蝶々結び

永麗

ー8ー


それからは、よく分からない
けど、何か少しだけ特別な関係が
始まった


「白華??」


あれから、1週間が経った
まだあの余韻というか抜けなくて


親友の松田 志保(まつだ しほ)は
保育園からの幼馴染で
いつも私を引っ張ってくれる
お姉ちゃんのような存在


「ん?」


眉間に皺をよせる志保ちゃん
綺麗な顔が台無しだよ


「最近ずっと上の空だけど
なんかあったの?」


ギク…


「えっ、いや別になんというか
疲れてるのかも!!」


心配かけたくないから
言わないでおこうと決めたばかり


「まぁた、あんたの事だから
心配かけたくないって黙ってるの?」


誰エスパーに設定した人


「ごめん、バレバレだね(笑)」


やっぱり。と呆れる志保ちゃん


「実はね、部活の先生なんだけど…」


私は少し早口で志保ちゃんに
全部話した


「会えたんだね、白華。あの人に」


優しそうな目で私を見る志保ちゃんは
本当に可愛くて綺麗で


「うん、やっとね。だけど…。
今は教師と生徒、簡単には行かないよ」


そっか、と頭を撫でてくれる


「なんでこうなっちゃうかなぁ…っ、」


我慢している涙は簡単に溢れた


「白華…。大丈夫だから
あの人を信じな。」


「っ、く…。ぅ…、っ。」


何も言わずに志保ちゃんは
私をぎゅっとしてくれた


それからの授業はもちろんサボったとも。







キーンコーンカーンコーン



放課後…!!!


足早に部室へと向かう


「おはようござい…ま、す?」

あれ?誰も居ない


「なぁんだ、まだ来てないのか…。」


「そんなに会いたかった?」


耳元で突然囁かれる


「ひっあ!!!!」


途端に熱くなる身体と顔


「ななな!い、いつからそこに?!」


「君がスキップしながら
部室のドアを開けるところ後から見てた」


嘘でしょ、恥ずかしい…


「見てたんですか、、」


私が戸惑うと、悪戯に笑って


「そんなに会いたかったんだ?(笑)」


私の腕を引っ張って部室に連れ込み
遮光カーテンを素早く閉める


「そんなことっ、!!!
みんな来る前に早く準備をっ、!」


ふわりと優しく私を抱きしめて


「俺は会いたかったんだけど?」


大きな身体が男の人だと確信させる

人ってこんなに温かかったっけ…。



「…しも…、です、」


「ん??」


声を弾ませてる
聞こえてるくせに、、


「私も、会いたかったです。大輝先生」



「ばぁか。」









クシャッと笑うあなたを抱きしめたい



「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く