真祖への転生

MooN

オメガロドン


ルーシャ「なっ!もしかして、奴を追っているのですか?」

ミルシェ(ルナリア!なんか、変な所に食い付いて来たよ?)

ルナリア「(お嬢様ここは乗ってみましょう)ルーシャ様、多分その者でしょう」

ルーシャ「やはり!貴女程の者なら、もしかしたら奴を・・・私の許可なく海を荒らす厄介な魔物‘’海魔オメガロドン‘’を倒せるかも!・・・正直に言います!実は私はその魔物のせいでろくに食にありつけず困っていたのです!・・・魔物から逃げて来た先で、貴女の特殊な糸とやらに引っ掛かってしまったと言うことです、まぁ、しかしオメガロドンよりは‘’まだ‘’弱いですが!貴女の特殊な糸に掛かる位には強いと言うことです!」

ルナリアの嘘を真に受け、何とか威厳を保っていると思っているルーシャ・・・を他所に三人は密談を開始した。

ミルシェ(オメガドロン?何それ?)

ヴァン(オメガロドンですお嬢様、それにしてもルナリアさん?厄介な事をしてくれましたね?)

ルナリア( テヘペロ!彼女なら何とかやり過ごせると思ったのですが・・・予想外です!)

ヴァン(まったく・・・ルーシャ様は中々の強者で間違い無いでしょう、五年の月日でお嬢様は、ルナリアさんの力に近い所まで来ました、にも関わらず彼女はそのお嬢様より力が強い・・・そんな彼女より強いオメガロドンが、ルナリアさんよりも弱いなんて保証は無いのですよ?)

ルナリア(力が強い‘’だけ‘’でしょう?お嬢様と私は力だけの者には負けないわよ?)

ヴァン「(はぁ、まぁ良いです、次は私がお話させて貰います)えー、ルーシャ様、お待たせしてすいません、実は先程使った特殊な魔法の糸は一回しか使用できないのですよ、なのでその糸をもう一度持って来ないといけないので、この場は一旦引き上げようと思っています」

ルーシャ「そうなのか!いや、そうかあんなに強力な糸が何度も使える筈もないか・・・わかった!私も付いていこう!」

ヴァン「えっ!・・・いや、今から向かう場所は陸地となっていますが?」

ルーシャ「心配ない!私も魔法を使える!浮遊も出来るし、貴方達のように二本足に変化することも出来るわ!まぁ、海水は手離せないけど」

ミルシェとルナリアは自分達の事を棚上げして、ヴァンをジト目で見る

ヴァン(お嬢様、予想外です・・・テヘp)

なにかを口走ろうとしたヴァンはルナリアの鉄拳によって、海へと放り出された

ルナリア「言わせませんよっ!お嬢様を間違った方向へ導こうなんて従者の風上にもおけません!」

ミルシェ(・・なにも言うまい)

ルーシャ「なんだ?仲間割れか?」

そんなこんなで、ルーシャを連れて次の目的地に行く事になったミルシェ達、途中で瀕死のヴァンを拾い、陸地へと急ぐ

~数時間後~

ミルシェ「到着!どんなのが居るか楽しみだな~!」

ルーシャ「同胞が居るのではないのか?」

ミルシェ「え!あっ、あはは!冗談だよ冗談!み、皆元気かなぁ?」

ルナリア(お嬢様、後でお仕置きですね)ニッコリ

ミルシェ(ルナリアの目が怖い~、ヴァン助けて~!)

ヴァン「さて、ルーシャ様はこの場で待機してもらってもよろしいでしょうか?」

ミルシェ(あっ!見捨てられた)

ルーシャ「何故だ?」

ヴァン「実は、私達以外の同胞は皆弱いのですよ、なので慣れていないルーシャ様を見ただけでも気絶してしまうのです、そして弱いが故に天敵も多く、里を知られる訳には行かないのです!ルーシャ様は優しい方なので、サービスでこの場所までお連れした次第なのです」

ルーシャ「えへへ、それは仕方ないな!強く優しい私は、待つことも吝かではないぞ!」

ミルシェ(チョロインだ!)

ヴァンが航海中に考えた言い訳を鵜呑みにしたルーシャだった。

~ルーシャから離れ作戦会議中~

ミルシェ「陸地に来たのは良いけど、メガオドロンはどうするの?」

ヴァン「オメガロドンですお嬢様・・・まず海で闘うのはあり得ません、なので釣ろうと思います、ルーシャ様に聞いた所、オメガロドンは前世で言う鮫をかなり大きくした形状で、この辺りの海は奴の縄張りだそうです・・・なのでなるべく大きい餌で誘き寄せ、食い付いた所を皆で引っ張る、陸地に上げてしまえば所詮は魚です、どうとでもなるでしょう!」

ルナリア「そうですね!ではお嬢様!先程の罰として餌役をお願いします!」

ミルシェ「はぇ?」

ルナリア「可愛い子には時に試練を与えよと言う名言があった筈です!・・・それにお嬢様は全体的に赤くて目立ちますからね?」

ミルシェ「そんな迷言ないよ!仮にあったとしても鮫の餌にする親が居てたまるか!」

・・・・・・

ミルシェ「ばーか!ルナリアのばーか!ばーーーーか!」

陸地から歩いて数分の場所に、高さ100㍍位の崖があり、下を見れば海が見下ろせる絶景ポイント・・・の海と崖上の中間で血鎖に拘束されたミルシェがルナリアへの罵倒を叫んでいた。

ルナリア「必死に叫ぶお嬢様!・・・良い!」ゾクゾク

ルーシャ「お前達はミルシェの従者じゃなかったのか?」

ヴァン(お嬢様、強くなられて下さい!・・・ルナリアさんには逆らえません)

ミルシェが散々騒いでいると、海から巨大な影が近付いて来た!

ルーシャ「来た!あれがオメガロドンよ!」

ミルシェ(ヴァン!ルナリア!?大きいよ?オメガロドン!思った以上に大きいよ!?)

ヴァン(オメガドロンです、お嬢様!)

ルナリア(オメガロドンであってますよ?)

ヴァン(はっ!私としたことが、お嬢様が散々間違うから、また間違えたと思ってしまいました!失礼致しましたお嬢様!ほほほ)

ルナリア(ボケが始まってしまったのでは?うふふ)

ミルシェ「ばーか!ばーか!そんな事言ってる暇があったら、もうちょっと高度上げてよ!届くよ?あれ絶対私に届くよ?食べられちゃうよ!?」

叫んだ瞬間・・・「パクっ」海から跳び跳ねて来たオメガロドンにミルシェは丸呑みされていた。

ルーシャ「ミルシェーーーー!」

ルーシャだけの絶叫が海へと響き渡っていった。

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