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【銃】の暗殺者

ヨナ

暗殺



「じゃあ、やるか」
コク

俺達は今、中央区のお高い宿の一室にいる。依頼を受けてから5日目、今日が暗殺の決行日だ。
依頼を受けて翌日からターゲットの 調査に入った。ターゲットは典型的な悪投で日が暮れてから朝まで歓楽街で遊びまわり、朝になれば自宅に戻って眠る。そして昼過ぎに起きて店番と称して店員達に当たり散らす。
ここ数日、この繰り返しだった。

ターゲットの行動を調べるのは簡単だったので最初の1日だけやって後はシェリーに任せた。
俺が苦労したのはころすほうほうだ。もともとアイシスでの初依頼と同じくローブ越しにサイレンサー付きの銃で撃とうとしていたんだが王都は人が多すぎて狙いが定まらなかった。
だから予定を変更して狙撃することにしたんだがコレも狙撃ポイントの確保が難しかった。この世界の建物は殆どが1階建てか2階建てで高さがなかったのだ。一番いい場所は外壁だったのだが俺が使うM24の射程は800メートルでターゲットの店の前までは届かないのだ。

その結果、中央区にある高級宿の1つが3階建てだったのでそこを狙撃ポイントにした。一泊食事無しで銀貨10枚もかかる高級宿の3階で構えているのだ。因みにシェリーの分は俺の影に潜らせて誤魔化し、代金は払っていない。


狙撃は昼過ぎから夕方に掛けての商会にいる間。あそこは大通りに面しているため人通りも多いので"出来るだけ多くの人の前で"の条件も満たしているだろう。

時刻は昼過ぎ、そろそろ出てきてもいい頃だろう。
、、、、、、っと来たか。
起きがけに一発店員を殴っている。あそこの店員はタタル商会に借金があってやめるにやめられない奴だから言いなりなのだろう。

ターゲットが店の外に出た瞬間にやる。ターゲットだけを殺すタイミングが難しい。昼時間だからもともと多かった人通りがさらに多くなっている。射線にターゲット以外が入らないタイミングで撃たなければならない。






今!ダンッ


ヒット

ターゲットの頭が吹き飛び倒れる。一拍遅れて騒ぎが起きる。ここはターゲットの位置から600メートル離れているので騒ぎは聞こえないがスコープ越しに大変なことになっているのが見える。
まぁ、白昼で人が死ねばそうなるだろうな。


「シェリー、撤収だ」
コク
「今日はなんか美味いもんでも食べよう。ここ数日は簡単なものしか食ってなかったしな」
コク



と言って美味いものを探したが結局、屋台で好きなものを買うことになった。中央区でも貴族街にほど近いところではレストランのようなところがあるのだがドレスコードがあるらしく入店を断られた。全く酷い店だ。

ターゲットを尾行したり狙撃ポイントを探したりでここ数日はほとんど寝ていなかったのでシェリーと一緒に眠ることにした。依頼達成の報告は明日でいいだろう。




翌日
起きたら昼を過ぎていた。思ったよりも疲れていたのだろう。シェリーを起こして腹ごしらえをしたらギルドに向かう。


闇ギルドである娼館"蜘蛛の巣"に入ると先日の猫の獣人がいた。
「にゃ、おみゃ〜ら来たのかにゃ。ウチについてくるにゃ」
「ああ、よろしく頼む」
「ミーシャだにゃ」
「ん?」
「ウチの名前だにゃ。ウチだけ知ってるのも不公平だにゃ」
「そうだな」
そう言われて初めて名前を聞いていないことに気づいた。ギルドは依頼仲介所でしかないので特に名前を知らないことが気にならなかったんだろう。


「ジョンの依頼達成は確認済みだにゃ。あれだけ派手にやったら確認できない方が可笑しいけどにゃ〜」
「まぁ、そういう依頼だったからな」
「まずは報酬を渡しておくにゃ。金貨5枚だにゃ」
金貨5枚、、、情報料の銀貨2枚と狙撃ポイントの宿代の銀貨10枚を引いて金貨4枚と銀貨88枚の儲けか。1つの依頼でこの儲けはすごいな。


「次の依頼はどうするにゃ?」
「ん〜、取り敢えずいいや。その代わりこのギルドのことを教えてくれ」
「うにゃ?ギルドのこと?」
「ああ、何ができて何ができないのか、何が禁じられているのか、他にも色々あるだろう?」
「ああ、にゃるほど。任せるにゃ」


「まずはギルドで出来る事にゃ。依頼の斡旋、情報売買、訓練場貸し出し、同業者紹介かにゃ。にゃ、ちゃんと娼館としてもやってるからウチらとしっぽり愉しむことも出来るにゃ」
「ああ、そう。うちの子の教育に悪いからやめろ」
「うにゃん?子?娘だったのかにゃ、そういう趣味なのかと思ってたにゃ」
「な訳あるか」
うちの子を性的な目で見るとかブッ殺すぞ。

「うにゃん、後は注意事項にゃ。当然だけど依頼の失敗は自己責任にゃ。殺されてもウチらは知らないし捕まっても庇わないにゃ。それに牢獄でウチらのことを吐いたりしたらウチらが殺しに行くにゃ」
自己責任で秘密厳守な。まぁ、裏社会じゃ当然のことだな。
「禁止事項は情報漏洩以外は特にないにゃ。仲間内での殺し合いも好きにやってくれていいにゃ。死ねば弱い方が悪いにゃ」
「ふうん?わかった。まぁ、気をつけるさ」


「それで今日は遊んでいかないにゃん?」
ミーシャが俺の腕をとって胸を押し当ててくる。小遣い稼ぎ兼俺についての情報収集か。あわよくば溺れさせて駒にしようって感じかな。

ゴッ

「うにゃあ!」
俺がミーシャの行動を考察しているとミーシャが壁まで吹っ飛んだ。
「何するにゃ!」
鼻を押さえてミーシャが飛び起きる。どうやらシェリーがミーシャの顔面を殴り飛ばしたみたいだ。嫉妬か、可愛い奴め。
「シェリー、よしよし。いい子だからそこまでだ」
俺は頭を撫でてシェリーを抑える。

「あー、ミーシャもすまんな。よく言っとくからそう怒るな」
「うにゃ、まぁ、ウチも悪かったにゃ。娘なら父親の情事なんて見たくないにゃ。気遣いが足りなかったにゃ」
ミーシャはバツの悪そうな顔で謝る。
その後、どっちも気にしないことにしようということで別れた。


「シェリー、怒るのもわかるがいきなり殴っちゃダメだぞ?」
、、、、、コク
「渋々って感じだな。まぁ、殴りたくなったら腹にしておけ。顔は目立つからダメだ」
コク
「よし、いい子だ」



「あ、そうだ。明日は店を買おう。金もあるしそれほど大きな店を買うつもりはない。いつまでも宿暮らしだと金の消費が激しいからな」

そういうわけで、次回   店を買う!、、、なんちゃって












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