【銃】の暗殺者

ヨナ

3ヶ月/ギルドマスター



王都に来てから3ヶ月が経った。

店を買ってから暫くは闇ギルドで依頼を受けて生活費を稼いだ。通常の暗殺依頼を6件と条件付きの報酬がいい暗殺依頼を2件受けた。条件付きのは2つとも俺がやったが通常の暗殺依頼はシェリーがいくつかやった。どうやらシェリーはなかなか腕のいい暗殺者らしく危なげなく依頼をこなしていた。

シェリーも闇ギルドに登録しようかと思ったが奴隷は登録できないらしく断念した。まぁ、俺が依頼を受けてシェリーが手伝えばいいので別に問題はなかったが。


今の俺はすっかり煙管にハマっている。結構稼いだのでギルドで依頼を受ける必要がないので最近は店で煙管をふかしていることが多い。暫く吸っていてふと癌が心配になったので葉を改良することにした。

俺は煙管でふかす事自体を気に入っているので特にニコチン中毒というわけではないので葉を変えるのになんの問題もない。最近は果物の味が気に入っている。
どうやっているかというとカメレオンツリーという木を使っている。カメレオンツリーの特徴は無味無臭で周囲の影響を受けやすいのだ。その木の葉を果実から絞った果汁でつけて置くとその葉は果汁の色、匂い、味がするようになる。それを乾燥させて、刻んで、火をつけるのだ。
ダメ元でやったんだがこれが意外とうまかった。今は色々な果実で漬けている。因みに俺が試した中で一番まずかったのは肉汁で漬けたやつだった。思わず吐いてしまって、もう2度と作らないと決めるほどまずかった。


そうして俺は煙管の葉の開発をしているがシェリーは何をしているかというと字の勉強をしている。今はどうにか筆談で会話できるくらいになっている。それで驚愕の事実が判明した。なんとシェリーは30歳を超えているらしい。一瞬動揺したが娘であることに変わりわないので年齢なんてどうでもいいかと結論を出した。



店の方はどうかというとこの3ヶ月で来た客は10人程度しかいない。客が来ない理由は俺が非登録薬師だかららしい。

非登録薬師とは薬師ギルドに属していない薬師のことだ。ギルドに属して入ればそっちから仕事が回してもらえるし近隣の信頼も得やすい。登録していない俺は信用されていないというわけだ。

隠れ蓑として薬師をやっているだけなので客なんぞ来ない方がいいが一応登録だけしていくかと思って薬師ギルドに行ったのだが結局登録はしなかった。
理由は薬師ギルドのサブマスターだ。あいつは見るからに成金なデブでシェリーのことを性的な目で見やがった。だから登録せずにサッサと帰ってきたのだ。あいつがサブマスターの間は登録はありえないと思った。



後は特に何もなかった、、、、あ、いや、一度襲撃があった。全身甲冑の3人組に夜道で襲われたのだ。すぐに拳銃を召喚して殺そうとしたのだが甲冑を凹ますだけで殺すことができなかった。
俺は逃げるふりをしながら3人組を誘導して一本道の裏通りに誘い込み、違う銃を召喚した。

「パイファーツェリツカ」


世界最強の拳銃でデカすぎて依託射撃をしなければいけない。その代わりに象の頭をぶち抜くほどの威力を誇る。


ゴォンッ!

ゴォンッ!

ゴォンッ!


甲冑のヘルム毎3人の頭を続けてぶち抜く。
そしてすぐに銃と発射された弾を消して、死体をシェリーの影で飲み込む。その後すぐにシェリーを抱き上げて【隠密】を全開にしてその場をあとにした。検証した結果だが【隠密】は密着して入ればその人も含めて姿を消せるみたいだ。

あの後、パイファーツェリツカの威力が強すぎて建物に穴が開いたり、撃った時の音が周辺住民にバッチリ聞こえていたらしく、騒ぎになっていたが俺たちが疑われることはなかった。

襲撃犯だが顔も見えなかったし正体はわからない。しつこいシェリーの追っ手かもしれないし、登録を手酷く断った薬師ギルドかもしれない。まぁ、また来たら殺せばいいか。




「ふうん?ギルドマスターが呼んでる?」

闇ギルドに来たらそう言われた。来るたびにミーシャを指名しているので他のやつの名前は知らないがミーシャとはそこそこ仲良くなった。

「そうにゃ」
「ああ、わかった。どこだ?」
「着いてくるにゃ」


ミーシャの後に続いて奥に向かう。途中、いくつかの扉を通過したりしていたので警備は厳重なのだろう。



「ここにゃ」


ミーシャが立ち止まったのはいくつも同じ扉が並んでいる廊下の扉の1つだ。俺はノックして扉を開ける。


「ほう、『叡智』か」

中にいたのは1人の女性。褐色の肌に白銀の髪、紅い瞳、それに裏側の人間としての圧倒的な気配。ギルドマスターと言われて納得の人物だった。

「座りたまえ」
促されてソファに座る。

「私は闇ギルドのギルドマスター、ルシアという。初めましてだな、ジョン・スミス、シェリー・スミス」
「初めまして、お目にかかれて光栄だ」
コク

俺は冷静に返事を返すが俺の勘はガンガン警戒音を鳴らしている。魔の森で身につけた野生の勘が目の前の女の危険性を叫んでいる。すぐに銃を召喚できるようにして、逃げ道も把握する。シェリーにもすぐに影魔法を使えるように合図しておく。

「ふむ。そう警戒しないでほしい。今日は期待のルーキーと話をするために呼んだだけだ。
ところで『叡智』と言ったな?」

「ああ。俺が呼んだ物語の1つだ。

あるところに1人のダークエルフの女がいた。その女は永劫に近い知識を持ち数多の文明の技術を蓄えていた。その知識を多くのものが求めたがその女はすげなく断った。憤慨した人たちはその女を襲撃した。一般人、兵士、冒険者、軍隊、将軍、英雄、果ては国王までその女を狙った。しかし全ての技は通じず殺しに行っているのに戦闘中にアドバイスを受ける始末。誰も、国も勝つとこのできないその女は畏敬の念を込めて『叡智』と呼ばれたらしい。

そのダークエルフは褐色の肌に白銀の髪、紅い瞳を持っていたらしい。亜人種と呼ばれるお前達は強者にはその種族特有の特徴が現れるそうだな?それ故に強者は見た目が似るそうだ」

「ほう。博識だな。私もその物語は知っている。1000年前の実話だそうだ。ところで私は一体どれほどの時を生きてあると思う?」

ルシアはからかうように聞いてくる。長命種の強者なら1000年生きていてもおかしくないが、、、

「知らんな。女の年齢を言及すべきではないだろう?」
「ククッ、賢い選択だ」

「それで用はなんだ」
「最近王都に来た腕のいい若者を見たかったというのも嘘ではないが、まぁ、本題といこう」

ルシアはそこで一呼吸開ける。
重要な案件らしくピリッとした緊張感が流れる。




「三姫が君に会いたがっている」




確かに重要な案件で、、、歓迎できない案件だった。





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