海の声

漆湯講義

99.風呂あがり

部屋に戻り、父さんから貰った印刷された写真を机の上に置いた。

きっとコレを見て2人は俺のこと"凄い"って思うぞ。
そんな事を考えて2人の到着を待った。

"ガチャ"と音がして部屋のドアが開くと、少し濡れた髪の美雨が姿を現わした…んだが。

『あー気持ち良かったぁー♪なぁセイジぃ、この服ちょっと緩すぎない??』

そう言って首元をぷかぷかさせながら美雨が俺の隣へと座った。
俺は視線のやり場に困って横を向く。

『あっれー??なに??セイジぃ、この服胸元が緩いんですけどぉー??』

こいつおちょくってんのか…

「うるせーなしょうがないだろっ!!いいからそれやめろよ!!」

『だってぇー、こんな服着てたらセイジに何されるかワカンナイしぃ?どーしよっかなぁ??』

「お前が"2日も同じ服着させんの?"とか言うからだろ!!てか海美は??」

『ふふ♪海美ねぇはドアの外で待ってるよ??だってセイジの服だけが移動してるとこ見られたらマズイでしょ??』

「まぁそうだな………え?じゃぁ…海美って今…」

『すっぽんぽん♪だからヘンタイの目隠しする為にボクが先来たんじゃん♪』

それまずいだろ!!なんで全裸の女の子を部屋の前で立たせてんだよ!!いや、見えるのは俺だけ。そんなの分かってんだけどありえねーだろって!!

『だから早く着替え、出してよっ。海美ねぇかわいそーじゃん。』

お前が変なコトするからだろーが…

ってか海美も服変えんのか…じゃねーよ、冷静に考えて俺のパンツ履かせるとかありえねぇよ!!どーしよ!!なんかっ、ヤバい!!ワケわかんなくなってきたわ…

『…まだぁー??』

「あのっ、海美は俺のパンツ履かせるなんてダメだよな。その俺の…だし、男モンだし。」

『ボクにはフツーに履かせといてよく言うよ。』

「はぁっ?!お前も履いてんの?!俺のパンツ!!」

『自分で渡したんだろッ…ばか。』

そう言って美雨はズボンを少し捲ると俺のパンツを…って「ばかッッ!!何やってんだよ!!」

『誠司くん…あの…まだかな??』

部屋の外から海美の声が聞こえ、俺は恥ずかしさに押し潰されそうになりながらも着替えを用意してベッドへと駆け上がった。

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