村人から世界最強の魔王へ

金田拓也

5接触

突然声をかけられ慌ててそちらを見る。そこには、緑色の髪で首には、赤いマフラーを巻いておりいまいち表情が読めない端正な顔立ちをしている人形のような女が立っていた。
俺はこの5年間かなり鍛えた。そんな簡単に背後を取られ、声をかけられるまで気づかないはずがない。この女の力か。間違いなく危険だと思っていると。
真冬「驚いた?」と聞いてきたので
俺は、少し警戒しながら
悠人「あぁ、驚いた。あんたは?」と言った。
?「、、、、真冬よ。あなたの名前は?」
真冬?何処かで聞いたような名前だな。あれは何処だっけ?と思っていると真冬がこちらを凝視しているのに気づいて
悠人「悠人だ。で、何の用だ?」と答えた。
真冬「あなた…何?」
悠人「…」
真冬「親は貴族?」
悠人「何故そんな事を聞く?」
真冬「興味があるから」
それに悠人は、警戒の色をさらに強めた。
俺に接触して来たこの女が“敵”である可能性は、十二分にある。周りは敵ばかりだが、雰囲気でこいつがどれだけ強いのかは、理解できた。
真冬「私もう時間。また、話しましょ」
そう言って相変わらず無表情の少女真冬は、何処かへと行ってしまった。そして、背後から、人が近づいてくるのが分かる。振り返ると
黒髪ロングの女が何かを持って近づいて来た。
?「あの!わ、わ、私同じCクラスの天野結衣って言います。も  もし、よかったらこれどうぞ!」
と言って弁当が入った袋をくれた。渡した直後に、物凄いスピードで何処かに言ってしまった。一人残された悠人はその弁当を開け食べながら
悠人「なんだったんだ?いったい」
アリス「えぇ。そうね。一体なんだったのでしょうね」
弁当を持って来たアリスが物凄い怖い笑顔で立っていた。
アリス「まさかとは思うのだけれど、私の弁当を忘れてたなんて言わないわよね」
と、弁当を捨てようとするアリスに
悠人「はぁ、待てエリナ。早まるな」
それにアリスはこめかみを抑えた
アリス「まったくもってあなたは。?そう言えばルースは、まだ戻ってないのかしら」
悠人「あぁ、まだだな。」
ルシフェル「遅くなり申し訳ございません。悠人」
悠人「おぉ、ルースどこ行ってたんだ?」
ルシフェル「お手洗いが見つからず探し回っておりました」
と言いながらルシフェルは、席に着いた。
もちろん、ここにいる俺らはそれが嘘だと理解した。だから深く詮索しなかったが恐らく偵察だろう。
アリス「さぁ、いただきましょうか
悠人「あぁ、食うか」
休憩時間が終わり、ようやく本格的な攻略に入るようだった。
紅蓮「ここからは、魔族と遭遇する可能性がある」
その言葉に。ある生徒達は、俺らはそんなに警戒しないで大丈夫だろ。むしろ警戒すべきなのは捨て駒のCクラスの生徒が役に立たないことだろ?ギャハハ、お前それ捨て駒に失礼だろ?あいつらならに頑張ってるのによ捨て駒役を。ギャハハハハ
と、Aクラスの男子生徒達がこちらを見ながら馬鹿にしていた。
アリスとルシフェルは、目を細め
アリス「品がありませんね」
ルシフェル「同意します」
と、ルシフェルがアリスに賛同してゴミを見るような目で見ていた。
悠人「エリス、ルース、あまり見るな」
と一応言うと、
分かってますと二人は口を揃えて言った。
すると、坂木が横に来て
坂木「あのAクラスどもが、絶対見返してやる。なぁ、悠人」
それに悠人のは、坂木を見ながら
悠人「何故話しかけてくる?」
坂木「はぁ!・・・何言ってんだか。俺らが友達だからだろ?」
悠人「お前とそんな仲になった覚えはないぞ?」
坂木「な!?ひでぇよ。一度でも、話したらダチだろ?」
そう言う坂木を無視して先に進んだ。
紅蓮「ここからは、一団体に分かれ所定の場所の薬草をとってきてもらう。危険な場合は、退避するように」
と指示が出た。俺の団体はAクラスの生徒が6人Bクラスの生徒が10人Cクラスが14人となった。
「捨て駒が14人かまぁ。頑張ろうぜ」
「あぁ、そうだな」
「そう言えば聞いたか?勇者が来てるらしいぜ」
「嘘つくなよ。そんな訳ねぇだろ?」
などと、話しをしていた。
アリス「悠人、おかしいわ」
悠人「?何がだ?」
アリス「この場所は、ガーゴイルの餌場が近くにあるはずよ」
悠人「ガーゴイルの餌場?勝てるか?」
それにルシフェルは、目を細めながら
ルシフェル「数にもよりますが、今は、まだ授業を受けてませんし、攻撃魔法が使えるかどうかのレベルですので厳しいかと」
だとしたら妙だ。ここらが目的地のはずだ。餌場?もし、俺らが餌だとすると、それを上げているのは人間?だいたいこの遠征は“人数”がおかしいのだ。それともこれらは考え過ぎか?
ギャァァァァァ!
と悲鳴が聞こえた。
Aクラス1「なんだ!?魔族か!行こうぜお前ら」
とAクラスの生徒は、走って行き、それを見た悠人は
悠人「ルース 、エリナ」
二人は、頷き声の聞こえた方向に走った。
走ってすぐのところで異臭がした。
ルシフェル「血のにおいですね」
と横からルシフェルが低い声で言った。
茂みに隠れてそっと覗くと
あたりは血 血 血で埋め尽くされていた。頭のおかしくなった絵描きが赤で殴り書きしているようだった。そして、その中心に沢山の肉とそれに群がるガーゴイルで埋め尽くされていた。30匹は、いるだろう。すると突然Aクラスの生徒達が茂みから出たかと思うと
Aクラス1「“火の精霊よ、敵を燃やせ” …死ね!クズども」
と詠唱し、火の魔法をガーゴイルに放った。
火の魔法が一匹のガーゴイルにあたり、その周りも燃えて死んだ。が、それだけだった。
次の瞬間、ガーゴイルの群れは標的をAクラスの生徒に変えて、魔法を唱える時間もなくAクラスの生徒達は食われていった。聞こえるのは咀嚼音と腕や手がちぎれる音と、森中に響くかと思うほどの断末魔だけだった。
痛い痛い痛いいだい!あぁぁぁぁぁあああ!
結局のところ人間と魔族では戦力差がありすぎるのだ。Aクラスといってもたいした魔法もまだ教えてもらっていないだろうからこの程度だろう。
するとそこでいやぁぁぁぁぁ!と一人の生徒が声を出した。そこには、俺に弁当をくれた天野結衣が立っていた。声を出した事によりガーゴイルの群れの一角が彼女を見た。そして、彼女に飛びかかった。
これで彼女は終わりだ。食い殺されて死ぬだろう。俺はそれを黙って見ていた。ここで助けるのは馬鹿のする事で・・・と思考していると、考えがいい訳のようになっていることに気づき、自分が助けたいと思ってる事に驚いた。何もできない弱かった頃の少年の悠人は、いや、人間だった頃の俺はもう死んだ。俺があの頃と比べてどう変わったのか
悠人「やるか」
と悠人は、呟いた。

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