るというものを実践しているこいつは雛坂 恵。
ショートボブが良く似合う茶髪の幼馴染。
「はいはい。起きる。起きるから揺するのをやめてくれ」
いつも元気溌剌で人懐こく、動物に例えると犬みたいな幼馴染だ。普段は部活で忙しく先に行ってしまうが、今日は始業式だからこうして起こしに来てくれた。
とりあえず、布団から抜け出して支度を終えてから下に行くと先に朝食を食べていたので急いで口に押し込んで牛乳で一気に飲み込む。
恵は体育会系だからか食べるのが異様に早い。置いて行かれないように颯爽と済ませていつもの通学路を歩く。
「ふふ〜ん。今日は朝練がなくて蓮と一緒に登校できるから変な感じ」
「そうか? 大体一緒だから俺はそうは思わないけど」
「も〜、蓮はデリカシーがないな〜。そんなのだと女の子に嫌われちゃうよ」
「別に良いよ。俺にはお前らがいるし」
可愛い幼馴染が二人もいるんだ。それ以上を望んだらバチが当たる。
「ふぇぇ⁉︎ ああ、うん……そうだね」
急に大人しくなる恵。
そこから口数が激減して妙な空気になったがそのまま学校に着いてしまった。
学校の玄関にクラス替えの結果が張り出されていてそれを見た恵は喜びの声をあげる。
「あ! また同じクラスだよ蓮。ほら、葵も」
「これで何年連続だ? もはや何かの陰謀じゃないかと思えてくるな」
小学生から二人の幼馴染とはいつも同じクラスで親よりも一緒にいる時間が長い。別に嫌というわけではなく、むしろ嬉しいがやはりこんな偶然が続くと恐ろしくなってくる。
「まあまあ、いいじゃん。ほら教室に行こ」
引っ張られて教室に行くとそこには見慣れた顔が集まっていた。どうやら一年次とそれほど変わっていないようで担任も変わっていないのでクラス替えした気がしない。
そうこうしているうちに始業式。
校長やら生徒会長から新入生へ言葉を送る。ちなみにその隣に立っている鷺宮 葵がもう一人の幼馴染だ。
二年生ながら生徒会長から指名されて副会長として活躍している。
成績優秀で品行方正。非の打ち所がない彼女が壇上に立つとざわめき始めた。特に男子が。
艶やかな黒髪にモデルのようなスレンダーな体格。容姿鍛錬とは正に彼女のためにある言葉ーーと俺の友人が賞賛していたほどだ。
見惚れてしまうのも無理はない。
葵のおかげで無事に始業式が終わり、俺たちの高校二年生としての生活が始まった。
そして俺の計画も動き始める。
ラブコメで幼馴染が報われないという法則。
俺が多くのラブコメを読んで気づいたこの法則。実際に幼馴染が二人もいる身としてはこの法則は見過ごせない。
二人だけは俺が幸せにしようと練りに練ったこの計画。しかし、それは始業式の一カ月後に現れた謎の転校生によって大きく揺らいだ。
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