海の声
116.3人の帰り道
暗い廊下を無言で歩いた。
実際には無数の蛍光灯によって明るく照らされているのだが、今の俺には暗く長い廊下に思えた。
エレベーターを降りてガラリとしたロビーを抜ける。
病院の外はすっかり陽が沈み、街灯の光が輝いていた。
自動ドアが開き、夏の香りがする生温い風がフワッと俺たちを包み込んだ。
『なんとかなるよね?』
美雨が俺を見上げて小さく呟く。
「なんとかする、絶対。」
『ウンっ、私も早く美雨ちゃんと普通に話したいしっ。頑張るッ!!』
すると海美が大きく息を吸い込んで…
『ゼッタイ戻るぞーッッッッッッッ!!』
その声のせいか、たまたまなのか、送迎レーン脇の大きな木から蝉が飛び立った。
すると…
『今…海美ねぇの声が聞こえた気がした。』
そう言って目を見開き、耳に手を当てる美雨。
その美雨に海美が歩み寄り、耳元で『美雨ちゃん待っててねッ!!』と、めいいっぱい叫んでいる。
その声は美雨には聞こえていないようで、俺は目をつぶって耳をすましている美雨に近寄って、めいいっぱい叫んだ。
「美雨ちゃん待っててね!!だってよ!!」
…キラキラと輝く街灯が並ぶまっすぐな道を3人の笑い声が彩っていく。
『てかさっきのはマジ無いからッ!!』
「しょーがねーだろ?海美が一生懸命そう言ってたんだから。」
インターロッキングが敷き並べられた綺麗な歩道を3つの足音が連なる。
それをしっかりと耳に刻みつつ、遠くに見える宝石みたいな港の光を見ながら本題を口にする。
「海美はどうすれば元に戻れるんだろーな。」
『うん…どーしよーこれから。』
すると海美がボソッと『やっぱり呪いとかなのかな…』なんて言い出した。
実際には無数の蛍光灯によって明るく照らされているのだが、今の俺には暗く長い廊下に思えた。
エレベーターを降りてガラリとしたロビーを抜ける。
病院の外はすっかり陽が沈み、街灯の光が輝いていた。
自動ドアが開き、夏の香りがする生温い風がフワッと俺たちを包み込んだ。
『なんとかなるよね?』
美雨が俺を見上げて小さく呟く。
「なんとかする、絶対。」
『ウンっ、私も早く美雨ちゃんと普通に話したいしっ。頑張るッ!!』
すると海美が大きく息を吸い込んで…
『ゼッタイ戻るぞーッッッッッッッ!!』
その声のせいか、たまたまなのか、送迎レーン脇の大きな木から蝉が飛び立った。
すると…
『今…海美ねぇの声が聞こえた気がした。』
そう言って目を見開き、耳に手を当てる美雨。
その美雨に海美が歩み寄り、耳元で『美雨ちゃん待っててねッ!!』と、めいいっぱい叫んでいる。
その声は美雨には聞こえていないようで、俺は目をつぶって耳をすましている美雨に近寄って、めいいっぱい叫んだ。
「美雨ちゃん待っててね!!だってよ!!」
…キラキラと輝く街灯が並ぶまっすぐな道を3人の笑い声が彩っていく。
『てかさっきのはマジ無いからッ!!』
「しょーがねーだろ?海美が一生懸命そう言ってたんだから。」
インターロッキングが敷き並べられた綺麗な歩道を3つの足音が連なる。
それをしっかりと耳に刻みつつ、遠くに見える宝石みたいな港の光を見ながら本題を口にする。
「海美はどうすれば元に戻れるんだろーな。」
『うん…どーしよーこれから。』
すると海美がボソッと『やっぱり呪いとかなのかな…』なんて言い出した。
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コメント
漆湯講義
コメ本当にありがとうございます(。>ω<。)ノ
イメージと違っていたら申し訳無いですが、私の中の美雨を表現したつもりですwww
いつも読んで下さって本当にありがとうございますッ(。^ω^。)
毎日励まされてますwww
あいす/Aisu
ミツキ>>それ!美雨…かわいい…