村人から世界最強の魔王へ

金田拓也

21記憶

ベルフェゴールはゆっくり振り返る。
ベルフェゴール「とんだ化け物みたいな奴だな。…あんたが噂の魔王さんか?」
ベルフェゴールは、木から手を放し、一度ため息をつくと、
ベルフェゴール「一日に二度も俺っちの魔法が無効化されっちまう相手に会うなんてついてねぇぜ。あぁ、クソめんどくせぇ」
そう言って後ろ頭を掻く。
そして、数秒の沈黙の後、ふっと笑うと
ベルフェゴールは静かに拳を構えた。
ベルフェゴール「本当は、めんどくせぇ近接戦なんかやりたかぁねぇってのに…これでも、魔王軍幹部、七人が一人!最後ぐらいめんどくせぇが、足掻かせてもらうぜ!」
それに悠人は一歩前に出る。
悠人「ルシフェル。手を出すなよ。ベルフェゴールお前の名を覚えておこう。」



闘技場を一人離れ、ポケットに手を入れて歩いていると、やけに人通りの少ない場所にいた。ぼぉーっとしていたとは言え、こんな人通りの少ない場所に入ったつもりはない。だが、結果としてこうなっている。
「誰だぁ?何処いやがる!
すると、物陰に動きがあり、そちらを注意深く観察する。
「ごめんなさい。私一度言ったしまったことは、守るようにしているの。」
そこに現れた人物を見つめ
「へぇ?俺をどうするつもりなんだ?あ?」
と楽しげにニヤニヤと笑った。


ルシフェルは魔王を見つめ、
ルシフェル「任務遂行ですね。早く戻りましょう。後片付けは私がやっておきます。」
そう言うと、ルシフェルの足元に転がっていた肉片が異臭を放ち出す。
それに顔をしかめ、とりあえず闘技場に向かった。
数秒後ルシフェルは、横に並ぶと、
ルシフェル「少しよろしいでしょうか?」
それに悠人は足を止め、ルシフェルを見る。
悠人「どうした?急だな。」
ルシフェル「ご自身の村の名前、覚えてますか?」
その突然の問いに首を傾げながら
悠人「?村の名前?俺の村の名前はー」
しかし、それ以上言葉が出ることはなかった。先程まで言おうとした名前がどうしても思い出せない。なにか、白い靄がかかっているような気がする。その様子をルシフェルは見つめ
ルシフェル「では、母親の名前は?」
悠人「母さんの名前はー」
やはり思い出せない。それどころか、母さんのー。
ルシフェル「母親の顔は?」
分からない。覚えてない。
一体何故。
ルシフェル「やはりですか…。実は私もです。私も昔の記憶はスパンッと消えてしまっているのです。何かあると思いませんか?」

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