蝶々結び

永麗

ー9ー



「白華さん、そこの資料
3部ずつ印刷してきてくれる?」


一つ上の先輩
紗希先輩
優しくて、いつも笑顔で
だけどしっかり怒ってくれる


「っはい!!」


あれ、コピー機ってどこだっけ。
とりあえず職員室に行ってみよう



「失礼します…。」


シーーーーーーーーーン…


誰もいないの?!?!


今は8時過ぎ、雰囲気は最悪


「コピー機って…、」


ガタッ


「ひぃっ…!!」


なに、なになに今の音おおお!!!


「んぁ、白華??」


????????????


「あ、あのぅ…。コピー機…
借りに来ただけなのでっ、」


「俺だよ、白華。」


うっすらと蛍光灯の光に照らされるのは
先生だった


「っわ!!!先生っ!いたんですっ「静かにしなきゃバレるよ。」」


まだ喋ってる途中なのに
口抑えなくても…。


「ふぁい…。」


「ほんで?こんな時間なのに
まだ帰ってないのはおかしいやろ?」


先生はきっとイライラしたり
心配したりすると関西弁が少し出る


「っと、先輩に印刷頼まれて…。」


ああ、とため息を付いて


「もうそれ沙希…、飯沼さんが
やってたはずやと思ったんやけど…。」


え。なに、今の…。


上手く声が出せない


どうして、どうして先輩の事を
呼び捨てにしようとしたの?


「そ、ですか…。」


俯くことしかできなくなって
逃げるように職員室を出る



「ちょっ!!!」



後から聞こえる先生の声を無視して










私はあなたにとってなんですか?





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