神々に育てられた人の子は最強です

Solar

魔力の怖さ

 
 サーナス様から送られてきた手紙を開くと、そこにはこう書いてあった。

『日時は三日後。朝、一番最初に鳴る鐘と共に魔法学園クルウェントにて、足を運んでください。
 学園に着くと、教員の方の一人が案内に来てくれる筈です。なので、その方に従って下さい。
 後は、学園長が学校の説明をしてくれるので。
 それでは、よろしくお願いします』

 綺麗に、美しい字でそう書かれていた。

 さすがは王族だ。この世界にも王族が存在する。つまり、君主制があるという事だ。王族、貴族、平民と区別されている。
 恐らく、平民の多くは学校などに行けるお金を持っていない。家庭を支えることに手一杯の筈だ。だから、文字を書ける人も少ない筈。
 金を持っている王族や貴族は、小さい頃から家庭教師を雇い、それから学校に行かす。だからこれほど綺麗に字を書けるのだろう。

「そうか……。それにしても、三日後か……」

 被ってしまった。オークションの日と、教員になり、あいつらが生徒になる日が。また、もう一人分身を作らなければならないな。

 俺はそう思い、また、俺が生み出した空間に入る。
 すると、そこで繰り広げられていたのは、

「見てみて!私、ここまで出来るようになったよ!」
「私も私も!意外と簡単だったね!」
「うわぁーーい」
「あはははー!」

 飛び交う魔法と抉れる大地。

 水の球が現れ爆散し、風の刃は空間に作られた虚像の雲を切り刻む。

 風よりも速く進む光の光線は、大地に焦げ跡をつけて消えていく。

 晴れ晴れとしている空に似合わぬ雷は、小さくも鋭き槍となりて、草原の大地に突き刺さる。

 風に揺れる草たちは、炎によって燃やされる。その炎の勢いは収まることを知らず、最後はチリチリと大地に炎の赤みを残していく。

 そんなボロボロになった大地は、数十秒経つと元通り。

 それらを起こすは四人の少女。

 怪我を負えば、美しき輝きを放ちながら、その傷は癒えていく。

 俺の作り出した空間は、元の自然の形を忘れ、魔法によって染まっていた。
 たった四人の少女は、俺がいなかった十数分の間に、ここまで成長してしまったのだ。
 恐るべき成長速度。その速度は、俺と一緒に召喚されたあの勇者たちよりも、圧倒的なものだ。いや、速すぎる。
 どこまで成長したのだろうか?
 俺は気になり鑑定を行った。

【鑑定】

【名前】ハク
【種族】神獣族
【性別】女【年齢】1歳未満
【レベル】32
【HP】1037
【MP】692
【攻撃力】881
【魔攻力】697
【防御力】783
【魔防力】642
【俊敏力】730

 スキル
 飛翔    ブレス   魔力操作Lv6

 魔法
 火魔法Lv5   風魔法Lv4   光魔法Lv4


【名前】ルナ
【種族】神獣族
【性別】女【年齢】1歳未満
【レベル】33
【HP】994
【MP】751
【攻撃力】836
【魔攻力】704
【防御力】756
【魔防力】864
【俊敏力】821

 スキル
 噛み付く   気配察知(中)    魔力操作Lv6

 魔法
 水魔法Lv5   雷魔法Lv6


【名前】ネル
【種族】人族
【性別】女【年齢】15
【レベル】40
【称号】七星の勇者セブンスターの卵
【HP】304
【MP】384
【攻撃力】200
【魔攻力】320
【防御力】231
【魔防力】299
【俊敏力】211

 スキル
 隠蔽Lv4   気配察知Lv3   魔力操作Lv7   火魔法耐性Lv5    水魔法耐性Lv4

 魔法
 水魔法Lv7   土魔法Lv6   雷魔法Lv5   回復魔法Lv5

【名前】ルティー
【種族】エルフ族
【性別】女【年齢】15
【レベル】37
【称号】七星の勇者セブンスターの卵
【HP】388
【MP】478
【攻撃力】396
【魔攻力】421
【防御力】356
【魔防力】403
【俊敏力】390

 スキル
 隠蔽Lv4   気配察知Lv4   魔力操作Lv5   光魔法耐性Lv4    雷魔法耐性Lv4

 魔法
 風魔法Lv6    火魔法Lv5   地魔法Lv4


 ここまで成長しているとは……。この短時間で何故、魔力意外のステータスも上がっているのだ?
 それに、一番謎なのは、

 七星の勇者セブンスター……?

 七星の…勇者?

 勇者だと?

