海の声

ある

100.小悪魔のイタズラ

『なんでベッド??』

「だってそんなんダメだろ!!俺ここで布団の中隠れてるから着替え終わったら声かけてくれっ!!」

『ふふ♪分かったよ♪』

『海美ねぇ!!おっけー♪入っていいよッ。』

"ガチャ"とドアの開く音が聞こえ、俺の心臓が大太鼓を打ち鳴らすように高鳴り出す。
サラサラと布の擦れる音が布団の中にまで届く。
俺はこのまま爆発してしまうんじゃないかと思うほどにまで心臓が激しく鼓動している。

『いいよッ、お待たせッ。』

しかし俺は布団から出ることも出来ずに、この動悸のような胸の高鳴りを落ち着かせていた。

『セイジぃー?何やってんの?』

その言葉と同時に背中に"ズシン"と体重がかかる。

「やめろよ!!」

俺がそう言うと、意外にもあっさりと俺の上から美雨が退いた。

次の瞬間、『お邪魔しまーっす♪』という声と共に視界がパッと明るくなったかと思うと、黒い影が布団の中へと侵入してきた。

同時に心地よい香りがフワッと俺の鼻腔に届く。そして湿った髪が俺の頬に触れた時、俺はふと今の状況を理解してしまった。

咄嗟に俺は慌てて布団から出ようとしたが、不意に小さな手が俺の腕を掴んだ。
手首の少し上を、温かで、細く柔らかなモノが静かに圧をかけている。

『ねぇ、ドキドキする?』

小悪魔の様に囁かれた言葉に俺はハッとして身体が固まってしまう。それと反対に俺の心臓は水風船を激しく揺さぶる様に突然にそのスピードを上げた。

"すぐにココから出なきゃ"そう思うのだが、俺の心臓以外の機能は麻痺し、手足の感覚も無い。"なに言ってんだよ、ばーか"なんていつもの様に言えばいいだけなのに、なんでだろ…

すると、"ふふ♪"という美雨の声と同時に目の前が明るくなった。








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