海の声
107.青、銀、緑。
古びた船内にはプラスチック製の椅子がいくつも並んでおり、一応"漁船"では無いようだ。
『おっちゃんこんにちわ!!』
すると運転席へと座るおじさんに美雨が声を掛けた。年季の入った帽子を被り、"GO to 沖洲!!"というよく分からないプリントがされたTシャツと短パン姿のおじさんはかりんとうのように真っ黒に日焼けしていて、運転手さんというよりも漁師さんみたいだ。
『おぅ美雨ちゃん、久しぶりだなぁ!!今日はカレシとお出掛けけぇ??』
真っ黒な顔に真っ白な歯が輝く。子供のような笑顔のおじさんは絵に描いたような"島の人"ってカンジ。
『えっ?うん♪まぁそんなとこッ。よろしくねッ!!』
『こっちこそよろしくなぁ。それじゃぁ客もいんででるでなぁ。』
するとエンジンが掛かりゆっくりと船が進み出す。
同時に伝わる不規則な揺れが"あの悪夢"を思い出させた。
「わりぃ俺船苦手だったんだった…酔い止めとか持ってないよな?」
『まじ?それじゃぁ外出てるといいよ。ちょっとは楽だと思う。』
「さんきゅ。あ、海美は大丈夫なの?」
『えっ…分かんないッ、乗ったことないもん♪けど私も景色見たいから一緒に行こうかなっ♪』
「んじゃ、ちょっと外行くな。」
俺はそう言って手摺を掴みつつ船尾へと足を進めた。
暑いな…けどちょっとは楽かも。
気がつけば、既に島から少し沖合まで出ていて、真っ青な空の下、銀色に輝く水面にメレンゲのような線を描きつつ俺たちを乗せた船は進んでいく。
あれだけうるさかった蝉の鳴き声は次第に遠ざかり、沖洲の島がだんだんと小さくなっていく。
遠く離れた海の上から見る沖洲の島は、本当に何にも無くて…本当に綺麗だった。
、
『おっちゃんこんにちわ!!』
すると運転席へと座るおじさんに美雨が声を掛けた。年季の入った帽子を被り、"GO to 沖洲!!"というよく分からないプリントがされたTシャツと短パン姿のおじさんはかりんとうのように真っ黒に日焼けしていて、運転手さんというよりも漁師さんみたいだ。
『おぅ美雨ちゃん、久しぶりだなぁ!!今日はカレシとお出掛けけぇ??』
真っ黒な顔に真っ白な歯が輝く。子供のような笑顔のおじさんは絵に描いたような"島の人"ってカンジ。
『えっ?うん♪まぁそんなとこッ。よろしくねッ!!』
『こっちこそよろしくなぁ。それじゃぁ客もいんででるでなぁ。』
するとエンジンが掛かりゆっくりと船が進み出す。
同時に伝わる不規則な揺れが"あの悪夢"を思い出させた。
「わりぃ俺船苦手だったんだった…酔い止めとか持ってないよな?」
『まじ?それじゃぁ外出てるといいよ。ちょっとは楽だと思う。』
「さんきゅ。あ、海美は大丈夫なの?」
『えっ…分かんないッ、乗ったことないもん♪けど私も景色見たいから一緒に行こうかなっ♪』
「んじゃ、ちょっと外行くな。」
俺はそう言って手摺を掴みつつ船尾へと足を進めた。
暑いな…けどちょっとは楽かも。
気がつけば、既に島から少し沖合まで出ていて、真っ青な空の下、銀色に輝く水面にメレンゲのような線を描きつつ俺たちを乗せた船は進んでいく。
あれだけうるさかった蝉の鳴き声は次第に遠ざかり、沖洲の島がだんだんと小さくなっていく。
遠く離れた海の上から見る沖洲の島は、本当に何にも無くて…本当に綺麗だった。
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