 クラスメイトあいつらが勇者ではないのか?
 それに七星と言うことは、他に五人いるということか?
 俺たち異世界人と魔物とこの世界の人達のステータスの差、新たに現れた七星の勇者セブンスターの存在。
 また、謎が増えてしまった。

「すごい凄い!この空間、すごく力が漲ってくる!」
「わかる!私も魔力が溢れだしてくるような……!」
「そうそう!」

 楽しそうに自分たちが成長していると実感していることを話すネルとルティー。
 ハクとルナは相変わらず走り回っている。しかし、ただ走り回っている訳じゃない。走りながら互いに向けて魔法を放ち、避けては放ちを繰り返している。

 あいつらの成長速度も異常だな。

 俺は少し苦笑いして、成長速度が異常な四人の少女と飛び交う魔法を止めるため、草原の中心に足を踏み出した。

 パリィン!パリィン!パリィン!パリィン!パリィン!パリィン!パリィン!

 幾つもの魔法を無効化した音に気づいた四人は、すぐにこちらを見つめる。

「シンヤ!凄いよ!この空間!」
「うん!自分でもビックリするほど成長したってわかる!」

 そう迫って来たネルとルティーの目は明らかに、狂気に染っていた。
 どうしてなのか考え、この状況で最も可能性があるものがわかったので、【魔眼】を発動した。
 そうだ。状況で最も可能性があるのは、魔力だ。
 その考えは当たっていたようで、ネルとルティーの脳には、相当な量の魔力が集まっていた。

「練習し過ぎだ、馬鹿が」

 俺は二人のうなじをトンッと手刀で叩く。
 二人の身体はだらんとなり、重力にそって、地面に倒れ伏せる。
 どうやら脳に魔力を集中させると、あのように狂乱してしまうようだ。いや、あの目は地球で言う麻薬で幻惑を見ている時や、テンションが上がっている時の人と同じようなものか。

「ハク、ルナ。この空間を閉じる。戻ってこい」
「はーい!」
「わかりました!」

 ハクとルナは疲れている様子がなく、こちらに先程と変わらないスピードで走ってくる。
 そんな二人を見て、俺はネルとルティーを抱え、空間を出た。それに続き、すぐにハクとルナも飛び出てくる。
 その様子を見た俺は、ネルとルティーをベットに寝転ばせる。
 そして、手のひらを前に出し、ゆっくりと握りしめていく。すると、俺が作り出した空間が、手の動きに合わせてゆっくりと中心に回転していき消えてった。

「今日の魔法の練習は終わりだ。ネルとルティーは今日はもう身体が動かないはずだから、ハクとルナは休憩したら、俺と体術の練習だ」
「うん!」
「はい!」

 嬉しそうに返事をするハクとルナ。二人は体術の練習が始まるまで、身体を温めるために外で追いかけっこをしてた。
 休憩が終わると、また、消した空間を作り出す。中は先程と変わらない草原。
 この空間の中で練習を行うのだ。

「じゃあ、これから体術の練習を始める!」
「はい(です)!」
「まず、二人同時にかかってこい。武器を使っても、魔法を使っても、どんなことをしてもいい。一度でも俺に攻撃を当てられたら今日の練習は終了だ」
「はい(です)!」

 二人はそう言うと、ルナはももにセットしていた二本の短剣を取り、二人の脚の防具に付与している風の魔法が発動し、地面を蹴ると同時に足の裏から風が吹きスピードを上げる。

「えい!」
「やっ!」
「はっ!」
「ていっ!」

 右脚、左腕、右腕、左脚、次々と短剣を振り、ガントレットを付けた腕や脚を繰り出す二人の少女。
 その顔はさっきの追いかけっこをしていた楽しそうな顔ではなく、真剣な表情だ。
 途切れることなく攻撃は続く。
 俺はそんな攻撃を受け流し、避け続ける。

 すると、俺たちのいる空間に霧が発生した。

 その霧が晴れると、草原だった空間内は、草は消え、多くの岩が立ち並ぶ場所に変わっていた。
 そう、今回作った空間は、さっきのずっと草原だけの空間ではなく、一定の時間が経つと別の空間に移り変わるという別物だ。

 っと、そんなことよりも、二人のスピードが急激に上がった。
 よく見てみると、ルナの腕と脚が元の狼ものに戻っている。
 とすると、ハクも同じか。
 二人は身体の一部を元の狼と竜の姿に変える部分変化を行っているため、通常の何倍ものスピードになっていた。

 地形を見て、立ち並ぶ岩を蹴って突撃したり、気配を消して岩の裏に姿を隠し、不意打ちを狙え時もある。
 いい感じだ。

 それから数時間。ローマンがご飯の時間を教えに来てくれていたが、ハクとルナはそれに気づかず攻撃を続けていたため、ご飯を食べず体術の練習を続けた。

「お前ら、一定のスピード攻め続けるのは敵もなれるぞ。たまに緩急をつけて敵の不意をつけ。他にもーーー」

 こんな感じで、反省点を教えてやり、空間を出た時にはもう、日はくれていたのだった。



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コメント

  • 本大好き{デアラ}

    薬やってそー

    2
  • ノベルバユーザー169748

    いや、地球にも王族は存在するんですけど...

    1
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