村人から世界最強の魔王へ

金田拓也

10大会当日

退屈だ。ひどく退屈だ。下を見ると、なにやらこの大会での注意事項を言っているのだが、何をどうしたらこれだけのことを伝えるのにそんなに長く喋っていられるのかと言う程話している男をコロッセオの二階から見下ろしている。
やっと、その男の説明が終わり、トーナメント式の対戦表が空中に表示される。それをぼんやり見つめていると、
アリス「ふふ。ひどい顔をしているわよ」
と言われ、横を見るとアリスが微笑みを浮かべながらこちらを見ていた。
悠人「顔は余計だ。ルーカスは?」
ルシフェル「お呼びですか?」
と、ルシフェルが近づいて来たのが分かった。
それに悠人は聞こえるかわからないほどの小声で
悠人「動きはあったか?」
ルシフェル「今のところはまだ」
悠人「分かった。いつでも動けるように準備しておけ」
それにルシフェルは頷きその場を離れていった。
 それをアリスは見計らったかのように発言をしてきた。
アリス「色々と忙しいのね」
悠人「お前のせいでもあるんだぞ」
と、冗談気味に言ったが、アリスは右手で左腕を触りながら気まずげに
アリス「ごめんなさい」
と言った。
どうやらこの間のことをまだ気にしていたようだ。
意外と繊細なアリスを見て、小さい時から変わってないなと思い少し可笑しくなって笑うと、アリスは、笑われたことに困惑していると、
悠人「いや、繊細なんだなと思って。変わってないなエリナ」
アリス「馬鹿にしているのかしら」
とアリスはそっぽを向いたがその頬が赤くなっているのを悠人は見逃さなかった。
「む?おぉ!悠人よ。こんなとこにおったのか!」
と、聞き覚えのある声が聞こえそちらを見やると、そこにはミナとゆながいた。
悠人「ミナとゆなか。あと、真冬バレてるぞ」
と悠人の死角から忍び寄る真冬に言うと、
真冬「な!?なぜ分かったの?」
真冬は、驚きを隠しきれないというような様子を見せた。しばらく考えるような仕草をした後
真冬「私の思考を読んだ?」
首を傾げながら裾を引っ張って聞いてきたのを無視して
悠人「お前らは何しにきたんだ?」
と聞くとゆなが
ゆな「何しにって試合を見るためと、警備よ」
と、当然のように返してきた。
悠人「お前らここの生徒なのか?」
ゆな「え?知らなかったの?」
悠人「でも、お前らこの前の魔族の領地に行った時いなかったじゃねぇか」
真冬「私は行ったわ」
と無表情で胸を張る真冬を無視して、ゆなを見ると
ゆな「あぁ。森に行ってs級の魔族と遭遇したあれ?」
ゆなは思い出したように言葉を続け
ゆな「あれはね。選ばれた人だけだから」
と言うと、それに無視され続けた真冬が
真冬「正確には、A、 Bクラスから選ばれた人達とCクラスの全員があの作戦にに参加したの」
それに、しばらく考え込んでいると
ミナ「妾も仲間に入れよ。三人だけで話すでない!」
とミナが駄々をこね出し、ゆながミナをあやし始めたところで
アリス「悠人。試合が始まるみたいよ」
とアリスが話しかけてきた。
それにつられて下を見ると試合が始まっていてAクラスの男子生徒と Bクラスの男子生徒が戦っていた。その戦況は、一方的と言わざるおえなかった。Aクラスの生徒の実力は相当高かった。あの時のガーゴイルに襲われた生徒とは比較出来ないほどのものだった。
もしかすると、あの時に選ばれた者達は死んでも問題のない生徒達なのかもしれない。
と悠人が考えているとミナがこちらにきて顔を覗き込むように顔を近づけてきて
ミナ「何を難しい顔をしておるのじゃ?」
悠人「ん?そんな顔をしていたのか。すまない。少し緊張しているのかもしれない」
それにミナはなにやら思いついたような顔をすると、突然悠人の右手を両手で包んできた。
ミナ「どうじゃ?楽になったか?」
と笑顔で聞いてきた。
悠人「あ、あぁ。もう落ち着いた大丈夫だ」
と、言うとアリスが反応して

アリス「悠人…何か言いたいことがあるなら聞いてあげるけど」
とこちらを睨みながら言ってきた。
悠人「…なぜお前が怒ってるんだ?」
と聞くとアリスはにっこり笑うと、悠人の額に指先を当てた。衝撃が頭に直接送られてきたような感覚がありそこで悠人の記憶は途切れた。
目がさめると、仰向けに倒れていた。上体を起こすと、ゆながかかんでこちらを見つめて
ゆな「悠人大丈夫?」
と心配そうにこちらを見てきた。
悠人「あぁ。簡単な衝撃魔法だからな」
と言って、アリスを見ると
アリス「、、飲み物を買ってくるわ」
アリスはそう言うと、何処かへ歩いて言ってしまった。
ゆなはアリスが歩いていくのを確認して
ゆな「悠人も鈍感で悪いけど、エリナさんもやり過ぎだね。でも、倒れた悠人の顔をずっと見てたよ。多分反省してるんだと思うから怒らないであげて」
と言ってきた。それならあとで謝りに行かないとなと思いながら立ち、試合の様子を見ると新しく金髪の爽やかな男子生徒が入ってきた。その瞬間会場から歓声が聞こえた。その様子を見ていると
真冬「三年の生徒会長。一ノ瀬 雪斗」
と真冬が説明をしてきた。
なるほど。こいつが生徒会長か。
と思い、試合に視線を動かすと開始の合図がなった。

「村人から世界最強の魔王へ」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「冒険」の人気作品

コメント

コメントを書く