神速の生まれ変わり

ユー

導き

遂にダンジョンに行く日になってしまった。
 不安が3割。楽しみが7割だ。今は皆訓練所に集められている。これから説明と移動だ。

「よし。勇者殿達は集まっているな。ではこれからダンジョンへ向かうが。以前言った通り、パーティで進んでもらう。階層は5階層までだ。ダンジョンには馬車で行く。10分程で着くからな。」

馬車何て初めて乗るな!パーティの件は関係無いから聞き流してー。5階層か、確か5階層までに出てくる魔物は、

・スライム
・ゴブリン
・コボルト
・ツノウサギ

の4体だったな。だが階層が下になるにつれて魔物のレベルも上がるらしい。
俺には荷が重いが、もし倒せたらレベルアップできるかもしれない。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

場所は変わって馬車の中だ。
馬車は思ってた以上に揺れて、酔っている人もいる。
頼むから目の前で吐かないでくれよ。
っと、そうこうしてる内に馬車が止まる。
どうやら着いたみたいだ。

「皆、降りてくれ。着いたぞ。」

皆はハーイと言いながら降りている。遠足かよ!
まぁ、騎士の人も5階層なら余裕でしょ、とか言っていたしね。

ダンジョンの入り口まで来た。ここで受付をしているらしい。

「ここで受付をしている。まだ勇者殿達は冒険者登録していないが、している場合はここでギルドカードを提示するんだ。」

へー!冒険者かー!俺も落ち着いたら入ってみようかな。というか、入れるのかな?
おっと、もう皆入り始めている。
入る前に装備の確認でもするか。

鉄の片手剣
鋼の盾
胸当て

だけだ。これは城から支給されたもので皆同じのだ。
だが、魔法を使う職業の人達は杖を持っている。
まだ、魔法は見たことないんだよなー。
火球とか出すのかね。
いつか俺も魔法を使ってみたいな。

とかなんとか思っているともうダンジョンの中だ。
ここは1階層か。というか、思ってたよりも明るい。
あの壁に埋まっている石が発光しているようだ。
――――――鑑定。

────────────

脈光石

空気中にある魔力を光に変換して発光している。

────────────

ほへー。脈光石というのかこの石は。
空気中にある魔力を変換って意思があるみたいだね。
石の意思ってな。
……皆待ってくれよー。

とかふざけていたら初の魔物にエンカウントした。
相手はスライムだ。意外と可愛い。

――――――鑑定。

────────────

スライム

魔物

レベル:1

体力:48

魔力:25

筋力:38

敏捷力:11

防御力:28

スキル

───────────────

これなら俺でも倒せそうだな。
倒そうかと思っていると、中澤が前に出てきた。
問い詰めようとしたが、声をかける前に手から炎をだして殴った。呆気なくスライムが死んだ。おそらく今使ったのはスキルで炎拳だろう。
とか分析してる場合じゃない!

「おい、今のは俺の獲物だろう?横取りするなよ。」

「はぁ〜?チンタラしてんのが悪いんだろ?」

まったく、俺が中澤に何か言ったら一々突っかかってくるのやめろや。
もう相手にするのすら面倒くさいので、スルーするー。

────────。

何か聞こえた気がしたが、そんなことはすぐに忘れてしまった。

今は3階層にいる。ここまでくると1人で倒すのは厳しくなってきた。魔物を倒してレベルは上がったが、上がるステータスが低過ぎて、話にならん。
はぁ、ここが俺の限界か……入り口に戻ろう。

────────。

ん?今なんか聞こえたような……。周りを見る。だがそこには誰もいない。自分だけだ。
じゃあ、誰が喋ったのだろうか。

────────来て。

ッ!この声。どこかで聞いたことがある。物凄い違和感だ。この声が大好きだ。この声を聴いていると癒される。この声は愛おしい。おかしい。聞いたことがある。だが誰の声か、全く検討もつかない。

────────早く。

まただ。来てとは、何処に。早くとは何故。そしてあんたは誰だ?俺が忘れているだけ?そもそも声の主は何処にいる?とりま、来てと言っているから行ってみよう。

────────待っているから。

近づくにつれて声が大きくなっていく。どうやら、この声は頭に直接きているらしい。

そうして暫く歩いた。そうすると、目の前に大きな扉がある、部屋に着いた。おそらくこの声は扉の奥に誘導したいのだろう。
少し怖いが、恐る恐る開ける。

そこには魔法陣が光り輝いていた。
もう声は聞こえない。ここに入れと言うことだろうか。

正直抵抗はある。こんな訳の分からない魔法陣に入るなんて怖すぎる。
だが、踏み込めと本能が囁いている。

そうして俺は魔法陣に入った。


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おかしい。私、深月 雪は困惑している。ダンジョン探索から1週間たった。それから速風君を見かけないのです。フェルガーさんに聞いても知らないと言ってます。何か隠しているに違いない!

コンコン

「翠ちゃん?ちょっといいかな?」

親友の浅井 翠に相談しました。

翠ちゃんは茶髪サイドダウンにした女子です。おっとり系で頭が良いです。

「ねぇ、翠ちゃん。速風君どこにいると思う?」

ダンジョンに行った日で、しかも速風君のステータスは低いからもしかしたら……。

「雪の考えてることは何となくわかるけれど、今はそうでないことを願うだけよ。」

翠ちゃんの言葉はその通りだけど、でも何か自分に出来ることがないか、あるなら行動を起こしたい。

「雪の考えてることは何となくわか……「何でわかるの!」……行動を起こしたいの?なら自分から探しに行けばいい。彼が大切なら。」

た、大切って。でも確かにそうだ。なら私は旅に出て彼を探し出す!

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